忍者ブログ
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

お知らせです。
8月4日、NPO法人食用昆虫科学研究会の副理事長、水野壮監修・執筆の
昆虫食の新書が出版されます。表紙のトノサマバッタは私が撮影したものを使ってもらいました。




我々が本格的に研究を開始した2011年から


FAO報告書で盛り上がった2013年以降、現在に至るまで、
世界の昆虫食事情がどのように変化し

日本において我々の研究がどのように進んでいるのか、ざっと概観できる素晴らしい本に仕上がっています。

私の昆虫味見コラムも載っています。

私が主著者になる本はまた別で進めていますが
かなりの趣味的部分が濃くなり、けっこうな分量と価格が予想されるため、

ライトに入り口を覗いてみたい、という方は
たった1000円ですので、予約購入をおすすめします。私も内容を確認しておりますが
まだどこのネットにも書いていない情報がいくつも惜しげも無く掲載されていますので
昆虫食のビジネス化に興味があり、他社に先んじたい方にも良いかと思います。

最近、研究会にも個人や企業からの問い合わせが多くあるのですが
基礎的なことを知ってもらわないと相談にならず
1から説明するのに苦労することが増えてきました。

そこで、
先にこの本を読んでいただき、そこから興味のあること、
疑問に思ったことを問い合わせいただければと思います。

昆虫食を研究したい学生さんにもおすすめします。
買うお金の無い、という方は
複数の図書館にリクエストカードを書いて出してください

ともあれ、
我々の研究は持ち出しの研究費不足が続いております。
ぜひともこの書籍を通じて情報を買っていただき、支援いただければと思います。

昆虫食の情報なんて要らないよ、という方は

あるいは寄付でも構いません。


(PDFパンフレットに研究会の口座が書いてあります。寄付の検討をされている方はご一報いただければと思います。)


まだ認定NPOにはなれていませんが、今後昆虫食を総合的に研究できる
研究会として、一層の充実を図るために使用させていただきます。

こちらで立ち読みもできます。
http://www.yosensha.co.jp/book/b243315.html




ぜひご覧になってお買い求めください。

PR

#土用のむしの日キャンペーンを、
個人的かつ大々的にやってきたわけですが

現状、どのような代替物でも、
絶滅寸前のうなぎに比べたら「いいもの」です。

また、ウナギは年々価格が上がっていますが、対コストというより、
絶対量の不足による希少価値で値段が上がっている現状を見ると、
政治的介入をすべき段階だと思います。

この状態が、
地球の未来の紛争を見るようでなんだかやるせない気持ちになります。

現在、
多くのヒトは第一次産業に従事しておらず、従事していたとしても自給用ではないので


「食品は市場で買うもの」となっています。

そのため食品は市場価格をもちます。
ところが、他の物品と比べて、食品の市場価格は大きな特徴があります。

不足した時に市場が崩壊するのです。
食糧が不足する状態では、市場そのものが維持できません。
そのため、政治的に介入したり、国際的に援助をする必要があるのです。
ある供給力を下回った時に、食品は、市場経済では扱えないものに変わってしまいます。

それを回避するため、つまり
健全な資本主義経済の上で食品を回すことを目標とする
政治的な食料安全保障、という取り組みがあります。

同時に、個人の備えとして自給力を高める、という食料安全保障もあります。
投機的な市場経済の高速化によって、食品価格の乱高下は起こりやすくなっていきます。

大規模災害時には、流通が止まるので、市場経済にアクセス出来ない状態にもなります。
私の願望としては、個人の自給力を高める手段として、昆虫を利用した分散家畜を
実用化したいな、と思っています。

前置きが長くなりました。

端的に言いますと
「自給うな丼を作ろう」ということです。

ウナギは完全養殖の技術が確立していない未開発の家畜ですので
種を他のものにしましょう。

今年は以前から推している、エリサンです。
今年もとある方から分けていただき、養殖できました。
養殖に必要なシンジュの葉も、あるルートからもらうことができました。
わが家でもプランターに株を用意しています。

