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最近は昆虫食も多くのイベントで使われるようになり、
様々な食レポートを頂きます。

その中でも安価で大量に手に入る
「生き餌用昆虫」は、イベントには欠かせないものとなっていますね。

イベントの日程は決めたところで、
野生の昆虫の発生はなかなか予測できません。
私の研究室のようにバッタを養殖するのも、毎日エサ交換、草刈り、冷暖房、除湿と
高コストであることから、現実的ではありません。

そこで、
ペットショップ、特に生き餌が必要な爬虫類・両生類向けの
ペットショップに売られているのが、
コオロギ・ゴキブリ・ミールワームなどの雑食性の養殖昆虫です。

彼らは管理がものすごくラクで、
湿度さえ気にしていれば、絶食にも強いので
多くのペット愛好家の間で、自家養殖もされています。

ゴキブリはフェノール系の殺菌物質を持っているので、
ニオイがきつく、揚げるなどして加熱してやると
美味しくいただけます。

コオロギやミールワームは比較的外皮が柔らかく、
ニオイも少ないので焼いても茹でても、調理のバリエーションが豊かです。

本来はペットの生き餌ですので、
人が食べる場合は完全に自己責任です。
リスクを考え、正しく食べましょう。
そして、ヒトに勧める場合でもリスクをきちんと伝えましょう

ペットの生き餌用の配合飼料は食品グレードでないことも多く、
抗菌剤が含まれていることもあります。

そのため、できるだけ食べる前には絶食をさせ
野菜などを食べさせて消化管内を綺麗に保ちましょう

(コオロギは共食いをするので、かならず絶食ではなく人参やキャベツなどの代替食が必要です。)
配合飼料には大抵魚粉が含まれているので、ニオイがキツイのですが、
この処理により味も良くなります。


さて、
彼らについて特に注意したいのが

サルモネラ菌食中毒です。

パラチフス・腸チフスはヒトにしか感染しないので
今回は除外します。


彼らの本来の捕食者である
ペットショップで売られる爬虫類・両生類・鳥類

ヒトが感染すると食中毒をおこす
「食中毒サルモネラ菌」を保菌していることがあります。

サルモネラ菌は、低温や乾燥に強く
保菌者がいなくとも土壌環境中で数年生きることができ、
タイプも2500種ほどあるので、獲得免疫も期待できません
そして、耐性菌を出しやすいので
抗生物質投与やワクチン接種は通常行われません。
ただ収まるのを待つしか無いのです。

しかも、
その確率は野生動物よりも高いのです。
http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0806_01.pdf

引用
米国では、1996年から一年間の120万件のサルモネラ症のうち、
7万4000件がペット由来と言われています。

2005年までに、ペットを原因とすることが確定した
重篤なサルモネラ症は7件、スッポンや、ミドリガメが目立ちますが
死亡例はないものの、重篤な例が見られます。
(94%は医療機関にかかることなく収束しますので、その総数は多そうです。)

水棲カメは頻繁な水換えが必要で アメリカではサルモネラ症感染防止の見地から、甲長4インチ未満の小型カメの商用販売が禁止されています
http://www.cpvma.com/eisei/salmonella.htm


食中毒サルモネラ菌は
鶏卵の汚染も深刻な問題です。

日本以外の殆どの国で鶏卵を生食しないのは
このサルモネラ菌が原因です。
日本では、卵の徹底洗浄により鶏卵保菌率を下げていますが、
それでも、近年は、「卵管寄生タイプ」が登場し
卵殻ではなく、卵の内部にサルモネラ菌が入る場合があります。
これは加熱以外で防ぐことはできません。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_manage/seminar/pdf/siryou2-4_egg-salmonella.pdf

ただ、我々は卵を生食しますので
ここで「ペットの餌用昆虫」が
卵とくらべて、どのぐらいサルモネラ菌リスクが高いのか
データを比較してみましょう。

この資料によると、
鶏卵の保菌率は0.03%から0.06%で
鶏本体の保菌率は21%なので、かなり卵殻洗浄によって抑えられているといえそうです。


「0.05%前後」が鶏卵のサルモネラ菌リスクのガイドラインといえるでしょう。
これをきちんと加熱し、卵殻に触れたものを生食しないことで
ほぼ0に近づけることができます。


ペットショップの汚染は更に深刻です。
先の資料 によると、
http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0806_01.pdf
家庭飼育(32%)、輸入直後(56%)よりも、ペットショップ(80%)内が高く、
ヘビに至っては100%の保菌率です。

彼ら爬虫類・両生類は「保菌者」といって、サルモネラ菌がいても、腸管内で
培養されていても、無症状・もしくは下痢をする程度
ヒトが食中毒を起こすような重篤な症状を示しません。健康なのです。

この後、フンとエサ昆虫が触れることを
避ける必要があるのですが、
通常、ペットショップでは爬虫類とエサ昆虫は同じ棚に置かれ、
養殖も近くでされています。

卵殻洗浄のようなことは期待できませんし、
雑食の昆虫は積極的にフンをかじりますので、
消化管内に含まれている可能性が高いでしょう。

安富和男
「ゴキブリの話」によると

ベルギーの小児病棟で発生したサルモネラ菌食中毒の院内感染
ゴキブリの殺虫によって収束したことから、
直接的な感染源とされています。

もちろん子どもたちはゴキブリを食べたわけではないので、
接触程度でも感染が拡大する危険がある、といえるでしょう。

また、ワモンゴキブリ、トウヨウゴキブリ、チャバネゴキブリの
脚や消化管から、サルモネラ菌が発見されていることから
彼らのサルモネラ菌運搬能力は高そうです。

ということで

爬虫類→生き餌用昆虫への感染率は不明ですが
ペットショップで長期飼育された場合ですと80%から100%の確率で
爬虫類→爬虫類の感染が起こっていることから、
昆虫にも蔓延しているとみて、対策をとることが必要でしょう。


昆虫ではサルモネラ菌は増殖しませんので、無症状ですから。
「サルモネラ菌運び屋として」の昆虫の能力は高そうです。

鶏卵が0.05%前後ですから、
ペットショップで売られている爬虫類→昆虫の保菌率が50%としても

少なくともペットショップ昆虫は
鶏卵に比べて二桁以上(100倍~200倍)の

食中毒サルモネラ菌リスクがあると考えられます。

加熱するまでは他の食材に触れさせない、
手を洗浄するなどの、「一般的な食中毒対策」をきちんとしましょう。

「野外で採れたもの」よりも
「ペットショップで買ったもの」の方が
サルモネラ菌リスクが高いことに注意が必要です。


今回は触れませんでしたが
寄生虫リスク・ウイルスリスク・大腸菌などのその他の感染性バクテリアリスクもあります。
が、それは以前に書きましたので御覧ください
http://mushikurotowa.cooklog.net/Entry/211/

再度言います

昆虫は必ず加熱して、
特にペットショップで購入したものはサルモネラ菌食中毒に気をつけて、きちんと調理して
美味しく食べましょう。



当然ですが、生食は厳禁です。

養殖昆虫を生食する文化はありません。


「アマゾンの川魚でスシ文化の普及を目指しています。食中毒の覚悟はあります」
というヒトに日本食を任せられるでしょうか。

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人生迷走中 顔はクロトワ似「なぜ昆虫に食欲が湧かないのか」をテーマに研究開始。食べたら美味くて研究頓挫「昆虫を美味しく食べる調理法とは」に変更/食用昆虫科学研究会 Edible insect science meeting 昆虫料理研究会 趣味自転車;鯨食文化研究;法螺貝;トランペット;リコーダー;鯨歯彫刻
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