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御覧下さりありがとうございます。

当ブログは
昆虫を食材としておいしく楽しむために開設されました。

私たちの身の回りには沢山の虫がいますが、ほとんどの人は
彼らを日常的に食べません。

なぜでしょう。

私は3つの要因を考えています。

1,どの昆虫が美味しいのかわからない
2,どうすれば安全により美味しく食べられるのかわからない
3,どうすれば食事になるほど十分な量を捕まえられる、もしくは養殖できるのかわからない

幸いなことに、少量であれば昆虫を捕まえるのは簡単です。
このブログでは私が見つけた美味しい(もしくは美味しくない)昆虫を
紹介したいと思います。

一緒に美味しい昆虫を見つけ、養殖に挑戦しませんか?

Thank you for visiting my blog!
I try to make you enjoy eating insects through my posts.
Many insects are living in our environment but few people have been used to eat them.

Why?
I think there are three reasons.
1. Little is known what insects are delicious.
2. Little is known how we can cook them more safely and more delicious.
3. Little is known how we can catch or raise them enough to cook for our meal.

Fortunately, we can get them easily if it is a small amount.

If I find a delicious one (or a bad taste one), I will tell you through my posts.

Let's find delicious insects and try to farm it for our future!

当ブログでは
出来るだけ正確に味をとらえ、
同時に衛生的に食べるため、
調理法は基本的に「茹でポン酢」に統一し、

写真、和名、学名、ステージ(成長段階)
採集場所、味評価、香り評価、食感、見た目、
適した調理法を発信していきます。

日本は世界でも稀な昆虫の豊かな地域で、
アマチュア昆虫研究者も多く、昆虫は我々に身近な存在です。

タイトルはデカイ方がいい。
あと野菜ソムリエに対抗して
「蟲ソムリエへの道」と致しました。

蟲に関してはまだまだ若輩者ですが
一つの楽しみ方として話半分に御覧ください。



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ディズニーの最新作
ズートピア



全く興味はなかったのですが、
ディレクターJared bush のこの発言を見かけて、私の心はざわつきました「調べたんだけど、ズートピアの肉食動物は植物と昆虫ベースのタンパク質を食べているんだよ。バグバーガーは彼らのお気に入りのレストランさ」(意訳)

なんと、昆虫食映画だったのです。

バグバーガー店舗は残念ながら劇中には確認できなかったのですが、公式ですし
しかも養殖昆虫が使われている可能性が高いので、近年最も先進的な昆虫食映画だといえるでしょう。

また、
昆虫食の部分が「劇中で触れられていない」というのもなかなかおもしろい話です。

物語の本筋自体は、レイシズムを動物に置き換えた説教臭い優秀な教育映画だったのですが

そこに
現在の動物福祉あたりの種差別もからめて脚本を仕上げるあたりが賢さ全開です。

全てのシーンに意味があり、きちんと伏線として回収するあたりも見事
天才をとりあえず集めて、一人の天才ではできないことを集団で成し遂げるという
世界最先端の知的生産物だといえます。

昆虫食に興味が無い方にもおすすめです。

以下は
ズートピアの食料生産を考察するために、
ネタバレをしますので、未見の方は読まないことをお勧めします。


1,ズートピアの住民の権利「ZOO権」

はじめに、
ズートピアがパラレルワールドではなく、我々の地球の将来、と仮定して推測します。
「DNA」という言葉が出るように、姿形だけでなく、遺伝様式も彼らと
現在の動物とは系統関係にあるといえるでしょう。

その食料生産を考察する前に、
劇中の動物たちに認められている権利、「ZOO権」について
(あくまで独自のZOO権であってアニマルライツではありません)
考えてみましょう。

二足歩行で言語を理解し、衣服を着ることが「文化的」であり
食に関しては菜食と昆虫食が採用され、それが「進歩的」である、
というなんとも人間臭い社会常識のズートピア。

音楽やファッションなどの娯楽も守られています。
通貨での貨幣経済も成り立っているようです。
ドーナツを食べて太る自由もありますし
食に関する個人の自由は最大限に尊重されているようです。

