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「クリエイティブな仕事がしたい」ってさ
ずっと思ってきたし、これからもそうするつもり。
生活苦しいけど。

笑っちゃうけどさ、
はじめは学者とか目指したんだぜ?
論文とかぜーんぜん書けなくてあきらめたけどさ。
学者くずれなんて、今どきマトモなトコ雇ってくんないじゃん?

だからさ、
食うためだったら何でも引き受けたし、
とりあえず注目されたいから
カネもないのに最新のガジェットとかいちいち買ってレビューしてさ。
多少は修理できるようになったからまぁ良いけど。

ライターでもなんでもやったな
前に脚本の仕事も来てさ、
人形劇の。割に合わないし、本番とか全然客来ないの。
あれはしんどかったね。

一応さ、
コピーライターって名乗んのは
今までで一番ラクな仕事だったから。
たった数文字だけで食えたら理想だよね。
ひらめきは昔から誰にも負けなかったし。
そんなオイシイ仕事なんてほっとんど来ないけど。
不景気だし。

ぶっちゃけ俺、ゲイだからさ
どうせ結婚もできないし。今が一番大事なんだよ。
家業は妹につがせたし俺は用なし。
ここでやっと自由を勝ち取ったんだ。な?

あぁそうだ前さ、
めっちゃ好みの男と会っちゃって。お茶したの。
恰好もめっちゃ個性的でさ、俺好みの。
機能美あふれるっていうか?
なんかしかも短髪でガッチリしてて。ドストライク。

向こうもびびっと来たいみたいでさ、
目があった瞬間お互い固まっちゃったよ。
いやぁ運命的だと思ったね。
ついつい声かけちゃった。俺カレシいんのに。

んでさ、
立ち話もなんだからって早速お茶したんだけど
彼、何も言ってくんないんだ。黙っちゃって。
えらいカタブツ?なんか悩み事があるっていうか。

いまひとつもりあがんないし上の空っていうか。
そしたら深刻な顔して 「お願いがあるんだけど」ってさ。
ヤバいじゃん。宗教かカネって思うよねフツー。

「俺 借金あるからカネ以外なら」って
チャラけたらなんかそいつ「知ってる」て。全然笑わないの。
なんか気持ちわりいじゃん。ストーカー?なにそれって。

そしたらなんて言ったと思う?

「コピーライター辞めて欲しい」だってさ。
ワケ分かんないだろ?

さっきも言ったけどさ、
コピーライターあんま仕事ないけど、
ワリがいいのよ。ラクだし。

んで「タダではやめるわけにはいかない」って
もったいぶってみたの。
ちょっと下心もあったんだけどさ、
そしたら 
体で払う〜とはさすがに言ってくれなかったんだけど

「タダで、とは言わない」ってそいつ。
カネでもくれんのかと思ったら

すげえの、例のあのガジェットくれたの。
日本未発売だよ?すごくない?

ケースとか削り出しで高級感バリバリだし。
前のより相当バッテリー長持ちするらしいし。
あ、アンテナもよくなったって。

んでさ、仕方ねぇから。
そいつと約束したの。欲しいし。
「あぁわかったよ。もうコピーライターはやらない」ってさ

もう
とにかく使ってみたくて。
今レビューしたらめっちゃ人気アガんじゃん?

でもさ
持ち帰って線つないだらなんかぜんぜん動かないの。
充電できてないって感じ?
どこ触っても何も出てこないし。
まだ
中開けてないけど 騙されたのかな。
ちょっとキズあったから中古かも。

ウソつくような男には見えなかったんだけどな。
どうせパーツが出回ったら直すけどさ、
なんか今日
お前にも見せびらかしたかったじゃん。

え?理由?
よくわからねぇよ。
なんか?「ウナギが食べられなくなる」?ってさ、
こんなに店、すいてるのに。

大将!こんな空いててお店大丈夫!?
どうせウナギなんて夏売れないっしょ。
何なら俺 看板書いてやろっか!?

うーんと……

いやいいんだよ。
看板だからキャッチコピーじゃないし。

うーん
「本日…土用丑の日」ってのはどうだい?
売れそうな気がするだろ?

