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オオトビモンシャチホコ Phalerodonta manleyi 
クヌギの木によくいる幼虫。集団でいることが多く、
気を丸坊主にするほどよく食べる。


見た目は…悪いですね。

高コントラストの模様、かつ昼間に堂々と食べている様は
警戒色のように見えます。
アイヌや、ネイティブカナディアンの色使いや
模様に似ています。

ただ、
ミュラー型擬態(派手な毒虫に似せる無毒な虫)の可能性もありますし
モンクロシャチホコが美味しかったので、

ここは味見しかないでしょう。

幼虫をクヌギごと採集し、食べ終わるまで少し待って、
前蛹と食べ比べてみましょう。
 
いつものように塩ゆでしていただきます。


味見


前蛹
シャチホコ特有のいい歯ざわり。
ムチップリッっとした食感はシャウエッセンのよう
内部は独特のカニミソ(クモ腹部)風味。味は大変濃い。
もうちょっと塩味濃いとよりよいかと。

幼虫
クヌギの苦味と風味があり、オトナの味だが前蛹よりこちらのほうが植物系の味が強くて好み。やはり歯ざわり、表皮の歯切れの良さはシャチホコの強みだと思う。

さほど美味しくも、
不味くもないといった感じでした。歯ざわりはシャチホコガの特徴かもしれません。
利用できる日が来るまで、頭の片隅に置いておきましょう。

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標題のとおりです。

以前からプッシュしている、
そして私も大変お世話になっている
「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」


ややお高いですが、そこは臨床の事例と、
愛らしく憎らしい虫たちを
フルカラーでお届けするため仕方のない事です。

この図鑑は、皮膚に炎症をおこす
様々なタイプの虫について
実際に著者の肌に炎症を起こして経過を見る
というなんとも荒行のような図鑑です。

中には患者さんの写真もありますが、
たいていは炎症がひどくなってからの
症例しか得られないものですので、
炎症の初期から観察するためには、
「自演乙」するしかないのでしょう。

前回「正しいちらし寿司
で「筋子からイクラへ」処理しておいた
マイマイガの幼虫が孵化してしまいました。
 

これまでの寒さにより
休眠が打破されてしまった、というより
オオカマキリのように休眠状態にならず、
積算温度がたまり次第孵化する、というタイプのようです。

そのため保存上の警告です。
「マイマイガの卵を保存する場合は屋外か、加熱して冷凍」
ということになりそうです。

カマキリの場合は室内で大発生しても
彼らの室内アスレチックを観察でき、
大変に愛らしいものですが



警告したのもこのマイマイガ。
この図鑑や、他の図鑑にも
「一齢幼虫にのみ毒刺毛がある」との記載が。
ただ臨床写真は掲載されていませんでした。

そしてボスが昔アメリカで実験材料として
扱ったとき、一齢幼虫を筆で触っていたためか
炎症は起きなかったとのこと。

これは確かめてみたい。

というか
「Dr.夏秋の気分を体験してみたい」


ミーハーな気持ちで自演をすることにしました。

幅広のマスキングテープに一齢幼虫を一匹置き
そのまま前腕の内側、パッチテストをする位置に。
 

コントロールとしてなにもしていないマスキングテープを貼っておく。
写真右のマーカー部分にマイマイガ一齢幼虫をセットします。
 

30分後
 
一時間後
 
一時間半後


ほとんど痒くないのですが
確かに炎症反応が起きました。
まわりとの差が不明瞭な腫れがおき、
刺毛が触れたのか、一齢幼虫をおいた場所の周囲にも
軽い班点が見られました。

そして一時間半後には、殆ど消えました。
これは「即時型アレルギー反応」と思われます。
IgE抗体によって認識され、肥満細胞上にあるIgE受容体に受容されることで
ヒスタミンの遊離が起こり、紅斑や膨疹、痒みを伴います。


続いて、
一日後、ぷっくりと、周囲とは明確に段差のある
ふくらみ(おそらく丘疹とよばれる腫れ)が見られました。
 
これは最初の抗原の進入時に
皮膚にある抗原提示細胞がリンパ節まで移動し、
感作リンパ球が末梢を巡回、ふたたび同じ抗原
(残っていたマイマイガの刺毛)に触れることで、
活性型リンパ球となり、炎症性サイトカインを放出したと
考えられます。