今回は、エリサンが繭を作って、蛹に脱皮する前の段階
「前蛹」を使って、エリ丼を作りましょう。

その前に、以前に作った代替うな丼を振り返ってみましょう。

2013年にはオナガミズアオ丼オナガミズアオとエリサンを使った2014年はこちら2015年はトノサマバッタ粉末を練り込んだパンケーキ状にしてみました。

さて、今年は
「エリ丼はうな丼の容量でいいのか」
という問題に向き合います。

我々の口の大きさは、ほとんど決まっています。握りこぶしが入るヒトはまれでしょう。
口腔の容積は150mlほどだそうです。

もちろん個人差があるでしょう。
喉奥にまで含めるヒトと、そうでないヒト、

ともあれ多くの昆虫は150ml以内に収まります。
「一口大」であることは昆虫の利点です。

一個体の味のすべてを、


ちょうど一口ぐらいで味わえるのはたいへん手軽なものです。




一方で、
肉牛などは一口でウシのなんたるかを全く味見できません。
また、屠殺は多くの事故が起こる危険な作業ですし
屠殺後、数週間熟成させるなど、おいしく食べるにはかなりの手間とリスクと時間を要します
脊髄や脳、骨など、食べられない部位もあります。


一方で、一口サイズよりも遥かに小さい、


酵母などの微生物は、その周囲の培地と分離することは難しいので
「酵母って美味しい」という人もほとんどいないでしょう。
酵母発酵したものは美味しいとはいえますが、そのものの独特の風味を
味わえる、というのは一定の大きさが必要であることもわかります。

そういえば以前に、クマムシ博士の研究室で、
クマムシの味見をしていました、
コケ臭いとのことでしたが、食餌であるクロレラとの比較をしないと
クマムシ本来の風味を抽出することはできないと思います。


http://horikawad.hatenadiary.com/entry/2016/04/01/000000

「酵母は美味しい」「ウシは美味しい」といえる人がほとんどいない一方で

「むしは美味しい」「むしはおいしくない」と言うヒトが結構多いのは
単離した一個体を一口で食べることで、「味を網羅した」気分になれるのではないでしょうか。
実際はというと、
卵、幼虫、フン抜き、前蛹、蛹、成虫と、
多くの成長段階で味は刻一刻と変わっていきます。

成長段階を網羅したとしても、
「この昆虫は美味しい/不味い」というのはなかなか判断できないものです。
また、昆虫はその調理法が未開発ですので、茹でて不味いからといって
その昆虫が美味しくない、と判断するのは拙速です。

コーヒー豆やウメの実など苦味や毒の強いものもありますし
ゴーヤなんかは最近美味しいとされてきましたが、昔はその苦味が敬遠されていたように思います。調理法や文化によっても「美味しさ」は変遷するのです。

昆虫を概観すると、茹でただけで「食べ慣れたような味」に達するものが多いことから
嗜好品ではなくベース食糧としての可能性が大いにあると考えています。




話がそれました。

ウナギの場合、「尾頭付き」という文化とも関連していそうです。
ハレの日の食品ですから、丸まる一尾食べたいものでしょう。
結果として、ご飯たっぷりの「うな丼・うな重サイズ」が
出来上がったと思われます。

あくまで縁起物ですから、
節分の福豆のように、ちょっと口にするだけでもいいはずです。

昆虫の場合、一口で尾頭付きを食べられる調度良いサイズなので
一口前後が、最適なサイズなのではないでしょうか。

ということで、今回のエリ丼は「一口、ないし二口サイズ」
になります。

動画で作ってみました。

ということで、
「未来のうな丼は一口サイズ」だといえそうです。

これはどうしてもウナギを食べたい方にもいい話ではないでしょうか。
今まで一尾食べていたのを一人一切れにするだけで、
消費量は1/10以下になります。


30年前の稚魚の漁獲が200トン、現在が20トンという統計とも一致します。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120710/315512/?P=2