婚姻の自由に関しては深くは語られなかったのですが
異種への転換をすること、異種間に子孫を残す技術はない模様です。

トガリネズミが出てくることから、最小の哺乳類までZOO権は付与されているようです。
唯一出てきた哺乳類以外の生物はハエ、意思のない、不潔の象徴として表現されていました。
彼らにZOO権はないようです。

衛生に関する法律があることも語られたため、バクテリアも存在するようです。

我々の現在の社会と近いものがありますので
違和感なくすんなり話に感情移入できますが、彼らがもともと
野生の哺乳類だったこと、また、栄養要求性に関しては
進化してもあまり変わっていないことを考えると

彼らのZOO権を、人権と同じように尊重すると大きな問題が生じていることが推測されます。
食糧問題です。彼らの食性は、ヒトとは大きく違うからです。

現在のヒトの食生活においては
ZOO権を認めておらず、多くの家畜からの搾取で成立していたので
それらからの搾取ができなくなったズートピアでは、
ヒトの真似事ではない、独自の食料生産を考えなくてはなりません。

また、鳥、両生類、爬虫類、犬猫、霊長類、ヒトが出てこないことから
ズートピアの生態系はかなり歪です。



ズートピアを「エコトピア」と呼ばないあたりに、生態系を正しく利用する理想郷を
想定していないところが、この映画のグロテスクなところです。
あくまで動物園にいた哺乳類たちの楽園、という感じですね。


2,ズートピアの成り立ち

彼らはヒトに近づく変化、二足歩行化と衣服、言語の理解を
「進化」と言っていますが、
我々の考える「進化」とは大きく異なっています。

奇妙なことに
「二足歩行化、言語習得」という人間にしか持ち得なかった能力を
多くの哺乳動物が同時に獲得したと思われます。

御存知の通り、
数万年前にヒトが知能を進化させた結果、
生態系は大きく変化しました。

もし
ズートピアが始まるときに知能を進化させたのが、
何らかの一種だった場合、その種が優占することとなり、他の動物にも影響するでしょうから
ズートピアで見られている種構成が大きく異なっているはずです。

いわゆるチンパンジーなどの数種の類人猿が寡占したのが
「猿の惑星ジェネシス」ですね。

「知能をもった猿が支配する未来」が来ていないことを考えると
「複数の哺乳類において同時多発的に知能向上が起こった」といえます。

そういえばズートピアにサルが出てきません。これも妙です。

つまり… 「ズートピアは猿の惑星の続編」という仮定が成り立ちます。

ヒトとサル、犬猫、先に知能化された霊長類があり
動物福祉の観点から「動物園の動物」が後追いで知能化されたと考えられます。

そして、、、、

ヒトの惑星から猿の惑星、そして動物園の動物の惑星へと、数百万年のタイムスパンで代替されてきたと思われます。

その代替が選挙によって穏やかに行われたのか、それとも種差別と殺戮の応酬によって
歴史ごと塗り替えられたものなのか、語るものはもういません。

もう一つ、気になることがあります。彼らの社会の進歩の無さです。
動物の種差別を乗り越えようとする段階は、まさに今のレイシズムを乗り越えようとする
人類の過渡期と同様で、数百万年の蓄積があるとは到底思えない「未熟な社会」です。

また、エネルギーの使い方にも浪費が目立ちます。
エンジンを使った車、ツンドラ地帯を人工的につくる巨大な熱交換器
熱帯雨林地帯を作り出すスプリンクラー

それらがいまひとつ断熱されていない地域の境界など
ヒトがいなくなる過程において、
エネルギー問題は恐らく核融合か核分裂などで解決されたとみえます。

しかし巨大な熱源をもつことはヒートアイランド現象を引き起こすでしょうから
ズートピアは夏めっちゃ熱い、と思われます。オフィスや公共交通機関の空調は
誰に最適化されていたのでしょうか。

以上から考えられることは、彼らの進歩のない、とってつけたような「人間化」は
進化ではなく、遺伝子編集によって人為的に付与されたものと考えられるのです。

そして、医学生物学研究は、暗黒の歴史として封印されているのでしょう、
ズートピアの医療システムは極めて稚拙です。植物毒の検出すらできなかったのですから。

時系列で整理します


1、動物解放論を端緒とし、ヒトに近い動物の権利「アニマルライツ」の向上が図られる

2、動物園で飼育する動物は「飼育動物の承諾をとること」という法律が可決、事実上の動物園廃止へ。一方で受精卵の遺伝子編集により人語を解する「本人の意思を確認できる動物」が生まれる
必ずしも二足歩行は必要ないのですが、
人語を喋れるように声帯の延長を起こすため、と脳が大型化しても脊椎が耐えられるように二足歩行にしたのかと。