いやー。ためになりますね。

細胞間の分子シグナル伝達は、
生物系学部ではいやというほど覚えさせられるんですが
しばらく分子系から遠ざかっているのでうろ覚えになってます 笑

自分の体で分子レベルの情報交換が行われ、
それが二種類の遅延反応となって皮膚に現れるとは、

なかなかロマンを感じました。
マネすることはオススメしませんが、
たのしい経験でした。

実際にやってみると
「不用意に刺された時はイラつくが、自分で刺させたときはむしろ楽しい」
ことがわかりました。

ケガをした時も、
「キズの半分だけキズパワーパッドで覆う」


と、傷の治りが楽しくなってきます。

イライラを自分の好奇心に置換できると
いろいろ楽しくなりそうです。

Dr.夏秋も虫好きを公言されていますし、
実は楽しんで臨床実験をしていた可能性があります。

そのうちお会いしたいですね。

このマイマイガの幼虫、糸を出して
ぶら下がることから「ブランコ毛虫」ともいわれ
一齢幼虫はそのまま糸に風を受けて木から木へ
(ジェット気流に乗って更に遠く)へと
文字通り飛んで行く「バルーニング」といわれる
移動をします。

それがこのような炎症をおこすのですから、
春先のマイマイガには注意が必要です。

まずは、今のうちに卵を食べましょう!

ツツジの葉を食べ始めたので
脱皮したら「二齢幼虫には毒がないのか」
も、引き続き確かめておきたいと思います。
昨年のこと。
「話者として登壇して欲しい」と「虫cafe!」というイベントにお誘いいただきました。
渋谷のどまんなかのアイリッシュパブで、
虫のイベントがあるとのこと。

当時
昆虫食のため、
「昆虫学」をきちんと勉強し直していた折
とうとう
「虫屋」と呼ばれる世界に足を踏み入れたのです。

「商用に昆虫を扱うヒト」という単語ではありません。
ニュアンスとしては「茶人」に近いです。これもお茶の販売業者を指す言葉ではありません。


茶人(デジタル大辞泉)
ちゃ‐じん 【茶人】
1 茶の湯を好む人。茶道に通じた人。茶道の宗匠。
2 普通の人と違った好みのある人。物好き。風流人。


2ですね。圧倒的に2の意味で使います。
「虫屋」とは、虫好きのあまり、
人生の一部を献上してしまったひとのことを指します。
この時、プロかアマチュアかはあまり重要ではありません。

そこで、
昆虫食について、
そしてこれからの昆虫食には「昆虫学」が必要であることを力説してきました。

そんな中、TVチャンピオン 昆虫王の長畑さんのプレゼンのツカミのネタ。

「シラホシハナムグリとシロテンハナムグリの違いがわからない方はいないですよね 笑」
一同盛り上がる中、
分からなかった私は恥ずかしながら、決意したのです。

シラホシハナムグリとシロテンハナムグリの違いを味見を!


それから半年、
シロテンハナムグリを食べ
更に半年、
シラホシハナムグリProtaetia brevitarsis brevitarsisを手に入れることになったのです。

顔の先は丸く

大きな細長い「しらほし」が背中に見えます。

カブトムシの幼虫を他の実験に使う目的で採集していたところ
混獲されたコガネムシ科の幼虫を
室内で放置していたらいつの間にか蛹室を作って羽化していました。

脱皮後、
どうせシロテンハナムグリだと思い、どうしようか迷っていた所、
なんだかやけに手足が短く、ずんぐりしている。

これは!と思い


調べた所、シラホシハナムグリだとわかったのです。


この見た目ではほとんどわからない両者。
味でわかったら、、、味覚分類学の夜明けでしょうか。


半年前、というハンデを克服し、
いざ味覚による同定へ向け味見をしてまいりましょう。


味見
土の香があるがカブトムシのような強烈な臭さは全くなく、芋のように風味として楽しめレベル。けっこう美味しい。足が短いためか、そのまま食べても引っかからず食べやすい。やや翅が硬い。