並2つでいいや。
こいつと二人前。

な、
ゼニもらってないし、
これならコピーライターじゃないだろ。





http://ja.wikipedia.org/wiki/平賀源内

元ネタ頂きました。
PR
以前の記事
「初めての自家養殖食用昆虫」
がマダガスカルゴキブリであることを紹介しました。

彼らとは長い付き合いになります。
今回は前編、2008から2011年までをご紹介します。

前々から
記事にしようと思っていたのですが、
この度
「東京虫食いフェスティバル番外編」にて
15分ネタのテーマとしたため、先延ばしにしていました。
ここに一挙に報告したいと思います。

遡ること2008年7月

就活に・実験にと漫然とこなしていた私は
多くの一般的な学生と同様に
人生に行き詰まりを感じていました。

そんな中、飼育していた実験用の
ショウジョウバエを飼育していた思ったのです。
「こいつら食えないか」
「こんなもの食う気になれない」

「なぜ私は昆虫を食べたいと思わないのか」

「食べてみたら分かるかも」

ですが
ショウジョウバエのエサには防腐剤が含まれているので
食用には適しません

そこで食用に適した昆虫を探しました。

検索サイトにて「昆虫 料理」と検索すると

ありました。


7月31日の購入履歴



同時に江頭2:50分のDVDを購入しているあたりに
当時の迷走っぷりが伺えます。

その後すぐ、
8月1日の「セミ会」に参加し、
内山昭一さんとお会いし、セミの味を堪能しました。

就活するたびに東京に行き

アリの子(アジアスーパーストア)
タガメ(アジアスーパーストア)
サクサン(上野)



スーツを片手に買って帰ったものです。

その時とばっちりを受けていたのは
宿泊させてもらっていた高校時代の同級生TW氏。

某国立の外国語系大学に所属していた彼は、
ゼミのボス主催のサークル活動として
はだしのゲン」をウルドゥー語に翻訳し、プロの演劇指導を受け
当時核開発を進めていたインド・パキスタンへ公演に行くという

かなりキレキレの活動にハマっており、
ハマりすぎた挙句、留年を繰り返していました。
(現在は会社員としてインドネシアあたりをウロウロする好青年です。)

私が修士でしたので、
頼れる東京の友人は彼ぐらいしか居なかったのです

何を思ったのか私は
彼と彼の妹(教育実習でクラス担当になったという経緯のある)の同居する
共通キッチンで、初めての昆虫料理を開始しました。

そしてあろうことか、
この兄妹を哀れな生贄の第一号に選んだのです。
(その節は大変お世話になりました。何か宿泊のお礼と思って暴走しておりましたことをここに懺悔いたします。)

そして、
それら稚拙な初期の昆虫料理をうまい/不味いといいつつ
受け入れてくれた兄妹によって
私の昆虫料理熱はすこしばかり種火がついてしまいました。

年が明けて2月、
就活は一層混迷を極め
人生の行き詰まりを大学院へ先延ばしにすることにした私は

東京に通うこともなくなり、冬になってしまったので
新たな、仙台で手に入る養殖昆虫を求めました。

次なる犠牲者(?)は
KキャンパスにあるM研究室。
ここでは昆虫の脳機能を電気的に測定する装置をもっており
感染症に強く、賢く、そしてよく増える昆虫の代表。
ワモンゴキブリを研究パートナーの一つにしていました。

脳機能を測定するわけですから、
脳は大きいほうが良いので
多くの論文で使われているワモンゴキブリの他に
大きく体重のあるマダガスカルオオゴキブリが飼育されていました。

残念ながら彼らの脳はワモンゴキブリよりも小さいことが分かり
単なるペットとして飼われていました。

そしてその情報を、
私は事前に仕入れていたのです。

「M先生、マダゴキ・食べさせてもらえませんか?」


意外なことに、「昆虫料理を楽しむ」が
研究室に既においてあり、H先輩が食いついてくれました。
H先輩は既にセミ幼虫を捕獲し「セミチリ」を自作して
食べたことがあるそうで、昆虫食に関しても私の先輩に当たることが分かりました。

さて

食べてみます


ほっこりとしたイモ系の香りと脂質のまったりとした味わい。
バターのような獣系の香りとムレ臭。
腹部は集合フェロモンと思われる「G臭」があり、
好みが分かれる所でした

後に腹部の消化管を取り除くことになるのですが
この当時はそのまま美味しく頂くことができました。

その後、
このコロニーから分譲された
飼育個体を徐々に増やし、次の会が開かれます。

2009年9月

同級生の怪魚ハンターが 人生を決める大物を釣り
「昆虫食べてみたい」とのリクエストを頂き
彼の帰国に合わせ希望者をつのり(半ば無理やりですが)
フルコースの会を開くことに


今から見るとまだまだですが、
当時としては精一杯の昆虫料理を出しました。
当時のブログでは私のことを

“常識的な狂人”であり“紳士的な危険人物”


と評されており、
彼の観察眼は魚を見つけるためだけでないことが
伺えます。

彼の言うように、「常識的な狂人」でありたいものです。


さて
この時つくったG料理は
スープカレー。
揚げた食材をスープ状のカレーをかけて食べる、という形は
煮込んで食材の個性が失われてしまう通常のカレーよりも
揚げとの相性の良い昆虫も気軽に参加させることが出来る
最適な料理であると確信しました。




時は流れ2011年
「食用昆虫科学研究会」の初期メンバーとなった私は


サイエンスアゴラ2011の出展企画として、
Gを使った生ごみ処理機の計画を発表。
この時は試食昆虫を多く準備しすぎ、
話を殆ど聞いてもらうこともなく

ただただ昆虫料理を給仕するだけになってしまいました。


この計画をご紹介しましょう。

「名前が悪い」という特徴から、
ここからは彼らを学名「G.portentosa」と称します



彼らは野菜くずは果物の果皮を好んで食べます。
そしてフンをします。彼らの体はおいしい昆虫料理となり、
またペットの餌となり、フンを肥料として利用することで
野菜を再生産する。つまり循環型生活が行えるのです。

発酵分解式のコンポストはニオイが強く、
乾燥式の生ごみ処理機は電気代もかかり
堆肥化もできません。
この時G.pのアゴと消化管を利用して処理することで
乾燥ペレット状の堆肥(のような物体)となるのです。


では
次に飼育環境を改良していきましょう。


ペットとして、生き餌として養殖する方は
基本的に水と配合飼料を使うそうです。

野菜くずは水が多く含んでおり、
湿度を高めてしまうので
コバエやダニの発生を促し、健康を害してしまうことが多くあるとのこと。
なので、湿度対策が特に必要です。

「煙突効果」という現象があります。
上下に穴の空いた円筒形のものがあるとき、温められ膨張した空気が
軽くなり、上がることで、動力なしに新鮮な空気が下から入ることです。

それを利用した円筒形の飼育容器を考えました。

野菜くずではやはり水気が気になったので、
エアポンプを使った強制換気装置を付けました。

そして「フルイ」を下に向かって小さくすることで、
子供と大人を分け、共食いを防ごうと考えました。

この時、最下層のトレーには、フンのみが入り、
その他の子供やGは(彼らは卵胎生なので一齢幼虫>フンであれば大丈夫です)
下に来ること無く、安全に回収できます。



残念ながら換気装置が貧弱で蒸れがちで、
倒れると脱走することも多く(笑)


すぐに第二号の開発にかかりました。



次はサイエンスアゴラ・虫フェス2011でも発表するので、
外見をちょっとかっこよくしています。


構造は似ていますが、材質をポリスチレン製の100円金魚鉢から、
ポリプロピレン製の四角いタッパに変えたことで、ひび割れを防ぎ、軽量化と
強度を両立させました。最上部には強制換気装置としてUSBファンを設置し
低湿度を保つよう気をつけました。


ところが、彼らは走地性があり、下に下に行ってしまいます。
そしてファンの出力がやや強く、常に乾燥状態になってしまいました。

改良は次年に持ち越しとなってしまいました。(後編に続きます)


次に、初期の味見で気になった「腹部のG臭」について
確認していきます。

まず、食用昆虫科学研究会の兄貴的存在、
Gの殺虫剤耐性の研究で学位をとった水野さんの協力のもと
解剖します。
そして、匂いの強い部位を特定するため、それぞれの器官を食べ比べたのです。
その結果がコチラ。