かくして「動物園」が動物の承諾を得た上で成立するようになる
3,動物園の動物がヒトと同等の社会参加を訴える

4,動物・ヒトの混合社会の成立 もしくはヒト対動物の戦争状態

5,何らかの理由でズートピアからヒト、霊長類、犬猫が消える。
  同時に二足歩行でない哺乳類も消える。
  戦争かもしれないし感染症かもしれない
  ズートピアにいないだけで別の場所にいるのかもしれない。

6,現在のズートピアの成立。動物園由来の生態系なので、
  空調を用いて哺乳類個体に適した環境を作ることはあっても、
  本来の生態系に住む、という発想がないのが彼らの哀れなところです
  おそらく生態学などの学者もいないでしょう。

ズートピアは動物の楽園、ではなく、
あくまで動物園の動物達が楽園化した、といえるでしょう。

その成り立ちを住民が理解していないことから、
歴史上からヒトが消えたか、ヒトが彼らの見えない所で監視しているか、のどちらかだと思われます。交通監視システムから見ているのかもしれませんね。


さて、ついに本丸、昆虫食の生産について考えてみましょう。

劇中に出てきたドーナツやパイに、乳牛由来のバターや鶏卵を使えません。
ダイズや豆乳のような代替物を使うことでしょう。
また、イネ科系穀物とダイズだけではメチオニンが不足するので
合成メチオニンを添加 http://toyokeizai.net/articles/-/113049 していると思われます。

これらの石油化学工業は、だれの仕事なのでしょうか。

主人公のウサギの実家はニンジンをはじめとする植物農場でした。

ウサギのほとんどは伝統的に代々この職だそうです。
ニンジンはカロリーが低く、草食動物は食べられるものの
肉食動物にとっては腹の足しにはなりません。

単位面積あたりの生産量の高い牧草もいまいち見られませんでした。
ズートピア住民に反芻動物が多くいることから、大量の牧草を用意する必要があるはずです。

ウサギは「伝統を守る」目的でニンジン農場をあてがわれており

主な食料生産は公的に、他の場所で管理されていると思われます。

彼らの糞便が水洗トイレで流されていたところをみると、
公共機関がそれらを回収して植物栽培するのがよさそうです。

では
ウサギが「伝統的に」ニンジンを育てていることを誇りにしているのでしょうから

「昆虫を育てる」という伝統をもたないズートピアの住民のなかから
誰に育てさせることになったのでしょうか。

答えは恐らく

「囚人」でしょう。

ここから
「人語を介さない動物がいないこと」
「ヒト、犬猫、霊長類がいないこと」

の理由が見えてきます。逮捕起訴収監されたのです。

先の歴史「5,何らかの理由でズートピアからヒト、霊長類、犬猫が消える」
に追加しましょう

ヒトも犬猫も、霊長類も、そして最後に動物園の動物も
「人語を解する」ようになった結果、出生率の高い動物が増え

市民の大部分が動物園の動物由来になり
その中で先に人語を解するようになったヒト、犬猫、霊長類は
差別的な行為や行動をしたことにより
また、
遺伝子編集されていない原始的な動物は
捕食をすること(殺人)に相当するということで
みな「投獄」されたのです。

死刑制度という「野蛮な」制度はなくなっているでしょうから
終身刑で食料生産を担う、という囚人がたくさんいると考えられます。

食料生産の権限はおそらく市長がもっており
病院内を改造して刑務所のような区画を作ったり
逮捕された前副市長が囚人服を着ていたことからもわかります。

ライオン市長が最も凶暴化を恐れていたのは、食料生産を担う囚人だったでしょう。
なので、傷害事件の犯人にもかかわらず、市民がアクセスできる廃病院へと隔離したのです。