シロテンハナムグリは


典型的なコガネムシ味。すこし外皮が薄く硬い感じ。土臭さはまったくなく、香ばしい。
マメコガネとよく似て、土臭さがなく香ばしい味ですが、若干固いですね。



と評していたので
残念ながら差はみられそうにありません。
道のりはまだまだ遠いようです。

ただ、季節が全く違うので、
ステージを揃えて来年、二種同時に食べ比べて
再挑戦したいと思います。


さて、
その虫cafe!。
今年も参加します。開催発表後、数時間で一杯になるという恐るべき集客率。
さすが虫屋、「旬に敏感」なのでしょう。

今年のテーマは「集え、虫人よ。」

今年もような「虫人むしびと」と集合できることを楽しみにしております。



虫人(デジタル大◯泉)
ちゅう‐じん むしびと 【虫人】
1 虫を好む人。虫道に通じた人。虫道の師匠。
2 普通の人と違った好みのある人。虫好き。風流人。


こんな項目が追加される日も近いでしょう。

「虫道=むしどう」早口でいうと武士道のようでカッコ良いです。
虫人も、
沖縄言葉のように「むしんちゅ」って読んでもかわいいですね。

ちなみに
虫人(見習)が楽しんだお茶の話はこちらにも。


「クリエイティブな仕事がしたい」ってさ
ずっと思ってきたし、これからもそうするつもり。
生活苦しいけど。

笑っちゃうけどさ、
はじめは学者とか目指したんだぜ?
論文とかぜーんぜん書けなくてあきらめたけどさ。
学者くずれなんて、今どきマトモなトコ雇ってくんないじゃん?

だからさ、
食うためだったら何でも引き受けたし、
とりあえず注目されたいから
カネもないのに最新のガジェットとかいちいち買ってレビューしてさ。
多少は修理できるようになったからまぁ良いけど。

ライターでもなんでもやったな
前に脚本の仕事も来てさ、
人形劇の。割に合わないし、本番とか全然客来ないの。
あれはしんどかったね。

一応さ、
コピーライターって名乗んのは
今までで一番ラクな仕事だったから。
たった数文字だけで食えたら理想だよね。
ひらめきは昔から誰にも負けなかったし。
そんなオイシイ仕事なんてほっとんど来ないけど。
不景気だし。

ぶっちゃけ俺、ゲイだからさ
どうせ結婚もできないし。今が一番大事なんだよ。
家業は妹につがせたし俺は用なし。
ここでやっと自由を勝ち取ったんだ。な?

あぁそうだ前さ、
めっちゃ好みの男と会っちゃって。お茶したの。
恰好もめっちゃ個性的でさ、俺好みの。
機能美あふれるっていうか?
なんかしかも短髪でガッチリしてて。ドストライク。

向こうもびびっと来たいみたいでさ、
目があった瞬間お互い固まっちゃったよ。
いやぁ運命的だと思ったね。
ついつい声かけちゃった。俺カレシいんのに。

んでさ、
立ち話もなんだからって早速お茶したんだけど
彼、何も言ってくんないんだ。黙っちゃって。
えらいカタブツ?なんか悩み事があるっていうか。

いまひとつもりあがんないし上の空っていうか。
そしたら深刻な顔して 「お願いがあるんだけど」ってさ。
ヤバいじゃん。宗教かカネって思うよねフツー。

「俺 借金あるからカネ以外なら」って
チャラけたらなんかそいつ「知ってる」て。全然笑わないの。
なんか気持ちわりいじゃん。ストーカー?なにそれって。

そしたらなんて言ったと思う?

「コピーライター辞めて欲しい」だってさ。
ワケ分かんないだろ?

さっきも言ったけどさ、
コピーライターあんま仕事ないけど、
ワリがいいのよ。ラクだし。

んで「タダではやめるわけにはいかない」って
もったいぶってみたの。
ちょっと下心もあったんだけどさ、
そしたら 
体で払う〜とはさすがに言ってくれなかったんだけど

「タダで、とは言わない」ってそいつ。
カネでもくれんのかと思ったら

すげえの、例のあのガジェットくれたの。
日本未発売だよ?すごくない?