未来の子孫にウナギの味を残せるように
多角的に考えていければと思います。

土用の丑の日があと1ヶ月ですが
私はしばらく禁鰻をしています。

江戸時代のウナギが余る時期に作られた商業目的のゲン担ぎだそうなので、
ゲン担ぎで対抗できればと、

#土用のむしの日 キャンペーンもしつつ、持続可能性のない鰻食の根絶にむけて頑張る所存です。

これから夏バテが気になるシーズン。活発になる昆虫の栄養を
積極的に摂取することで、乗り切ってまいりましょう。

さて
ウナギの資源が危機的になる中、
近畿大学が「ウナギ味のナマズ」を開発したことで
話題になりました。「ウナギ味」ということであくまでウナギの下位互換として売る、という商法は
ナマズのそもそもの美味しさを知る人にとってはなんともアレですが。うまく大手航空会社を互換したいLCCとの相性がよかったのでしょう。値段がかえって高い、というのも上手にクリアしているようにみえます。

我々は本来、「天然の」ウナギを食べていたのですが
今、多くの人は「養殖の」ウナギを食べています。

しかし、それは蓄養された「天然の」ウナギの稚魚であって
ウナギ資源に巨大な漁獲圧をかけています。

いまでも日本のウナギ流通は改善する様子がないので、
私は政治的な意思表明として、ウナギ食を禁止しています。
もちろんですが、最適な漁獲方法で、資源管理が徹底できているものを食べない理由は
ありません。私が食べないことで、廃棄になるコンビニウナギが減ることも、増えることもないでしょう。
あくまで政治的なものです。

私が何度も繰り返し言いたいのは
「食品の生物種で食べる・食べないを決める時代から脱却しよう」
ということです。

なので
「昆虫という種だから食べない」という判断も
「昆虫という種だから食べる」という判断も、この先は時代遅れになることを期待します。

私もゆくゆくは蟲ソムリエを廃業し
「食システム・ソムリエ」というような
https://goo.gl/3AAWT4 個々人にとっての環境利用の最適解を実装する
システムエンジニアリングを提供する形になっていければと思います。

そして、
食をシステムとしてとらえた時、
そのシステムから昆虫を除くことは、多くの場合ナンセンスです。

ということで、
ウナギ食を、ナマズで代用するだけでなく、更に昆虫を含める提案によって
システム改善していきましょう。

ともあれ、
ナマズがバッタを食べるかどうかが大事です。
ちなみに、
ピラニアは数年飼育して、一度しか食べませんでした。好みもあるようなのですが、(脊椎動物の血の味が好きっぽいです)
カジリタイプのアタックアゴをもつピラニアにとって、水面に浮きっぱなしのものは食べにくく、
外から人が見ていることも気にするほどの臆病さなので、浮くタイプのものは向いていないようなのです。
沈降性ペレットにしてやると食うと思います。

さて、続いてナマズ
こちらもいつも底に潜っていて、なかなか上の方に上がっては来ないのですが
ナマズ釣用にカエルやバッタのルアーもあるようですし、
若干受け口なので、水面への注意もありそうです。

とある方面からマナマズをいただいて飼育し、慣れてきたごろにバッタを与えました。慣れると、水槽をコツコツと叩く合図を条件付けることに成功しまして、
音にひかれて上のほうにやってきて勢い良く水と一緒に飲み込んでくれます。



キチンはそのままフンに出てくるので、水換えは結構大変です、ゴミの少なさも、配合飼料化への大事なプロセスだと思います。

一度の食事に10頭ぐらいは食べるのです素晴らしい食欲です。

さて、さばきましょう。

体重は329g


さて、
この「ナマズ養殖」は、昆虫利用のシステムとしてどう評価されるべきでしょうか。
また、どのような条件の地域に導入されるべきでしょうか。

バッタの導入は、既に開墾され、イネ科の草本が生えている平地が適していると思われます、
その中で、あえてバッタを食べずにナマズ養殖をするということは
渓流という豊富な水があり、内水面養殖が可能で日当たりの悪い土地が少々
交通の便が悪く、自給飼料によってコスト削減ができる地域であること。
そしてナマズを食べる文化圏があること、バッタを食べさせたナマズの味がよいこと
などが実装の条件となるでしょう。

バッタも手間を掛けずに半養殖で鳥よけネットぐらいが張ってある耕作放棄地で、粗放的に飼うのがいいでしょう。
アミか芝刈り機かなんかでにナマズ養殖池に向かってバッタを追い立てて、そのまま水面にポチャリと落ちるバッタを食わせればいいと思います。