囚人を使った食料生産によって成立している社会ですから
法制度は厳しく、屈強な警察が必要です。

つまり、ズートピアは「夜警国家」なのです。

ようやく見えてきました。

強大な権力により「市民」と「囚人」に区画され
囚人が主な食料生産を担い
市民は「文化的」で「尊厳のある仕事」を任されます。

囚人がつくった昆虫などのタンパク質は国家が管理して粉末化され一括で価格が決められ
ドーナッツやパイの材料として「見えない形で」市民に供給されています。

では、その粉末化された昆虫とは何でしょうか。

それは市民権の与えられていない、かつ物語に登場した唯一の昆虫、ハエでしょう。

ハエは糞便からも養殖できますし、フスマや脱脂大豆などの食品残渣からでも養殖可能です。
動物は塩分摂取量が少ないでしょうから、塩分に強いアメリカミズアブを使う必要はないでしょう。

つまり
「ズートピアはハエを囚人が養殖して提供する夜警国家」だったのです。

続編は囚人とハエが脱走し、人語を解するハエが市民権を主張する
「ザ・フライトピア」あたりでしょうか。

ディズニーに期待しましょう。
後編です。

まず
一般的に「プラスチックは分解されない」
ということについてもうちょっと考えてみましょう。

我々が日常使っているプラスチックのほとんどは
炭素を含む高分子の有機物です。

そのため、
有機物を扱う生物の一部、特に莫大な種があり頻繁に変異する微生物は
プラスチックの成分を分解できるものがあります。

簡単に
土壌からスクリーニングできるキットもあります。
http://www.cosmobio.co.jp/product/detail/01650001.asp?entry_id=3134

つまり、生物がプラスチックを分解することはすでに可能で

ただその分布がヒトの活動に依存していること、

ポリマーが疎水性で強固なため、表面積を確保できず
酵素反応がうまく行われないこと

そして炭素以外の有機態窒素などの生物にとっての栄養をほとんど含まず
分解してもベンゼンなどの毒物質ができることから利益が薄いこと

などから、木質バイオマスと同様に、
生物の栄養源として優先度が低い状態なのが
「プラスチック」なのです。

分解性生物の優先度が低くなった結果、
残存量の多いポリマーとして「木質」も同様に考えられます。

木質は親水性の炭素骨格、セルロースを主体とするポリマーですが
他にリグニンやヘミセルロースなどの複数のポリマーががっちり絡みあった状態なので
なかなか酵素反応だけでは分解できません。
特にリグニンはフェノール基を含む疎水性の成分なので、プラスチックによく似ているといえるでしょう。

FRP(繊維強化プラスチック)あたりがイメージとして近いかもしれません。

そのため、セルロースをナノファイバー化してプラスチックと混ぜあわせた
セルロース型のFRPも開発されています。

それらと、紫外線への分解感受性を高める添加剤や
土壌微生物で完全分解できる生分解性プラスチック
などを組み合わせることで
木材以上の強度と、適度な分解性を備えたプラスチックの開発は可能でしょう。

また、
木材においてもアゴをもつ昆虫の侵入が大きな問題ですから
同様にアゴをもち、共生細菌によって分子レベルまで分解できる木質昆虫が
将来のプラスチック製品の「害虫」になるかもしれません。

今のプラスチックはあまりに生分解性がないために、
その処理が十分でなく、海に流れています。

一方で、あまりにありふれていてコントロールできない
環境中の微生物や紫外線のみで分解してしまうプラスチックでは
強度的に心もとないでしょう。

そこで、
「昆虫分解性プラスチック」と
「プラスチック特異的分解微生物」を開発し
「プラスチック特異的分解微生物共生昆虫」を養殖。
その防除法までを同時に開発することで

環境中にインパクトの少ない、そして
昆虫を利用することで、プラスチック製品の設置が間接的に食糧備蓄になるような
未来の形ができるかもしれません。


話はすこしそれますが、実は、そのような
技術は、木質昆虫ではまだなのですが、
カメムシで既に報告されています。

日本の産業技術総合研究所のグループでは
カメムシの共生細菌を抗生物質で殺し
遺伝子組み換えをした別の微生物で再構成する、という
「共生細菌サイボーグ」のようなものを作っています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160111/pr20160111.html