ケースとか削り出しで高級感バリバリだし。
前のより相当バッテリー長持ちするらしいし。
あ、アンテナもよくなったって。

んでさ、仕方ねぇから。
そいつと約束したの。欲しいし。
「あぁわかったよ。もうコピーライターはやらない」ってさ

もう
とにかく使ってみたくて。
今レビューしたらめっちゃ人気アガんじゃん?

でもさ
持ち帰って線つないだらなんかぜんぜん動かないの。
充電できてないって感じ?
どこ触っても何も出てこないし。
まだ
中開けてないけど 騙されたのかな。
ちょっとキズあったから中古かも。

ウソつくような男には見えなかったんだけどな。
どうせパーツが出回ったら直すけどさ、
なんか今日
お前にも見せびらかしたかったじゃん。

え?理由?
よくわからねぇよ。
なんか?「ウナギが食べられなくなる」?ってさ、
こんなに店、すいてるのに。

大将!こんな空いててお店大丈夫!?
どうせウナギなんて夏売れないっしょ。
何なら俺 看板書いてやろっか!?

うーんと……

いやいいんだよ。
看板だからキャッチコピーじゃないし。

うーん
「本日…土用丑の日」ってのはどうだい?
売れそうな気がするだろ?

並2つでいいや。
こいつと二人前。

な、
ゼニもらってないし、
これならコピーライターじゃないだろ。





http://ja.wikipedia.org/wiki/平賀源内

元ネタ頂きました。
以前の記事
「初めての自家養殖食用昆虫」
がマダガスカルゴキブリであることを紹介しました。

彼らとは長い付き合いになります。
今回は前編、2008から2011年までをご紹介します。

前々から
記事にしようと思っていたのですが、
この度
「東京虫食いフェスティバル番外編」にて
15分ネタのテーマとしたため、先延ばしにしていました。
ここに一挙に報告したいと思います。

遡ること2008年7月

就活に・実験にと漫然とこなしていた私は
多くの一般的な学生と同様に
人生に行き詰まりを感じていました。

そんな中、飼育していた実験用の
ショウジョウバエを飼育していた思ったのです。
「こいつら食えないか」
「こんなもの食う気になれない」

「なぜ私は昆虫を食べたいと思わないのか」

「食べてみたら分かるかも」

ですが
ショウジョウバエのエサには防腐剤が含まれているので
食用には適しません

そこで食用に適した昆虫を探しました。

検索サイトにて「昆虫 料理」と検索すると

ありました。


7月31日の購入履歴



同時に江頭2:50分のDVDを購入しているあたりに
当時の迷走っぷりが伺えます。

その後すぐ、
8月1日の「セミ会」に参加し、
内山昭一さんとお会いし、セミの味を堪能しました。

就活するたびに東京に行き

アリの子(アジアスーパーストア)
タガメ(アジアスーパーストア)
サクサン(上野)



スーツを片手に買って帰ったものです。

その時とばっちりを受けていたのは
宿泊させてもらっていた高校時代の同級生TW氏。

某国立の外国語系大学に所属していた彼は、
ゼミのボス主催のサークル活動として
はだしのゲン」をウルドゥー語に翻訳し、プロの演劇指導を受け
当時核開発を進めていたインド・パキスタンへ公演に行くという

かなりキレキレの活動にハマっており、
ハマりすぎた挙句、留年を繰り返していました。
(現在は会社員としてインドネシアあたりをウロウロする好青年です。)

私が修士でしたので、
頼れる東京の友人は彼ぐらいしか居なかったのです

何を思ったのか私は
彼と彼の妹(教育実習でクラス担当になったという経緯のある)の同居する
共通キッチンで、初めての昆虫料理を開始しました。

そしてあろうことか、
この兄妹を哀れな生贄の第一号に選んだのです。
(その節は大変お世話になりました。何か宿泊のお礼と思って暴走しておりましたことをここに懺悔いたします。)

