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近頃冷凍庫が手狭になってきたことから
写真撮影後に食べるタイミングを逃した昆虫も、きちんと味見していきたいと思います。

こちら
オオゾウムシ Sipalinus gigas
以前に煎餅にして食べたのですが、

振り返ってみると
このブログの共通調理法である茹でポン酢で
食べていなかったので再度挑戦。



見るからに固そうです。

味見
食べる前から敗戦色濃厚(口に残ってかみ切れない、飲み込めない)
のかと思ったのですが。
硬すぎてカリカリして美味しく食べられる。内部の甘みはやさしく、香ばしさも相まって
ゾウムシ・カミキリムシ系の好ましい味。
食べきるのにかなり時間が掛かるが、珍味のようでずっと噛んでいると
口に残らず最後まで食べられる。外皮は硬すぎると逆に食べられることがわかった。

何事もやってみないとわからないですね。

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ヒロヘリアオイラガ Parasa lepida


イラガ科の幼虫です。
1920年代の外来種で、近年勢力を拡大しているとのこと。

「明らかに危険」と蛍光色で教えてくれるケムシです。
それでも葉の裏に隠れていることがあるので、ご注意下さい。

ヒロヘリアオイラガの臨床図(ドクターご本人が体を張った経過観察!)
もある「虫と皮膚炎」によると


毒棘に触れると先端部が皮膚に刺さり、毒液が注入される。とのこと。
棘が刺さるには、イラガ自身が生きていることが重要なので、
死んだり、脱皮直後ではこのタイプの皮膚炎は起こらないとのこと。

普通のイラガ科の棘はこのタイプだけですので、
「スズメのショウベンダコ」と呼ばれるイラガの蛹を
繭のまま炒って、ピスタチオのように殻を割って美味しく食べられます。
イラガは冬に繭で越冬しますので、
食害に悩まされている方は、冬のうちに採集し、炒って食べると良いでしょう。


ところが、
このヒロヘリアオイラガ、なんと
二段構えなのです。

尻の黒い部分に毒刺毛があり、これは生死にかかわらず
触れると皮膚炎を起こすタイプです。
この毛を繭を作るときに、周りに付着させることで、
ほかのイラガでは無防備なサナギ時代を「毒あり」で過ごすのです。

こわいですね。

ということでイラガの中でも、ヒロヘリアオイラガは
たとえサナギの時期でも食べるのに適さない、味見が困難な虫、といえるでしょう。
お気をつけ下さい。

クモ類は昆虫ではありませんが、
陸上性の節足動物で伝統食への利用も多く
「食べられる虫」の一群として注目しています。

利用しやすい点は
翅を持たないこと、
そしてその分体重が重く、
食べごたえがあることでしょうか。

利用しにくい点として、
ほとんどが肉食性なのでエサの用意に
コストが掛かってしまうことでしょう
群れを作るものが少ないので共食いの危険もあります。

カンボジアでは
採集タランチュラが日常的に食べられていますが
近年は減ってきたとのインタビュー報告があります。(FAO報告書2013)
南米チリではペット用昆虫牧場があり、養殖は可能ですので、
養殖へのシフトを促したいところです。

天然資源の減少はその価格高騰をもたらし、
リョコウバトやオオウミガラスの
ように「さらなる乱獲を助長する」危険もあります・

逆に、高騰した採集モノの価格を安くする方法として
養殖技術をすんなり導入しやすい好機でもあります。

採集タランチュラを養殖に変更すると
どの程度価格が変化し、
雇用が生まれるか算定したいものです。

特に彼らは成長が遅く、生体まで二年もかかるのでかなり高価になるかもしれません。
それを受容できる、そして密猟を許さない社会全体の法律の制定と成熟も同時に望まれます。

ちなみに
この写真は私が飼育しているタランチュラです。ブリーダーの方からベビーを頂き、
実験で余ったバッタを与えて1年半、元気に過ごしています。食べても美味しいですが
その味見については次の機会に。
このような多様な肉食食用動物の飼料としても、
バッタの養殖はもっと高度化する必要がありそうです。

「生死のフチ子さん」という題名です 笑

話が一旦逸れます。
ここで使った「コップのフチ子さん」は、奇譚クラブが漫画家、タナカカツキさんと
企画したガチャポンで、コップの縁にちょこんと、
個性的なポーズでつかまる ゆるめのOLの姿をしたフィギュアです。
日常に「フチ子さん」がいる光景をSNSで公開し、楽しむことで爆発的人気となりました。
まだマイナーかもしれませんが、
「ネイチャーテクニカラー」のシリーズで見られる
造形や彩色であったり「フチ子さん」のような企画力、「バカ度」は
海洋堂を超えてきています。
要注目です。