基礎的な知見として、今まで知られてこなかった
微生物と昆虫の共生関係を調べるとんでもないキレッキレの実験系なのですが

その中で殺虫剤耐性を環境細菌から獲得することも明らかになっています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150901/pr20150901.html

これは、昆虫という世代の比較的長い生物が
世代の短く、変異の多い細菌と同じ速度で殺虫剤耐性を獲得する可能性を示すものであり、

今の抗生物質、抗菌剤と同様に、次々と耐性菌が登場してその開発が追いつかない現状と同様に
「多剤耐性昆虫」が容易に発生する可能性を示しています。

そのようなことになれば、今のように環境中に殺虫剤を散布することは
無闇に抗生物質をばらまくことと同様のリスクであることですので

もっと特異的で、
土壌への散布を避けるような限定的な利用をしなければならなくなるでしょう。

その時、天敵農薬や特異的殺虫剤などのようやくの出番です。

全ての昆虫に効くような、細菌でいうところのバンコマイシンのような
「最終兵器殺虫剤」の日常使いは禁止されていくでしょう。


話をもどします。

未来の昆虫利用においては、

プラスチックだけでなく
殺虫剤も昆虫毒性高い高分子と考えると、

その分解という「生態系サービス」までを
含めた運用を提案することができれば、新しいシステムが見えてきます。

多くの場合、高分子は工場で集約的に大量生産されますが
その利用は各個人、各家庭、各地域へと「分散」されています。

その分散した有機物は、廃棄される段階になると「再集約」され
集中的に処理されています。

これでは、
処理の度に輸送エネルギー、回収エネルギーがかかってしまい
それらのエネルギーを使ってペイできないもの
たとえば、
バイオマス発電の発電量よりバイオマスの輸送エネルギーの方が大きい場合
腐りやすく含水量の多いバイオマスを飼料利用するため冷蔵輸送する場合

は、損益分岐点のハードルが高い状態ですので
利用されない「余剰バイオマス」ができてしまいます。
無理やり利用しても、かえって環境負荷が増えてしまいます。

そこで次に考えられるのは、集約生産されたものを分散利用した後、分散再処理して使うことで
輸送エネルギーを節約できるでしょう。


その時、昆虫のように容易に増やせ、処理能力が集約しても分散しても変わらず
メンテナンスも容易なシステムが有効です。

更に考えます。

いまの一次産品の多くは分散的に生産され、収穫されて集約されたものなので、
それらが分散的にそのまま利用でき、その不均衡だけを輸送する最適化システムができれば
自然エネルギーなどの分散的に発生するエネルギーを利用することになり
地下資源の枯渇後の生産システムとして有望でしょう。


この中で集中的に生産されるのは、
いわゆる「鉄器」のような耐久消費財だけになると考えられます。

最終的な3の状態になることは百年単位で当分先ですが
「脱集約 Decentralize」は、
この先のバイオマス利用においてホットなポイントになると思います。

電力、情報の脱集約化が起こりつつある現在、

次の脱集約は食糧で起こるべきだと思うのです。
その時、常温常圧で作動し、処理に失敗したら死ぬことでアラートを出してくれる
昆虫は、植物に寄って生産されたものを、
何度も分散再処理するシステムの中核を担うことになるでしょう。

また、そのシステムをよりコンパクトに、閉鎖系で設計することが
将来の食料生産システムにとって有用な知財であることをアピールし
多くのヒトに将来に思いを馳せさせる「デザイン」になるだろうと、予言しておきます。

そして、未来の脱集約食料生産モデルを見ながら食事をすることは
食品そのものではなく、そのプロセスを味わう
新しい「グルメ」の形で普及していくでしょう。
中編では、ミールワーム、
つまりチャイロコメノゴミムシダマシの生理と生態について、
「木質昆虫学」という視点から掘り下げます。

ゴミムシダマシという名前は大変に誤解を招きます。
ゴミムシとはけっこう遠い仲間で、全く別のグループと考えてよいです。

参考文献はこちら

木質昆虫学序説




森林利用、というヒト視点を軸に、概観した本なので、
昆虫の利用をヒトへの利益の視点から考えたいわたしにとっては
大変うれしいまとめでした。


話はそれますが、カミキリムシがおいしい、という話はここでもよくしますが
なかなか無料で、多くの人に提供できる数は手に入りません。

カミキリムシが薪の利用低下とともに入手困難な昆虫になってしまったからです
「カミキリが侵入した苗木を見分けるイヌ」とか(本来は植物防疫目的ですが)
とても食欲、もとい想像を刺激されます。