そして、
それら稚拙な初期の昆虫料理をうまい/不味いといいつつ
受け入れてくれた兄妹によって
私の昆虫料理熱はすこしばかり種火がついてしまいました。

年が明けて2月、
就活は一層混迷を極め
人生の行き詰まりを大学院へ先延ばしにすることにした私は

東京に通うこともなくなり、冬になってしまったので
新たな、仙台で手に入る養殖昆虫を求めました。

次なる犠牲者(?)は
KキャンパスにあるM研究室。
ここでは昆虫の脳機能を電気的に測定する装置をもっており
感染症に強く、賢く、そしてよく増える昆虫の代表。
ワモンゴキブリを研究パートナーの一つにしていました。

脳機能を測定するわけですから、
脳は大きいほうが良いので
多くの論文で使われているワモンゴキブリの他に
大きく体重のあるマダガスカルオオゴキブリが飼育されていました。

残念ながら彼らの脳はワモンゴキブリよりも小さいことが分かり
単なるペットとして飼われていました。

そしてその情報を、
私は事前に仕入れていたのです。

「M先生、マダゴキ・食べさせてもらえませんか?」


意外なことに、「昆虫料理を楽しむ」が
研究室に既においてあり、H先輩が食いついてくれました。
H先輩は既にセミ幼虫を捕獲し「セミチリ」を自作して
食べたことがあるそうで、昆虫食に関しても私の先輩に当たることが分かりました。

さて

食べてみます


ほっこりとしたイモ系の香りと脂質のまったりとした味わい。
バターのような獣系の香りとムレ臭。
腹部は集合フェロモンと思われる「G臭」があり、
好みが分かれる所でした

後に腹部の消化管を取り除くことになるのですが
この当時はそのまま美味しく頂くことができました。

その後、
このコロニーから分譲された
飼育個体を徐々に増やし、次の会が開かれます。

2009年9月

同級生の怪魚ハンターが 人生を決める大物を釣り
「昆虫食べてみたい」とのリクエストを頂き
彼の帰国に合わせ希望者をつのり(半ば無理やりですが)
フルコースの会を開くことに


今から見るとまだまだですが、
当時としては精一杯の昆虫料理を出しました。
当時のブログでは私のことを

“常識的な狂人”であり“紳士的な危険人物”


と評されており、
彼の観察眼は魚を見つけるためだけでないことが
伺えます。

彼の言うように、「常識的な狂人」でありたいものです。


さて
この時つくったG料理は
スープカレー。
揚げた食材をスープ状のカレーをかけて食べる、という形は
煮込んで食材の個性が失われてしまう通常のカレーよりも
揚げとの相性の良い昆虫も気軽に参加させることが出来る
最適な料理であると確信しました。




時は流れ2011年
「食用昆虫科学研究会」の初期メンバーとなった私は


サイエンスアゴラ2011の出展企画として、
Gを使った生ごみ処理機の計画を発表。
この時は試食昆虫を多く準備しすぎ、
話を殆ど聞いてもらうこともなく

ただただ昆虫料理を給仕するだけになってしまいました。


この計画をご紹介しましょう。

「名前が悪い」という特徴から、
ここからは彼らを学名「G.portentosa」と称します



彼らは野菜くずは果物の果皮を好んで食べます。
そしてフンをします。彼らの体はおいしい昆虫料理となり、
またペットの餌となり、フンを肥料として利用することで
野菜を再生産する。つまり循環型生活が行えるのです。

発酵分解式のコンポストはニオイが強く、
乾燥式の生ごみ処理機は電気代もかかり
堆肥化もできません。
この時G.pのアゴと消化管を利用して処理することで
乾燥ペレット状の堆肥(のような物体)となるのです。


では
次に飼育環境を改良していきましょう。


ペットとして、生き餌として養殖する方は
基本的に水と配合飼料を使うそうです。

野菜くずは水が多く含んでおり、
湿度を高めてしまうので
コバエやダニの発生を促し、健康を害してしまうことが多くあるとのこと。
なので、湿度対策が特に必要です。

「煙突効果」という現象があります。
上下に穴の空いた円筒形のものがあるとき、温められ膨張した空気が
軽くなり、上がることで、動力なしに新鮮な空気が下から入ることです。

