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何回か申し上げましたが、
私の昆虫同定能力は素人レベルです。
図鑑を見ながら勉強しているところです。

ブログコメントにて指摘していただいたのですが
恥ずかしながらギンヤンマとおもって
カトリヤンマを食べておりました。おいしかったです。
ご指摘ありがとうございました。

そして写真をさかのぼっていると
なんと本家ギンヤンマも食べていたことが判明!

…たぶんギンヤンマだと思います(自信喪失)
腹部第一節が太いこと
翅がオレンジがかっていること
前額に黒色と水色の横斑
腹部先端の形
参考文献「日本のトンボ」




味覚が確かで
「ん? このギンヤンマ。 以前食べたギンヤンマと違うぞ?」

と気づくほど蟲ソムリエに近づいていたら
良かったのですが、
残念ながらこの程度でした。無念。

同定は全ての昆虫学の基本です。
今回間違えたことで、
ヤンマ科間での味の違いを
きちんと食べ分けることが出来ませんでした。

最近は分子生物学が隆盛ですが、
そもそもサンプルの段階で同定を間違ってしまうと
何を見たところで確かなものは得られません。

まず同定より始めよ
素人同定って指摘されると恥ずかしいですね。
しろうとどうていって指摘されると
恥ずかしいですね。

大事なことなのと
語感が気に入ったので二回いいました。

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「見た目が悪いから昆虫は喰いたくない」
という方に
そもそも見た目の評価自体が絶対的なものではなく、
文化的なものだと気づいていただくために
「姿のエビ」をよく例に挙げます。

エビが食えて虫が食えない理由を
合理的には説明出来ない、ということに気づいて欲しいのです。

ということで
以前に小エビのかき揚げとバッタのかき揚げを比較
しました。

今回は
生物がほとんど無加工のまま
出される寿司で比較したいと思います。

具材は茹でて味が良いことで知られる
オオスズメバチ前蛹・蛹とエリサンを使いました。

色味をつけるために食紅を使いました。


昆虫の表皮が水を弾くため、
あまり染色具合はよくなかったのですが、
うっすらピンク色になりました。

次に寿司の準備です。
幸い近くのスーパーで見切り品となった寿司を
確保し、崩れないよう自転車で持ち帰り、
予めヤフオクで購入しておいた
デッドストックの寿司桶に盛りつけます。

今回はエビが甘エビと茹エビの二種を使い
節足動物の割合を多めにしておきました。(シャコとかもあればよかったのですが。)




木を隠すなら森の中
蟲を隠すなら寿司の中

意外と甘エビの隣のオオスズメバチ前蛹に
気づいていない方も
いらっしゃったのではないでしょうか。(?)

やはりそんな大差ないですね。
味も穀物系で、生魚の味の強さに飽きたころに
調度良い味でした。「寿司ネタ・スイートコーン」の偉大さを感じます。

江戸時代に始まった寿司のネタは時代とともに変遷し、
トロ・生サーモン・ホッコクアカエビ(甘エビ)エンガワ(オヒョウ)などの新ネタから
海外産の養殖エビやネギトロ(マグロすき身+マーガリン)のような加工生産の変化まで
大きく変わりました。

そして、sushiが国際的にも人気になった結果、
マグロを始めとした漁業資源の枯渇が深刻です。

そんな中でも
「海は広いな大きいな」
と 
未だに海産資源の有限さに気づいていない
脳みそお花畑の国が大部分です。

確かに
海は人智を超えた偉大さに見えるため、
「有限」と言われてもピンと来ないこともあるでしょう・
そのためにも
自分の食糧は自分の目に見える形で養殖する、
という
食糧の有限さを噛みしめる農業・養殖業が、
これからの慢性的な食糧不足を
理性的に節約し、耐えぬく道だと思います。