話を戻します。
この本は膨大な情報量と文献リストへのアクセスができるので
門外漢が分野の概要を知るのにやはり母国語のほうがスピードが節約でき
すごく助かりました。

木質という地球上における残存量最大の「やっかいな」バイオマスの
物理化学的性質、そして植物学的特徴という基礎的な面から
林業などの「実学」につながる部分
更に食用も含めた未来の
昆虫利用まで総合的に論じている点で非常にためになります。

また、
木質昆虫の飼育養殖は難しく、木材が巨大であること、
そして木材そのものが売り物ですから
それらを全て調べることは容易ではありません。


昆虫種や生態など、
研究観察しやすいものとしにくいものの間に、研究進捗のギャップがあることから
概論を導くためにかなりざっくりとした類推を含む部分もあるので、
この本の主張から引用して持論を展開するのはあまりよろしくないように思います。
原著に至るガイドラインとしてすごく役立つかと。
母語で新しい分野の概観を読むことができるというのはとても恵まれたことだと感じました。


お買い得ですが安くはない本なので、ぜひ最寄りの図書館に購入希望を出してみましょう。
図書館は不特定多数の人に安価で読書の機会を提供する裝置なので
こういう地雷を公的機関に仕掛けて、将来の昆虫研究者を増やす活動に勤しみましょう。

この本のガイドに従って、
木質昆虫、とくにゴミムシダマシについて
詳しく見ていきましょう。




昆虫が利用する木質の分類として大きく2つにわけられるそうです。

一つは生きている木を食べる「一次性種」と
もう一つは死んだ木を食べる「二次性種」です。

一番大きな違いは木の生理的食害応答があるかどうか、です。
カミキリムシなどの生木を食べる昆虫は、生木にある成長点などの
栄養豊富な部分をターゲットとし
食害に対する防御機構をかいくぐり、しまいには木を枯らしてしまいます。
枯死した木には、その分解状態に応じて生木食以外の二次性の昆虫が、
その分解を引き継いでいきます。

枯木のバイオマスは生木に比べて
炭素ばっかりでタンパク質の元となる有機体の窒素が少なく、
それでいて生木と同様に
セルロース、リグニン、ヘミセルロースなどの
多様な高分子が互いに強固に接着したままですので
その分解にはもちろん多様な酵素が必要でしょう。


そのため
「生木食のカミキリムシだけを生産し続ける林」というバランスを保つのは
なかなか難しいと思われます。

木材利用も含めて考えると、
木を枯らしてしまうと、木材としても使いにくい枯木になってしまうことから
一次性種であるカミキリムシはおいしいけれども、将来性があまりないのはこのためです。
薪利用とカミキリムシ食はセットで考えるのが良さそうです。




一方で、ゴミムシダマシの多くは
枯木を食べる二次性種です。一次性種であるキクイムシのフンを食べる
ものもあるようで、恐らくアゴの発達と機械的強度とも関連しそうです。

また、ゴミムシダマシの幼虫は脂肪が多く、タンパク質は少ないので
貧窒素・低湿度に耐える特徴があるのかもしれません。

ミールワームは特に乾燥に強く、コムギのふすまで飼育できますが
湿気を与えると一気にカビが出てしまいます。
飼育にあたっては野菜くずなども食べてくれるので
湿気の溜まらない排気システムを備えた
生ごみ処理機
Livin Hive 
もキックスターターで最近有名になりました。
http://www.livinfarms.com


これは見事に14万5千ドルの資金調達に成功し、現在製作中だそうです。
830 backers pledged $145,429 

先の論文のことを考えると、
これに、
プラスチック梱包材も入れられるかもしれません。

では、木質昆虫であったミールワームがなぜ、
スタイロフォームを分解できたのか、後編で考えてみましょう。

そして、ミールワームから、
昆虫によるバイオマス利用のブレイクスルーが起きるのかどうか、まで、
予想してみます。

昨年10月に、面白い論文が出ました。

ミールワームが共生細菌と一緒にスタイロフォーム(発泡ポリスチレン)を分子レベルまで分解する

というものです。

とても良い写真とともに。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.5b02661

確かにスタイロフォーム食ってる。
スタイロフォームとはいわゆる発泡スチロール。建築材で大量流通しているのでとても安く、
造形の世界でも大型の造形物の芯に使われたり、とっても便利な素材です。