それを利用した円筒形の飼育容器を考えました。

野菜くずではやはり水気が気になったので、
エアポンプを使った強制換気装置を付けました。

そして「フルイ」を下に向かって小さくすることで、
子供と大人を分け、共食いを防ごうと考えました。

この時、最下層のトレーには、フンのみが入り、
その他の子供やGは(彼らは卵胎生なので一齢幼虫>フンであれば大丈夫です)
下に来ること無く、安全に回収できます。



残念ながら換気装置が貧弱で蒸れがちで、
倒れると脱走することも多く(笑)


すぐに第二号の開発にかかりました。



次はサイエンスアゴラ・虫フェス2011でも発表するので、
外見をちょっとかっこよくしています。


構造は似ていますが、材質をポリスチレン製の100円金魚鉢から、
ポリプロピレン製の四角いタッパに変えたことで、ひび割れを防ぎ、軽量化と
強度を両立させました。最上部には強制換気装置としてUSBファンを設置し
低湿度を保つよう気をつけました。


ところが、彼らは走地性があり、下に下に行ってしまいます。
そしてファンの出力がやや強く、常に乾燥状態になってしまいました。

改良は次年に持ち越しとなってしまいました。(後編に続きます)


次に、初期の味見で気になった「腹部のG臭」について
確認していきます。

まず、食用昆虫科学研究会の兄貴的存在、
Gの殺虫剤耐性の研究で学位をとった水野さんの協力のもと
解剖します。
そして、匂いの強い部位を特定するため、それぞれの器官を食べ比べたのです。
その結果がコチラ。




消化管を茹でてそれぞれの器官を食べ比べた結果、おそらく
中腸から後腸にかけての付属腺から集合フェロモンが分泌されていそうです。
胃は酸味がありましたが、そのようなニオイはしませんでした。

また、卵はバツグンに美味しいのです。
バターのような香りとコクがあり、誰でも美味しくいただけると思います。
この結果から、
当研究会では、G.pの成虫を食べる場合、腹部の消化管を除くのが通例となっています。


次に、調理法について考えて見ましょう。
彼らは体重があるため、内部がジューシーで、クニュっとした食感ががあります。
また、外皮は弾力があり固く、口に残ってしまうことが残念です。

そのためしっかり揚げることで、クリスピーな食感にし、
美味しく食べられていました。

ただ、昆虫のヘルシーさ、高タンパク低脂質を実現するには、
揚げ意外の料理法も挑戦したいところです。

そこで辿り着いたのが
フリーズドライでした。

フリーズドライは-30度以下に凍結したものを
低圧条件におき、水分が昇華したところを「コールドトラップ」と呼ばれる
霜取り装置で捕まえることで、極端な加熱をせずに水のみを取り除く手法です。


近年ではインスタント味噌汁の具の野菜などに使われています。

これにより、サクサクとした食感を、油を使わずに実現できます。

消化管を取り除いたボディをフリーズドライすると、
外皮がカリッとして弾力が減り、食べやすくなりました。
そして内側の脂肪体がふわっとパフ状になりウエハースのような食感が実現したのです。

また、フリーズドライは加熱しないことから、その香りを多く残す特徴があります。
別にしておいた消化管をフリーズドライすると、そのG臭、集合フェロモンのニオイが強く残っていたので
フリーズドライで食べる場合にも消化管を除去したほうが良さそうです。


まとめます。

1,G.pは野菜くずなどの植物性家庭ごみを再利用する生ごみ処理機として利用可能である。
2,処理機として利用する場合、湿度の管理が重要である
3,フンは肥料として使えそうだが未検証
4,フリーズドライは消化管を抜いて作るととても美味しい。


それでは後半2012〜2013をお楽しみに。
Mushi_Kurotowa
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Mushikurotowa 
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男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
人生迷走中 顔はクロトワ似「なぜ昆虫に食欲が湧かないのか」をテーマに研究開始。食べたら美味くて研究頓挫「昆虫を美味しく食べる調理法とは」に変更/食用昆虫科学研究会 Edible insect science meeting 昆虫料理研究会 趣味自転車;鯨食文化研究;法螺貝;トランペット;リコーダー;鯨歯彫刻
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