モノづくりを競う場ではエネルギーのある「若手バカ」が
評価される健全な競争が望まれますね。

さて、味見でした。

ジョロウグモ Nephila clavata



以前から何度か食べていたのですが、
ブログで紹介するのは初めてです。

味見
香りが良い。腹部を噛むとプチッとした食感の後に
枝豆に似た香ばしくはなやかな香りと
しっかり旨みの効いた味が口の中に広がっていく。

クモ類で抜群に美味しく、かつ採集しやすいのが
ジョロウグモといえるでしょう。
これから秋が深まるにつれ、産卵を控えた♀たちの身がしっかり詰まってきます。

ジョロウグモを使った「自家製納豆(納虫?)」もおすすめです。
作り方は
昆虫料理研究会 内山さん著
「楽しい昆虫料理」をご参照下さい。




秋のジョロウグモ。
採集も簡単で、初心者にもオススメの味です。











近頃味見以外の記事を書いていたので
けっこう味見したい昆虫が溜まってきました。

今回は蛹三種。いずれも土中で蛹化するタイプなので
繭を作りません。

モモスズメ Marumba gaschkewitschii echephron
緑色の幼虫状態で捕獲 ナイフヘッドのようなとんがった頭が可愛いです。


その後蛹化

ちょっと脱皮不全のようになっていますが
元気に尻を振っていました。

タカサゴツマキシャチホコ Phalera takasagoensis Matsumura


「おさげをした水玉ワンピの女の子」と表現したらちょっとは
この感じが薄れるでしょうか… 食べるのを躊躇しているうちに蛹になってしまいました。
女の子(?)はタイミングが大事ですね☆

幼虫も成虫も樹の枝に擬態しているようですね。一貫していて素敵です。
幼虫は生木の枝に寄り添うように擬態し、
成虫は短い枯れ木の枝をイメージしているようですね。
すごいです。
蛹はこんな感じ。固いです。



アヤモクメキリガ Xylena fumosa
5月に幼虫を食べて美味しかったので、
蛹も食べたいと保存していました。

なかなか前蛹?のような状態から変わらず、
なんと4ヶ月もたってから9月26日に蛹化。まったくわけがわかりません。


脱皮不全だとするとなぜいまになって成功したのか
休眠だとするとなぜ前蛹で休眠を開始したのか。
虫は想像を軽々と超えてくるので興奮を抑えきれませんね。

虫を見ていると謙虚になれます。

さて
味見
モモスズメ
おいしい。ほとんど特徴のない穏やかな味。あまく、そしてうまい。珍味でなく日常の食品になりそうな感じ。香りも殆ど無い。外皮は堅めなので中だけ出して食べたい所。ぷりぷりしておいしい。

タカサゴツマキシャチホコ
外皮がカリカリしており珍しい食感。内部は水っぽい。クヌギの香りがするがナナフシモドキのような苦味はなく、食べやすい。内部に弾力がないのが残念な所。

アヤモクメキリガ
爽やかな穀物の香りが豊かで幼虫同様とても美味しい。やはり今期ヒットだっただけがあり、幼虫も蛹も美味しいことが判明。待てば海路の日和あり。

同じような色・形の蛹になっても味は正直です。
三者三様の味わい。ごちそうさまでした。


昆虫食を発信していると、
様々なレスポンスがあります。

日本人はその6割がむしぎらいと言われますし
虫好きな方でもほとんどは虫を食べませんので

大部分がネガティブなレスポンスです。

それにきちんと答えていくことが大事だと思うので
このようにオープンな場で発信しています。

このネガティブレスポンスをまとめて、
うまくユーモアに包めないかと思い
こう考えました。やっぱり辛辣な言葉は
いつでも気持ちよく聞けるわけではないですね。
「妹→兄」という立場固定語を使うことで
「見る側は部外者だから」という安心感をもって見ることが出来ます。

そうして生まれたのが
「昆虫食の兄を持つ妹bot」です。最近まで私のツイッターと同居していたのですが
この度分離独立させました。 かわいい子には旅をさせよ。ですね

顔についてはいろいろ悩みました
可愛くても愛嬌があってはイメージにあわないですし。
可愛くなくてもなんだか夢がありません。
パクリは論外です。


探した結果 一番好みの 最もイメージに近かった
著作権上問題のない幕末の美人、斎藤きちさん(写真当時19歳)を使わせていただきました。

中身についてはほどんど私の被害妄想ですが
一部ノンフィクションが含まれています。

昆虫食への嫌悪感をガマンしながら当ブログを御覧頂いている皆様、
日頃の溜飲を下げる目的でお楽しみいただければ幸いです。



Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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