二報にわたって示されたことには、ざっくり言うと

1,ミールワームはスタイロフォームを食って分子レベル(脱ポリマー化と二酸化炭素への分解)の分解をしている。コムギのフスマを食べさせたものとスタイロフォームを30日食べさせたものは、生存率に有意な差はなかった。食べたスタイロフォームのうち16日で半分程度がCO2へ。

放射性同位体の炭素C13を使った追跡によって確認
2,スタイロフォームポリマー(ポリスチレン)は消化管の共生細菌によって分子レベルにまで分解されているようだ

ディスカッション
プラスチック廃棄物の処理方法の1つの手段になるかもしれない。

とのこと
これはすごい。

やはり再現性が気になったのと、
30日間のその後の長期的なミールワームの健康が気になったので、
やってみました。

昨年10月から仕込んで、2パックほどの市販ミールワームを。
11月25日の写真がこちら。
 
食ってますね。底に水色の粉が溜まっているので
少なくとも粉末レベルで破砕しています。
そして4月

遅いですが食いっぷりは進んでいます。

味は。。。


あまり普通のものと代わりはない。プラスチック製品のような溶剤の香りもない。
もちろん無臭の成分でも体によくないものがあるのでおすすめはしません

追記です。
論文に記載されている分解については
ポリマー化しているα炭素とβ炭素についてラベリングしていますが
ベンゼンについてはまったくノータッチです。
C02として無機化しているということは、
好意的に見ればベンゼン環も分解されたと見えますが、

ベンゼン環はかなり安定した化合物で、分解菌も通常ほとんど分布していないこと、
変異原性があることから、分解の可能性は低いでしょう。
なので、せっかく安定していたポリスチレンからベンゼンを放出する「余計なことしい」
の可能性もあります。


続報を待ちましょう。というかベンゼンに標識した結果ってなんでないんだろう。。

なので試食はおすすめしません。今の段階では。



香ばしさが幼虫より強く、甲虫でも食感はとてもよい。揚げなくてもサクサクしている。



今のところ成虫までにはなったのですが、次世代が生まれていません。
完全栄養食とはなっていないのでしょうか。
引き続き観察します。

さて、
スタイロフォームの材料であるポリスチレンなどの
プラスチックはヒトの活動が近年生み出したもので、
自然界には本来分布していません。

こんな分子構造をしています。


紫外線でポリマーの分子結合が分解されながら
機械的な破砕とともに細かくなっていきます。

いったん表土などで被覆されたり
水に沈んだりすると
分解は相当に遅くなります。

機械的な破砕によって細かくなったプラスチック破片「マイクロビーズ」は
野生生物への悪影響があるのではないか、と懸念されています。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3725/3.html

今のところ野外での重大な影響は報告されていませんが、
実験室内での影響はあったとのことです。

そんな中で、
ペットの生き餌として使われる身近な生物、ミールワームと
プラスチックとのマッチングは
我々のプラスチック処理のシステムを大きく変えることになるかもしれません。

梱包材や衣服など、身の回りにあふれるプラスチック製品を
昆虫で転換して食べてしまう、という未来です。

はたしてこのマッチングは
「奇跡的」なものでしょうか。

そして
廃棄物処理の救世主になるのでしょうか
いまのところ結論を保留して
昆虫学のレベルからもうちょっと冷静に考えてみましょう。

中編に続きます。

Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
人生迷走中 顔はクロトワ似「なぜ昆虫に食欲が湧かないのか」をテーマに研究開始。食べたら美味くて研究頓挫「昆虫を美味しく食べる調理法とは」に変更/食用昆虫科学研究会 Edible insect science meeting 昆虫料理研究会 趣味自転車;鯨食文化研究;法螺貝;トランペット;リコーダー;鯨歯彫刻
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