もちろん、
飼料栄養効率でいうと植物食性のティラピアのほうがいいのですが、
販路も含めたシステムとして考えた場合、味の良い肉食魚というのは一つの選択肢としてあっても良いと思います、

そして、その評価は、単なる効率やポテンシャルの話を越えて
稼働中、もしくは具体的な稼働計画をもとに、アセスメントをすべきだ、
と思うようになっています。

つまり仮説から実装へ です。

当然ですが、単に昆虫を養殖したからといって食糧問題は解決しません。

コオロギはニワトリとタンパク質転換効率がおなじぐらい、という論文が出ているので
コオロギを養殖して食糧問題解決、という話はニワトリを無視して進められません。
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0118785

コオロギは温室効果ガスの少なさが指摘されているのと
骨や羽などの廃棄物が出ないことで、温暖化や廃棄物問題に対して
どこかの地域における一つの最適解になる場合もあるとは思います。

もちろん、
今のプランテーションのように、土地を乱開発して、
巨大な昆虫養殖工場を作るとなると、昆虫養殖はむしろ地球環境にインパクトを与える産業として
監視と制限の対象になるでしょう。

魔法の杖は存在しないですし、昆虫食に過度な期待を集めてしまうのも
落胆のバブルを引き起こしそうでなんだか乗り気になれません。

何度も言うように
「システムで評価する」のです。そして、
それを社会に評価してもらうためには、実装する必要があると思います。

システムを実装するには、様々な制約条件があります。
土地、気候、文化、社会、法律、エネルギー源などなど。

それらの条件を最も満足する食糧生産のシステムを評価し、パッチ状に分散配置し
計算機によって予測し最適化することが、将来の「世界を救う」食料生産になるでしょう。

ともあれ、
昆虫が実装されたシステムが今のところほとんど無いので、
実装に備えて言語化して、理論化しておかなければなりません。

昆虫が
明らかに今までの家畜と違う点は
変温動物であること。これは「吸熱加湿デバイス」であることです。
もう一つは「一口大であること」

更にキノコや発酵微生物との大きな違いは
「移動して目で見えるサイズのフンを排出すること」
あたりでしょうか。

ここから、
昆虫利用のシステムと、そこに侵入してくるであろう脅威
そしてその最適な対処法まで、考えていけるでしょう。
今のところ、昆虫養殖の最大の脅威は、おそらく昆虫だと考えています。

実装の形の第一歩としては、
「バイオマスと廃熱の脱集約利用」という感じになるでしょうか。

いろいろと資金の限界を感じていますので、
近いうち何らかの動きをとる予定です。

またまとまりましたらご報告します。
食用昆虫科学研究会と、昆虫料理研究会が主催するイベントでは
昆虫食を提供する前に、参加者に説明して同意していただくことがあります。

アレルギーのリスクです。

いくら食品の衛生管理に気を使っても、アレルギーはどうにも100%防ぎようがありません。
食物アレルギーの発症は予測が難しく
いままで大丈夫だった昆虫でも起こりえますし
もちろん甲殻類アレルギーと交差することもあるでしょう

これから昆虫食を再導入するにあたって、
低確率ですが必ず昆虫アレルギーの反応を示す方も出てくると思われます。

今のところ、我々は食物アレルギーを対象とした保険に加入していないので、
何が起こっても補償できないことをあらかじめ、同意頂いています。

また、
アレルギーを起こした時に一番苦しむのは食べた本人ですので
事前にそのリスクがあることをご理解いただく、というのも
昆虫食の普及にむけて大事なことです。

私が把握する限りで、強い食物アレルギー症状を起こした方は
1000人に一人ぐらいです。他のアレルギーに比べて多いか少ないかはまだわかりません。

以前に弁護士の方に相談させてもらったのですが、

昆虫は食品として一般的ではないので、
常識に照らし合わせると、食べるヒトが予めリスクを知っている、とは残念ながら判断されないようでです。
昆虫を提供する側が、食用リスクをきちんと説明した上で、時には提供を断るような態度でないと、
食品の善管注意義務違反として、賠償請求を受ける可能性があるそうです。