我々食用昆虫科学研究会が今年もサイエンスアゴラに出展します。

ナナフシモドキの回でも少し触れたのですが
「ノボリ」のようなものを使って
お客さんを引き込みたいと思っていました。

しかし、そのデザインが決まらないのです

1,昆虫は前面に出したい
2,食欲はそそるものを
3,写真や絵は逆効果?(食品として見られない?)
4,光らせたい

いろいろ考えあぐねた結果

「のぼりではない媒体」

を見つけました。居酒屋で。

そうですね。赤ちょうちんです。
東京浅草 江戸手描提灯 提灯屋.com

赤提灯の特長

1,文字だけで食欲をそそる、という社会共通認識がある。
2,光る
3,手描きのため一品から均一価格(のぼりは版作成が必要なので少数ほど割高)
4,日本の伝統工芸

海外に紹介したい日本の文化です。
赤ちょうちんに白縁、太黒字という最もオーソドックスなデザイン。
注文から2週間ほどで到着。
こういう一品物だと
人力のほうが仕事も早いです。

中に自前のこのランタンを入れて


完成



なんとリバーシブル仕様なので、

「昆虫料理」としても使えます。
虫フェスなどでも使いたいですね。


皆様
美味しい昆虫を用意してお待ちしております。


昆虫食についての勉強や実践を
当ブログで発信することで多くの反響をいただくようになりました。

昆虫の世界は膨大ですので、様々な立場の方からのコメントが
私のモチベーションを上げ、次のチャレンジへとつなげてくれます。

思えば
本格的に食べ始めたのが2008年。
5年ほど続けてきたわけですが、
日々進歩がなくてはいけませんね。

ということで

2009年、仙台にいたときに同級生に食べてもらった一品

「秋の蟲ピザ」


小型の直翅目をトッピングした食べやすいピザです。

秋になると性成熟し、加熱すると赤く色が変わる直翅目を使うことで
紅葉する広葉樹をイメージしました。

ちなみにこちらは調理前



これを今回はブラッシュアップしようとおもいます。

さて
昆虫料理を紹介するにあたって
「形を無くして欲しい」という声が多くあります。

似たような形を持つ
海老や蟹について「すり身でないと食べられない」という方の話は
殆ど聞きませんので

おそらく
調理された虫の「形」に対する嫌悪感というのは
「死体感」ではないでしょうか。

基本的にヒトは
調理加熱して他の生物を食べるので
当然「死体」食べているわけですが、

「死体」を「食品」とみなすには、文化的な刷り込みが必要です。

このブログをご覧になる方の多くは昆虫食を文化として持たないので、
形を見せてしまうと
どうしても「死体」の印象が拭いきれません。

ですが、
直翅目の美味しさはパリパリ感でもあるので
美味しく食べるためには形は残しておきたいものです。

そこで
「形を残したまま死体感を減らす工夫」
が必要だと考えました。

ヒントは昆虫標本にありました。

きっかけはとある虫屋の方から
「展翅したほうが見た目が良いのでは??」との
アドバイスを頂いたことです。

確かに
「標本は大丈夫だけど(道端の)死体はムリ」
「生き虫は大丈夫だけど死体はムリ」

という虫嫌いの方もいらっしゃるようです。
つまり

「展翅することで整然とした印象を与え、死体という無秩序な不快感を減らすことが出来る」

という仮説が考えられます。
やってみましょう。

まず、茹でた昆虫を
アルミ箔を張った網の上に置き、立たせて足を整えます。


このまま、マーガリンとチーズを塗り
200度のオーブンで10分間加熱します。

そして

市販のチーズピザの上にキレイにトッピングし、
250度のオーブンで10分焼きあげて完成。

秋の蟲ピザ 2013


味見
香ばしく、肉質のうまみ。とても良く合う。
残念な点としてピザに接している部分が
カリカリ感がなくなり、口に残ってしまうので
もうちょっとしっかりローストしてからトッピングすればよかったかと。
そうすると強度が低下してしまうので、
「強度」と「カリカリ感」の調整が難しくなってきそうです。

こうやって頑張ってみたものの、今度は
整然と多くのパーツが並んでいると嫌悪感を感じる「集合恐怖症」
というものをお持ちの方がいらっしゃいます。


その原理や適応的な意義は解明されていないようですが、
昆虫料理への嫌悪感を拭うというアプローチは
まだまだ先がありそうです。

できれば「形を無くする」という方法は最終手段に取っておきたいところですね。



昆虫を味見する際に留意したい点として

「昆虫を差別しない」ことが挙げられます

当然分類するので区別はします。そして その生態や味から
利用法や調理法を考えていくことが必要です。

ここでいう「差別」とは、
「対象の特徴を無視して観察者のバイアスを優先すること」
と言えるかと思います。

直感的にわかりやすいのは「キモい」「生理的にムリー」
でしょうか。
このキモさ(嫌悪感=Disgust)には生来の遺伝的バイアスだけでなく
文化的なバイアスが多くかかっています

