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今年は本業に精を出すため関東セミ会には参加しませんでした。
我慢ガマン

自宅で、仲間とセミ会をしたい方はコチラを御覧ください。

さて。
セミ会のメインはなんといっても幼虫。
日没の前後にノソノソと木を登ってくるので簡単に捕獲できます。
アブラゼミ、ミンミンゼミの幼虫は肉質でむっちりとしており
外皮も柔らかく初心者でも大変美味しく頂けます。

一方セミの成虫は採るのに苦労するわりに中身がスカスカで、
揚げると味も正直単調ですので、セミ会ではバイプレイヤー。
幼虫の影に隠れてさっと揚げてポリポリ食べられます。

ですが
他の方から写真が欲しいとのことでしたので
いくつか成虫を捕獲し、モッタイナイので
今回は茹でて食べ比べをしました。

ヒグラシ  Tanna japonensis


朝夕に遠くから聞こえてくる物悲しい声が魅力的なセミ。
実際はというと初夏から初秋にかけて鳴き続けるスタミナタイプ。

高所に留まって鳴くことが多いので、静かなイメージですが
実際に捕獲するとバカうるさい。
腹部が透けるほど空洞が大きく、ミンミンゼミより二回りも小さいのに
カ!ナ!カ!ナ!カ!ナ!カ!ナ! 
大きな声で鳴いています。

「会いたくて会いたくて震える」という近年のヒット曲がありましたが、
モチーフはヒグラシなのかもしれません。
味見
木質の強い香りがあり、成虫にしては幼虫に近い味わい。少し苦味がある。
外皮の柔らかさと肉のうまみのバランスは良い。
ヒグラシについては以前にセミヤドリガ味見の時に食べたので、味見は一年ぶりなのですが、
だいたい同じ表現で、舌が衰えていないことを確認しました。


ミンミンゼミ Hyalessa maculaticollis

日本の代表的なセミ。ミンミン鳴くからミンミンゼミ。
ここらへんではちょっと少なめでアブラゼミの方が多い感じです
グリーンの体色と透明の翅が夏らしいですね。
今回は銀杏の木に留まっている所を素手で捕獲。

茹でると固いが、メスは腹部にうまみがあり、食べごたえがある。鳴かない分腹部の味は良い。結局くちにクチクラが残ってしまうので、揚げて食べるのがおすすめ。加熱すると特徴的な緑が消えてクリーム色にっなった。耐熱性のある緑色素は少なく、構造色に緑が多いのものこのへんかもしれないと思った。


ニイニイゼミ Platypleura kaempferi

去年に羽化直後のものとその脱皮殻を食べたのですが
今回は桜の木で元気に飛んでいるものをゲット。

味見
香ばしさが強く、やや苦味がある。タンパクな味でうっすらうまみ。つよいうまみではない。翅とかクチクラが口に残るので揚げがおすすめ。

アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata


こちらも昨年食べたのですがいい成虫の写真がなかったので再度捕獲
深夜に脱皮後数時間経ったものも捕獲してみました

味見(脱皮後数時間のもの)
木の香りがかなり強い。外皮が固まり始めており、しかも適度な弾力があり調度良い。以前食べた脱皮直後よりもかなり良い。結局口に残らず完食できた。
脱皮直後は濡れティッシュのようで味気ないので、このぐらい弾力がある方が美味しい。
成虫では一番美味しい時期だと思う。


クマゼミ Cryptotympana facialis


大型のセミで主に西日本に分布。
高校時代に図書館の周りにボタボタおちていて
夏休みの補習(クーラー無し)ではシャーシャーと安眠(?)を邪魔する存在でしたが

関東に移動してからはトンとお目にかかれず、こちらは譲っていただいたもの。

味見
固い。とにかく固い。甲虫と考えたほうがよいほど茹でるだけでは埒があかない。
とにかくじっくり揚げるべし。


あとは
ツクツクボウシについてはまだみられず、去年も食べたので、
ここらでまとめとしましょう。

ミンミンゼミメスは旨味が強い。
アブラゼミは脱皮後数時間が結構美味い。

きちんと食べ直してみると何らかの発見があるものですね。





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そういえば食べてなかった半翅目
アオバハゴロモ Geisha distinctissima


以前ツマグロオオヨコバイを食べた時にも言及したのですが

とあるサル研究者によると、
サルの食べている昆虫の中で一番美味しいのはアオバハゴロモ

とのこと。
その方からは
「サルが食べている昆虫の味が知りたくて生で食べていたらアレなことになった」
という話も聞いています。

再度お知らせです
昆虫はヒトに影響をあたえる共通感染症や寄生虫症について十分に調べられていないので
くれぐれも加熱して食べるようにしましょう。

さて、味見

美味い。とても美味しい。身が詰まっており外皮の歯ごたえもよく、しっとり系スナック菓子の食感。味は穏やかな枝豆「さやえんどう」に似ている。半翅目では一番美味しいかもしれない。

サルも納得の美味しいお味。虫っぽくない名前も優雅でいいですね。
小さめの半翅目は美味しいものが多そうです。



以前にジグモのメスとその卵鞘を味見しましたが、

美味しかったので久々に捕獲してみました。
今回は産卵前のメスとオスがいましたので
食べ比べてみましょう。



向って左がオス、右がメスのジグモ Atypus karschi

形は小ぶりですが、カンボジアで食用にされているタランチュラとよく似た体型。
攻撃性は高いですが 味がよく、
土中に巣を作ってけっこう高密度で生息しているので、
日本で養殖するにはこっちのほうがいいかもしれません。
と思ったら
性成熟まで3〜4年とのこと。ちょっと長いですね。。。。

味見

ジグモはやはりメスが美味しい。旨味の強いシーチキンのようなタンパクの美味しさとプチッとした噛みごたえ、適度な重量感が茹でた時にプリッとして大変おすすめ。オスは外皮の噛みごたえがあるものの肉質は少なく、体液の甘みがある程度。少し口に残った外皮がジャリッとする。やはり産卵期のメスがおすすめ。

キマワリ  Plesiophthalmus nigrocyaneus

ゴミムシダマシ科の甲虫で、歩くのが速く、
ヒトに見つかると木を回りこむように逃げるのでこの名前がついています。


ゴミムシダマシといえば
ツヤケシオオゴミムシダマシ・通称ジャイアントミールワーム
が有名ですが、この昆虫は成虫になると悪臭物質「キノン」を出すので
幼虫しか食べられません。

そのためキマワリももしかしたら臭いかも、と心配だったのですが

何事も食べてみないと始まらないですので味見をしてみました。

味見

ゴミムシダマシ系は臭いのかと思ったが、
意外と燻製のような木の香りがしてよかった。
ただ長い手足がノドに引っかかりやすいので揚げがおすすめ。肉質感はなし。

キマワリがジャイミルのように養殖出来れば、
成虫まで食べられるのでよりよいかもしれません。
歩くのが上手なので養殖に難儀するかもしれませんが。



そういえばこのブログを開設したのは昨年の8月1日。
一周年を迎えていました。
ご愛顧ありがとうございます。

44642アクセス。
143記事。
食べた昆虫176匹(種・ステージごとにいろいろ)
なかなか長続きしない性格ですが
よくもまぁ続いたものだなぁと。

感慨深いですね。

一周年記念ですが、いつものように味見をします。


ヤマトルリジガバチ Chalybion japonicum




青の光沢が美しい ハチです。
腰が細くていいですね。

部屋に侵入していたのを捕獲しました。
ヒメグモやアシナガグモを捕獲するので、クモの捕食圧を期待する場合は
間接的な害虫といえるのかもしれません。

味見
細身のハチはやはり固くて食べにくい。強度が高い味は普通で特徴はない。
何の変哲もない昆虫ですが、いつものように参ります。

今後共よろしくお願いいたします。

むしくろとわ
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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