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5月31日に見つけたオナガミズアオ Actias gnoma gnoma

の♀から生まれた卵が

6月8日に孵化して


立派な終齢幼虫になりました。モヒカンにしたいぐらい。


(竹谷隆之の仕事展より 「漁師の角度」青木フィギュア使用)

オナガミズアオを初め鱗翅目は食べ残すこと無く綺麗に葉を食べます。
とても紳士的な食事風景です。



音楽をさしかえましたが
GONTITI Boy's Song が好きです。

それではいつものように茹でてポン酢で紳士的にいただきましょう。

味見
ハンノキのさわやかな香りがあり、他のヤママユガより特徴的で楽しい。トゲが口に残るので、気になる場合は毛抜きで処理したほうが良さそう。絹糸腺は発達しているが、やわらかく繊維質ではないため問題なく食べられる。食後はウーロン茶のようなわずかな渋みがありすっきりする。フン茶の渋みと同様で好ましい渋み。
トゲが残念だが大型で味わい深い。


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ハチドリのようなホバリング性能をもつ昼行性のガ、オオスカシバCephonodes hylas
はその愛らしい姿から人気の高い昆虫です。

スカシバ=透かし翅の名の通り翅が透き通っていますが
スカシバガ科ではなくスズメガ科。

スズメガかどうかはその幼虫の姿を見ればわかります。


前蛹になって縮んでしまいましたが、尻の一本角はまさにスズメガ。

クチナシの葉を食べるのでどのような味わいになるか興味深い所

味見
他のスズメガに比べかなり甘めの味。クチナシのような香りは全くなく、
少し繊維質が口に残ってしまった。この「繊維質」は
鱗翅目が繭を作ったりサナギの固定用に分泌する糸由来ではないかと思っています。

スズメガ科は前蛹を食べても問題ないのですが、
大きな繭を作るカイコガ科やヤママユガ科では、
繊維の元を貯める絹糸腺の発達が食感を左右しそうです。

絹糸腺の発達と食味の時期についてはおいおい書く予定です。
以前から食べたいとお願いしていた
ネムリユスリカPolypedilum vanderplankiを頂きました。


ネムリユスリカはアフリカ原産のユスリカ科(カ科ではないので血は吸わない)で
昆虫で唯一乾眠状態= クリプトビオシス(乾燥無代謝状態)生物です。

クマムシと並んで極限状況への耐性をもつ多細胞生物として知られています。
一旦乾眠状態になると有機溶媒・熱・低温・放射線にも強く宇宙空間に出されても耐えられるそうです。

詳しくはネムリユスリカ研究室のページをどうぞ(ネムリユスリカ研究室


より大型の近縁種
アカムシユスリカは、金魚用のエサや
唾液腺染色体の観察実験でもおなじみですね。

このユスリカ
乾眠状態になるとトレハロースを蓄積するとのこと。
哺乳類のものとは異なる独自のヘモグロビンを持っていること

が特徴ですので
味見のポイントとしては
1,乾眠状態のネムリユスリカはそうでないものに比べ甘いか
2,ヘモグロビンを含むため鉄の味(血の味)がする

このあたりでしょうか。

生きがいいですね


このまま茹でると散逸してしまうので、
だしパックに入れて茹でます。 ヘモグロビンが鮮やかです。


茹でると赤色がくすんでしまいます。
糸唐辛子のように料理のアクセントとしては使えないようです。残念です。



味見
食感はほそもずくのような小気味の良い感じ。茹でると鮮やかな赤から一転、鈍い赤茶色になってしまうのが残念。だしパックにいれてから茹でたので塊となっておいしく食べることができた。血の匂いも殆ど感じず、味付けによってはかなり色々楽しめると思う。

続いて乾眠状態のものを。


味見
ポリポリと食感がよく、かすかに血ににた鉄臭さがある。茹でより鉄の匂いが強い。からだによさそう。カツオふりかけのようなみりん(トレハロース?)に似たかすかなあまみがある気がする。

残念ながら乾眠によって上昇したトレハロースの味を
味覚ではっきりとは感じることはできませんでした。

ただヘモグロビンの味(鉄臭い味)はヒトの血に近い強さですので
利用用途としては富栄養化した地域での重金属の吸着や
妊産婦への鉄サプリメントとして使えそうです。

最後に
ネムリユスリカを提供していただき
ブログ記事への利用許可を頂きました
農業生物資源研究所 奥田隆 様 に感謝致します。

鱗翅目強化月間
今日はクヌギの木にいたヒメヤママユSaturnia jonasii



いわゆるケムシといえそうな五分刈りの短毛が生えていますが、
いずれも柔らかく、食べやすそう。

味見
大型なので甘いクリーム状の部分と無味のゼリー状の構造があることがわかる。
ヤママユガ科の定石通り、とても美味しい。
とても食感がよい。短髪のような毛は柔らかく、歯ごたえのあるおかひじきのような食感。
毛虫=食べにくい、ではなく、このような肉質の棘状突起はやわらかく、むしろ食感のアクセントになったり、味の絡みもよくなったりすることがわかった。
「鱗翅目強化月間」としてお送りしているはずが
また更新が途絶えてしまいました。

今回はカレハガ  Gastropacha orientalis

枯葉のような美しいガです。


モフモフ感もなかなかのもの


左右どちらから見ても「奥に向って傾いて置かれた枯葉感」を演出することで
腹部のボリュームを隠しています。「ストライプは着痩せするデザイン」と似たものがありますね。
こちらは捕食圧から逃れるためガチです。

その幼虫は巨大な毛虫。まったく食べにくそうです。
(写真撮りそびれにつき検索して下さい)

毛虫といっても毒のあるものではなく
頭部の毒刺毛はヘラ状で刺さることはない(wikipedia)
と 謎の平和的進化を遂げているそうです。

このカレハガに注目すべきなのは
サクラを食草とする点。

定番の美味しい毛虫、モンクロシャチホコよりも大型で、
たっぷりたべられると思ったからです。

今回はサナギ。

繭と比較するとこんな感じ。


味見
最近美味しそうな昆虫は味付けなしで食べるようになってきた。
ポン酢が恋しくなるけど味と香りはよく分かる。

期待していたサクラの香りはほとんどなく、枝豆のような植物系タンパク質の旨味が強い。
エビガラスズメに似た青豆の豆腐の味。外皮はややカタイが噛み切りやすいので気にならない。

基本的にサナギになると食草の香りは減るものなので、
幼虫の毛をどうにかして食べておくべきだったかと若干後悔しましたが。。。

ともあれ美味しかった。今年の大型鱗翅目ではそこそこのヒット。
見ためが悪くて味が良い昆虫を見つけると満足度が高いですね。

Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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