最近の論文を紹介しておきます
エビ・カニと近縁なので、エビ・カニアレルギーを持つ方は、交差反応をすることがあります。

参考文献
コオロギから新規のアレルゲンと、テナガエビと交差するものが見つかったとのこと。
Identification of novel allergen in edible insect, Gryllus bimaculatus and its cross-reactivity with Macrobrachium spp. allergens

このような研究はあまり量を必要としないので、食用昆虫の市場が小さいうちにやっておきたいものですね。

また、Twitterで
参考になりそうな論文をおしえていただいたので、読んでみました。
コチニールを対象にした論文です。


コチニール色素によるアレルギー

山川有子
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科
日本ラテックスアレルギー研究会会誌 17(1): 49 -53 2013


コチニール色素はサボテンにつくエンジムシ(コチニールカイガラムシ)をすりつぶして
水またはアルコールで抽出したものです。



古くから使われてきた色素で、ある意味人体実験がしばらくされているので
大きな問題が起こらないことが確かめられている、伝統的天然色素です。

ここで「伝統的」「天然」が必ずしも安全であること、とはなりません。
コチニール色素では、は生物体から抽出したものであるので、不純物としてのタンパク質が
問題になっているようです。

もちろん、色素本体であるカルミン酸へのアレルギーのある方もいます。

さて、この症例研究で注目されているのが、
「コチニール食物アレルギーについて成人女性の発症が多い」ということです。
男性が1、女性が19名
女性は23から35歳のいずれも成人だったとのこと。

海外のコチニール色素製造業の喘息性アレルギーの発症は、男性のほうが多いので、

この偏りは「成人女性」に何らかの意味がありそう、と推測できます。

数を統計検定をしても有意といえば有意なんでしょうが
少ない報告数を元に、性比が偏っていることを単に統計検定するのはなんか変な気がするんですが、そこらへん症例研究ではどう述べるのがいいんでしょうか。

また、コチニールの喫食経験が初めてでアレルギー反応をした方もいるので
事前に別のアレルゲンへの暴露があった可能性を推測しています。

この論文が気にしているのは

「経皮刺激誘発型の食物アレルギー」
いわゆる茶のしずくで有名になったもので、小麦の加水分解物を肌に接触させていることで
食物アレルギーが発症したのではないか、というもの。

こういう発症の因果関係を推定するのは、症例数の少なさや、個々人の症状の多様性、
アレルゲンが環境中にありふれたものであることから、なかなか難しいものです。

低濃度の経皮刺激が食物アレルギーを誘発し、消化管への高濃度暴露によって脱感作を誘発する、という仮説はLackさんによって2008年に提唱されたものだそうです。


DUAL-ALLERGEN-EXPOSURE HYPOTHESIS



いくつかの状況証拠はあるそうなのですが、では
環境中の低濃度アレルゲンをなくすこと、というのは
実験的に困難です、高濃度の経口摂取による減感作療法というのはすでに実用化されています。

この
コチニール色素に含まれる主要アレルゲンである38kdの機能不明タンパクは
ミツバチで報告されている分泌型ホスホリパーゼとの高い相同性がみとめられました


つまり、
コチニール色素にアレルギーを持つ人が、ミツバチをはじめとする昆虫にも、アレルギーを持つ可能性もあるでしょう。


さて、
そろそろ私の言いたいことがわかってきたでしょうか。

コチニール色素をはじめとする経皮刺激型の昆虫製品や
昆虫が豊富な日本において、低濃度の昆虫との皮膚接触は決して避けては通れません。

そんな中、
「高濃度の昆虫摂食を避け続ける」というここ50年ほどの新しい偏見は、
アレルギーのリスクを向上させてしまうのではないでしょうか。

つまり
「環境中にあるものを摂食する習慣」
というのは、人の免疫を健全に保つ上で重要なのではないか、ということ。

昆虫と接触しながら、摂食しないという現在のいびつな昆虫消費のあり方は、様々な健康リスクを誘発するのではないか、ということです。

さて、
昆虫アレルギーの治療として、昆虫スナックが処方されたら、
どのくらいの人が昆虫をたべるものでしょうか。

ちなみに
スギ花粉は1g 6500円だそうです。 このぐらいの価格で昆虫も買ってくれたらいいなぁ。
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/product/life/Pollen/index.htm