特に
昆虫に関してはごく最近までヒトの食品でしたから、
ヒトがこんなにも短期間に遺伝的な忌避行動を獲得するわけもないので
多くは文化的バイアスといえるでしょう。

逆に言うと百年以内に昆虫食に戻る可能性もあるわけですから
安易に遺伝子に刻んでは危険なのです。

むしろヒトは文化として、世代を超える情報を外部保存することで
遺伝情報よりも臨機応変なバイアスを持つことに成功したといえるでしょう。

ということで
我々は多くの文化的バイアスがかかっています。
そして、
その文化的バイアスから独立した視点をもつために使われるのが、
「科学」という客観性を重視した手法といえるでしょう。

昆虫の分類も
「好き嫌いは置いといて、皆が客観的に判断できる手法を用いて、、個体をグループに分け、
近い順に並べる科学的手法」と解釈できます。

さて
一つ前の記事で「直翅目にハズレ無し」と書いたばかりですが

実は未だ直翅目の分類群を網羅していません。
これから食べようと思っているケラ科(今年は見つからなかった)の他に

カマドウマ科という高いハードルがあるのです。
おそらく美味しいとは思うのです。

今回捕まえたのはクヌギの樹液を食べに来るマダラカマドウマ。
樹液食は美味しい要素の一つです。
しかも翅がなく、飛ばないので体重もあり
日光を必要とせず、高密度でもケンカしない。
翅のないキリギリスといえる体型。
どれも美味しそうな要素しかありません

サラブレッド。もとい直翅目界のブロイラー
と言っても過言ではないのですが。。。。。。。

ごめんなさい。主観的にキモいのです。

思い出すのは一人暮らしを始めて二年目の仙台。
秋も深まり、寒い夜にシャワーを浴びようと浴室へ。

私は極度の近眼なので、シャワーを浴びる際は
極端に防御力が低下します。全裸で目も悪い、地中性の生物のようです。

勝手知ったる我が家の浴室なので、何の警戒もしていませんでした。

シャワーを出したその瞬間

足元に何かが駆け上がったのです。
お察しのことと思いますが、カマドウマです。

ハエや蚊、ゴキブリならともかく、体重があり、
壊れた玩具のように跳ねまわるカマドウマの感触は
なかなか自分の記憶と一致しませんでした。

おぼろげながらカマドウマとわかり、
一旦撤退し、メガネをかけ直し、
全裸のままカマドウマを捕獲。ベランダから投げました。

そのためか、カマドウマにはまだまだ苦手意識があります。

でも差別してはいけません。
自分に文化的なバイアスがあると認識した以上、
意識的に
差別につながらないよう
行動せねばならんのです。 

行動とは。当ブログでいうところの味見ですね。

前置きが長くなりました

なんせ茹でられたカマドウマが右手のそばにあるものですから
味見のタイミングを伸ばしたいという深層心理の現れかと思います。

マダラカマドウマ  Diestrammena japanica


 


味見
少し土っぽい枯れ葉系の香り。しかし抜群に美味い!なんだこれは。体液はほとんど感じられず粒感と弾力のあるタンパク質の塊がやってくる。焼きタラコのような食感。
翅がなく、胴がたっぷりしているので肉質なのかと。
キリギリス科の中でも抜群に美味しく、とても意外でちょっとだけ残念。

クラスの地味な子がアグレッシブな特技で突然人気になってしまい話しかけづらくなる感じ。
でしょうか。

文化的バイアスは
かかっていると自分が認識してから、
その逆バイアスをかけ直すには、多くの努力が必要です。

ですが、その先にはどの文化的素養のあるヒトの間でも形成できる
多様性を許す社会が出来るのでは、と思います。

また、そのバイアスが他文化に悪影響を与えない場合、
誇るべき文化として自らの強固なアイデンティティを形成することになるでしょう。

もう一度いいます

「直翅目にハズレなし」(ケラは未食)

Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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