消化管を茹でてそれぞれの器官を食べ比べた結果、おそらく
中腸から後腸にかけての付属腺から集合フェロモンが分泌されていそうです。
胃は酸味がありましたが、そのようなニオイはしませんでした。

また、卵はバツグンに美味しいのです。
バターのような香りとコクがあり、誰でも美味しくいただけると思います。
この結果から、
当研究会では、G.pの成虫を食べる場合、腹部の消化管を除くのが通例となっています。


次に、調理法について考えて見ましょう。
彼らは体重があるため、内部がジューシーで、クニュっとした食感ががあります。
また、外皮は弾力があり固く、口に残ってしまうことが残念です。

そのためしっかり揚げることで、クリスピーな食感にし、
美味しく食べられていました。

ただ、昆虫のヘルシーさ、高タンパク低脂質を実現するには、
揚げ意外の料理法も挑戦したいところです。

そこで辿り着いたのが
フリーズドライでした。

フリーズドライは-30度以下に凍結したものを
低圧条件におき、水分が昇華したところを「コールドトラップ」と呼ばれる
霜取り装置で捕まえることで、極端な加熱をせずに水のみを取り除く手法です。


近年ではインスタント味噌汁の具の野菜などに使われています。

これにより、サクサクとした食感を、油を使わずに実現できます。

消化管を取り除いたボディをフリーズドライすると、
外皮がカリッとして弾力が減り、食べやすくなりました。
そして内側の脂肪体がふわっとパフ状になりウエハースのような食感が実現したのです。

また、フリーズドライは加熱しないことから、その香りを多く残す特徴があります。
別にしておいた消化管をフリーズドライすると、そのG臭、集合フェロモンのニオイが強く残っていたので
フリーズドライで食べる場合にも消化管を除去したほうが良さそうです。


まとめます。

1,G.pは野菜くずなどの植物性家庭ごみを再利用する生ごみ処理機として利用可能である。
2,処理機として利用する場合、湿度の管理が重要である
3,フンは肥料として使えそうだが未検証
4,フリーズドライは消化管を抜いて作るととても美味しい。


それでは後半2012〜2013をお楽しみに。

ニホンミツバチ Apis cerana japonica
は日本で古くから利用されてきたミツバチです。

従来は
野生集団の巣から蜂蜜を強奪する採集が行われてきましたが
明治時代に巣箱を使った養蜂が導入されて以降、
ニホンミツバチの養蜂も同様に行われています。
ただ、ニホンミツバチ由来の蜂蜜流通は
ほとんどないそうです。

養蜂に最も適すると言われる
セイヨウミツバチ(イタリアミツバチ Apis mellifera ligustica
に比べ気むずかしい事がわかっており、巣箱を放棄することもあります。
蜜の量も少なく、採蜜用の花もバラバラ(セイヨウミツバチは一種類の花の蜜を集める傾向がある)で、なかなか難しいそうです。

今回は知り合いの方がメンテナンスのため、
巣箱を開ける機会があったのでそれに乗じて
味見をさせていただくことに。


モフモフで清潔感があり、大変愛らしい姿です。
「ミツバチと蝶」は女子に嫌われない昆虫の二大巨頭ですね。



幼虫とサナギ



巣板の上のワーカー

上から見るとこんな感じ


味見

幼虫 スズメバチのように消化管内容物を除く必要はない。
   ほのかに甘い味と花の香、とろっとしてスズメバチ系の匂いはなく、小粒ながら美味しい。
前蛹 意外と味がしつこく、収斂味がある。濃厚で滋養によさそうな味。薬っぽい強さがある。
   花の香はせず甘くない。掴むのは大変困難ですぐに外皮が破れてしまった。
サナギ:シャクッとした食感と淡白な味、木質のいい香りが立ち上り、やはりサナギの美味しさは格別。
成虫 味はかなり薄い。
    毛の感触が少し食感に面白みをもたらすが他の段階にくらべ取り立てて美味しい点は見つからず。

小粒ですが、なかなか味わい深く、
スズメバチとの種間の違いがよくわかりました。

「ミツバチは幼虫、スズメバチは前蛹、白いサナギはどちらも美味い!」
覚えておくとよいでしょう。
きっと何かの役に立ちますとは言いません

さて

ミツバチの家畜化は
飼料のすべてを人間が用意する「完全養殖」ではなく
住居のみを提供する「半養殖」として完成しました。

彼ら真社会性の昆虫は、
交尾や産卵を女王が
エサの収集、次世代の養育、外敵からの防御や天候や気温への対応などを
ワーカー「働き蜂」が
役割分担することで、効率よく群れを拡大することが出来ます。

ワーカーは毒針を持つ代わりに産卵機能を失っており
彼らの子孫が繁栄するためには、
女王とその子供、巣を守らなくてはいけません。

そのため、
ワーカー個々の命はさほど重要ではないのです。
ミツバチはスズメバチと違って、毒針を使って攻撃すると、
針が抜けて腹部が傷んでしまい、死にます。
人生に一度きりの捨て身の攻撃なのですが、
女王や巣を守るために、
けっこう気軽に刺してきます。

この「気軽な捨て身感」は、
我々哺乳類には共感しづらい行動でしょう。

そんなミツバチを利用するには、
一匹一匹に衣食住を完全提供する「終身雇用制度」よりも

ミツバチの最も大切な「巣」を守る
丈夫で居心地のいい住処を提供する
「大家さんー家賃収入モデル」が
よさそうです。

ここでいう家賃収入は、
蜂蜜であったり、虫媒花の作物の受粉であったり
更にはローヤルゼリーなど、ミツバチの恩恵は多大です。

先ほど書いたように
ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べ、
巣箱の住み心地が悪いと巣を放棄して移動することもあり
「気むずかしくて飼いにくい」そうですので
その点では
養蜂に適したセイヨウミツバチが優れています。

ですが
ここ日本では事情が異なります
そうです。

スズメバチです。

この巣箱を御覧ください。これはセイヨウミツバチの巣箱です。

周囲を網で囲い
入り口には細かい金網を使ったトラップ。


オオスズメバチがトラップされています。

更に巣箱の上に粘着シートを設置すると
 
こんな感じ。大量にスズメバチが捕獲されています。

一方ニホンミツバチの巣箱はこんな感じ


入り口にスズメバチ侵入防止の細かい金網が付けられていますが
セイヨウミツバチほど特殊な設備は付けていません。

セイヨウミツバチの分布域は
元々スズメバチと重なっていなかったため
彼らはスズメバチに対する特別な対処法を持っていません。

他の侵入昆虫と同じように、
攻撃しにワラワラとでてきてしまいます。スズメバチの力は圧倒的ですので、
その下にはミツバチの死体の山ができてしまい、巣が疲弊してしまいます。

一方ニホンミツバチでは、
熱を出してスズメバチを殺す「蜂球」という
有名な攻撃行動があります。

また、オオスズメバチなどの圧倒的な敵が複数来た際には
巣箱の中に引きこもり、攻撃せず、彼らが立ち去るのを待つそうです。

そういう意味では
ニホンミツバチは「日本での養蜂に適した」
種といえるでしょう。

このことから将来の昆虫養殖利用は
以下のようなことが考えられます。

1,在来種の利用によるリスク低減

在来生態系の改変を最小限に抑えることで、当該地域における環境の変動や
外敵などのリスクに対して、昆虫本来が持っている防御機構を利用する。

2,養殖ノウハウの共通化

在来種をヒトが利用するために他地域の近縁種の事例を参考に、
養殖ノウハウを導入する。

3,地域に応じたカスタムとそのための調査

近縁種間の生態の違い、地域の養殖従事者の性質の違い、
地勢の違いを調査し、それに対応するべく条件検討を行う


4,制度を設けた持続可能な養殖業へ

環境を破壊する無秩序な養殖を防ぐために組合を結成し
持続可能な養殖業となるよう管理制度を設計する。
この養殖業について「ブランド」を整備し、
消費者が乱獲由来の昆虫を購入しないよう促す。


言った感じでしょうか。
ミツバチはハチノコも美味しく、
ヒトと長らく歩んできた家畜ですので
そこから学ぶことはまだまだ多くありそうです。





今回は大型のスズメガの幼虫、
トビイロスズメです。

成虫は食べたのですが
幼虫は未食でした。

かなり大型で、中国でも好まれているとのことですので、是非食べたいと思っていました。
中国山東省や江蘇省では、トビイロスズメ(中国語 豆天蛾、ドウティエンオー)の幼虫を「豆蚒」(ドウダン)、「豆虫」(ドウチョン)、「豆青虫」(ドウチンチョン)などと呼んで食用にする。食用については、古くは清の蒲松齢の『農蠶經』に記載がある。無農薬栽培の大豆畑で採集するが、江蘇省では1ヘクタール当たり300kgも採れ、市場で売ると数千人民元の売上げになる例もあるという。素揚げ、卵炒め、野菜炒め、スープなどの食べ方がある。江蘇省北部の灌雲県には、頭を切り落として肉を絞り出し、内臓を取り除いて作る肉団子がある。(wikipediaより


灯台下暗し、とはよく言ったもので、
いつも通っている葛が繁茂した道路脇で発見。
あまりにデカイので、ぎょっとするレベル。シモフリスズメより一回りデカイっす。


肌の粒感はモモスズメによく似ていますが
頭がとんがっていないのがポイント。顔はシモフリスズメに似ています。

大きいのでこんな動画を撮ってみました。
「パシフィック・リム」のイェーガーの紹介風に。あれはイイ特撮バカ映画でしたね。



使った機材はコチラ。「大人の科学 USB特撮カメラ」


高速度撮影はできないのですが、焦点深度が深く、
下から見上げるようなアングルを作りやすいカメラです。面白いっす。


味見
クソ美味い。なんだこれ、
味に定評のあるスズメガ系ではトップに躍り出た。

豆の香りがしながらキノコのような肉質系のダシ味、
うまみが強く、茶碗蒸しのような濃厚な味。適度な弾力のある肉の歯ごたえ

粒感がありモモスズメに似た外皮の歯切れも小気味よい。
幼虫越冬のためか消化管内に内容物はなく、
みっちりと濃い味が楽しめる。

これは感動。冬までに探しておきたい。
サナギ越冬が多いスズメガですが、
この種は幼虫越冬とのことですので、まだまだ時間はありそうです。

中国のダイズ農場で、1ha300kg収穫するのも納得ですね。
なにせダイズより遥かに美味いんですから。

体が大きいぶん、草も沢山たべるので、もっと増やして
しつこいほどに繁茂する葛を美味しく処理してやりたいですね。
スズメガ系の(今のところの)トップが世代交代した感じです。

感動。
今年はゴマにつくシモフリスズメと見間違え
クロメンガタスズメの幼虫は結局見つけることはできませんでした。
二回りぐらい大きい幼虫は食べごたえがありそうです。

そんな中、ゴルフ練習場の一角で巨大なスズメガを発見。
捕まえた所、ギイギイ鳴く。


背中にはお面が!

そうです。コレがクロメンガタスズメなんです。

貫禄があり、他のスズメガとは一味ちがうシルエット。
短く太い口吻。これでミツバチの巣に突貫し、蜜を強奪するというヤンチャ体質。
食べてみましょう。今回はポン酢がちょうど切れていたので茹でて塩を降っていただきました。

味見
周りの毛が多く、強くモサモサしてしまうが、味は極めて良い。
香ばしさと魚介系のダシの聞いた味でクチクラの歯ごたえもちょうどよい。
これだけおいしいのだったら幼虫のうちに食べたかった。

成虫でここまで良い味・食べごたえのある大きさですので
幼虫や前蛹・さなぎはもっと期待が持てます。
来年また食べられることを願いましょう。


さて、これだけ特徴的な「顔」を持っているので
今回はコレで言葉トレーニングしてみましょう


顔の口ひげ・アゴヒゲの様子が
「アノニマス」がしていたお面に心当たりが会ったので、
正式名称をまず調べましょう

検索 アノニマス お面

ガイフォークス という名前だそうです。ふむふむ

検索 Guido Fawkes

帽子をかぶったイメージが強そうです。


ちょっと頭の部分が違いますね
フードをかぶったイメージにみえます。

検索 Guido Fawkes hood

茶髪長髪の女性が付けた姿がクロメンガタの毛の感じに似ています。
検索 Guido Fawkes masked females


発見です。
こちら。

ということで
クロメンガタスズメの背中は
「ふくよかな長髪茶髪女性が前後ろ逆にGuido Fawkes お面をつけている感じ」

で表現されるでしょう。

終了!
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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