脱皮したての白いゴキブリ。彩りにも美しく、かつ食感が良いためとても美味しいです。
http://sirabee.com/2014/12/27/11848/
以前の虫フェスでは、「ゴキージョ」が振る舞われました。

養殖昆虫食が採集昆虫食に対するアドバンテージとして「成長段階を揃えられること」
があります。多くの昆虫は脱皮直後は体が弱く、多くの捕食者に狙われてしまいます。
そのため脱皮してすぐに酸化反応によって黒くなり、硬化してしまうのです。

これをどうにか遅らせられないか、と考えていたところ、
ブルークラブというカニの文献をみつけました。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0044848600006037

Calcium concentration in seawater and exoskeletal calcification in the blue crab, Callinectes sapidus

甲殻類は昆虫と違ってカルシウムが甲殻の硬化に必要であることが知られています。
適度な濃度にカルシウム濃度を下げ、かつ同時に海水も希釈することで
死亡率をあげないように数時間はやわらかいまま維持できるとのことです。

当然、長期間やわらかいままですと移動や捕食に影響しますし、
カルシウムが不足しているわけですから他の生理的な影響もあるのでしょう。
「ずっとソフトシェルのままのカニ」というのは存在できないのです。

では、カルシウムを用いない、昆虫の場合、どうでしょうか。
ここで、黒化と硬化の最先端、クロカタゾウムシに登場してもらいましょう。


カタゾウムシはほんとうに「硬い」ことだけで生きています。
翅を背中に接着してしまい、スキマのない曲面を構成することで
ものすごい強度になっています。動きが遅く、擬態もしていないので
目立つはずですが、コレを噛み砕ける昆虫食の動物はなかなかいないのでしょう。

茹でて味見してみます。
硬い!けどザクッバシッと弾ける食感は、パッションフルーツの種のようで面白い。カタすぎて弾力がなく、口に残りにくい。内部はナッツの香りと甘みもある。71点

意外と人の奥歯は優秀でした 笑

カタゾウムシの共生細菌の研究から、こんなことが示唆されています。
クロカタゾウムシのクチクラの硬化と着色に共生細菌Nardonellaが果たす役割
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201302215006545271

学会で聞いたものの、文献はまだ公開されていないようなので
内容はぼやかしますが、共生細菌をなんやかすると
「シロヤワゾウムシ」になるとのことです。

つまり、共生細菌をいじることで、もしくは共生細菌を使わない生物では
何らかの栄養を制限することで「白くて柔らかい昆虫」
を作ることができるのでしょう。

もちろん、これをカニと同じように制限してしまうと
体調を悪くするでしょうから
成虫脱皮の後、体が硬化する前に、栄養制限を発動するような
高度な遺伝子操作をすることで

「食用シロヤワゾウムシ」ができるかもしれません。
クロカタゾウムシは比較的丈夫で飼いやすいとのことで、今養殖できないか試行錯誤しています。

また養殖に成功しましたらお知らせします。
Mushi_Kurotowa
カレンダー
03 2017/04 05
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
ブログ内検索
最新コメント
[04/07 http://www.japaneh.com]
[04/06 http://45ka.net]
[03/31 Tami Sandoval]
[03/30 nike air max 1 ultra men]
[03/24 コピー ロレックス]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
人生迷走中 顔はクロトワ似「なぜ昆虫に食欲が湧かないのか」をテーマに研究開始。食べたら美味くて研究頓挫「昆虫を美味しく食べる調理法とは」に変更/食用昆虫科学研究会 Edible insect science meeting 昆虫料理研究会 趣味自転車;鯨食文化研究;法螺貝;トランペット;リコーダー;鯨歯彫刻
http://e-ism.jimdo.com
バーコード
P R
カウンター
コガネモチ
忍者ブログ [PR]

material by: