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昨年10月に、面白い論文が出ました。

ミールワームが共生細菌と一緒にスタイロフォーム(発泡ポリスチレン)を分子レベルまで分解する

というものです。

とても良い写真とともに。

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.5b02661

確かにスタイロフォーム食ってる。
スタイロフォームとはいわゆる発泡スチロール。建築材で大量流通しているのでとても安く、
造形の世界でも大型の造形物の芯に使われたり、とっても便利な素材です。

二報にわたって示されたことには、ざっくり言うと

1,ミールワームはスタイロフォームを食って分子レベル(脱ポリマー化と二酸化炭素への分解)の分解をしている。コムギのフスマを食べさせたものとスタイロフォームを30日食べさせたものは、生存率に有意な差はなかった。食べたスタイロフォームのうち16日で半分程度がCO2へ。

放射性同位体の炭素C13を使った追跡によって確認
2,スタイロフォームポリマー(ポリスチレン)は消化管の共生細菌によって分子レベルにまで分解されているようだ

ディスカッション
プラスチック廃棄物の処理方法の1つの手段になるかもしれない。

とのこと
これはすごい。

やはり再現性が気になったのと、
30日間のその後の長期的なミールワームの健康が気になったので、
やってみました。

昨年10月から仕込んで、2パックほどの市販ミールワームを。
11月25日の写真がこちら。
 
食ってますね。底に水色の粉が溜まっているので
少なくとも粉末レベルで破砕しています。
そして4月

遅いですが食いっぷりは進んでいます。

味は。。。


あまり普通のものと代わりはない。プラスチック製品のような溶剤の香りもない。
もちろん無臭の成分でも体によくないものがあるのでおすすめはしません

追記です。
論文に記載されている分解については
ポリマー化しているα炭素とβ炭素についてラベリングしていますが
ベンゼンについてはまったくノータッチです。
C02として無機化しているということは、
好意的に見ればベンゼン環も分解されたと見えますが、

ベンゼン環はかなり安定した化合物で、分解菌も通常ほとんど分布していないこと、
変異原性があることから、分解の可能性は低いでしょう。
なので、せっかく安定していたポリスチレンからベンゼンを放出する「余計なことしい」
の可能性もあります。


続報を待ちましょう。というかベンゼンに標識した結果ってなんでないんだろう。。

なので試食はおすすめしません。今の段階では。



香ばしさが幼虫より強く、甲虫でも食感はとてもよい。揚げなくてもサクサクしている。



今のところ成虫までにはなったのですが、次世代が生まれていません。
完全栄養食とはなっていないのでしょうか。
引き続き観察します。

さて、
スタイロフォームの材料であるポリスチレンなどの
プラスチックはヒトの活動が近年生み出したもので、
自然界には本来分布していません。

こんな分子構造をしています。


紫外線でポリマーの分子結合が分解されながら
機械的な破砕とともに細かくなっていきます。

いったん表土などで被覆されたり
水に沈んだりすると
分解は相当に遅くなります。

機械的な破砕によって細かくなったプラスチック破片「マイクロビーズ」は
野生生物への悪影響があるのではないか、と懸念されています。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3725/3.html

今のところ野外での重大な影響は報告されていませんが、
実験室内での影響はあったとのことです。

そんな中で、
ペットの生き餌として使われる身近な生物、ミールワームと
プラスチックとのマッチングは
我々のプラスチック処理のシステムを大きく変えることになるかもしれません。

梱包材や衣服など、身の回りにあふれるプラスチック製品を
昆虫で転換して食べてしまう、という未来です。

はたしてこのマッチングは
「奇跡的」なものでしょうか。

そして
廃棄物処理の救世主になるのでしょうか
いまのところ結論を保留して
昆虫学のレベルからもうちょっと冷静に考えてみましょう。

中編に続きます。

PR
by ケミストリー



思いは思いのままで。と歌ったのはケミストリーですが

食材のにおいはにおいのままで楽しもう、というのが今回の趣旨です。

単に消そうとするだけでは

その臭みのない他の食材の下位互換でしかなくなってしまいます。

消すのではなくちょうどいい具合に弱めて他の食材と合わせる。

フードマッチングとかフードペアリングというイメージがいいですね。

何と合わせるか、もちろんわが家の大黒柱、ゴキブリです。



以前から、生ごみ処理機として

マダガスカルゴキブリを1kgほど飼育しています。

飼育容器の開発も第6世代に突入し

強制的な換気装置と、フン自動分離機構を備えたので

半年に一度ぐらいの大掃除をする以外はノーメンテ。



彼らの天敵はカビとハエです。

どちらも抗菌剤を出して高湿度に対応する生物です。

どちらもゴキブリの健康を著しく阻害するらしく、

死体にカビもしくはハエが増え、更にゴキブリが死ぬという

負の虐殺スパイラルになってしまいます。地獄絵図です。

ゴキブリの養殖経験の長い爬虫類愛好家の方は

生ごみなどの湿度リスクを考えて

乾燥した配合飼料と水のみを与えているそうです。


ともあれ、

マダゴキによらず

彼らのヒト住居への適応能力は高いものがあります。

よく誤解されがちなのが「ゴキブリは最強の生物」みたいなのです。

テラフォーマーズも影響しているかもしれませんが。

これは全くの誤解です。

「ヒトの好みのままに創りだした環境がたまたまゴキブリにも適していた」

のです。

決して他の昆虫よりとりたてて優れているわけではありません。



ではなぜ、

ゴキブリはヒトの住居に適応できたのでしょうか。

まずは
近年のヒト住居について、もう少し考えてみましょう。

まず野外の昆虫が入ってきません。

ゴキブリは特別な防御機構をもたないことから

野外では格好のエサとして消費されています。

オオゲジやアシダカグモなどの翅をもたない徘徊性の節足動物のエサです。

ですが今の密閉性の高い住居では人の出入りが唯一の侵入のチャンスですが

警戒心の強い大型の捕食者は、なかなか入ってきてくれません。

ヒトは無意識ですが、彼らにとって我々は決して勝てない捕食者なのです。



次に、優れた空調です。

ヒトに限らず、従属栄養生物はガス交換をしないと窒息してしまいます。

ですが、ふつう、ガス交換は同時に熱の移動も伴います。

なので、本来であればガス交換と、保温、保冷は
相反するものなのです。

風通しが良くて夏暑い、冬寒い家
風通しが悪くて夏涼しく、冬温かい家

というトレードオフではなく

夏涼しく、冬暖かく、かつ風通しが良い
という空間を少ない電力エネルギーで実現しています。

空調、つまり熱交換器の実用化によって、
ヒトの住居は圧倒的に住みやすくなりました。

そして断熱のよい構造体。鉄筋コンクリートですね。

ゴキブリは住居がビル化する前は、
家を通過するごくありふれた昆虫たちの一種でした。

ところが、気密性が高く、乾燥したビルに、
有機物を大量に置く、という

選択的ゴキブリ誘引トラップが設置されたことで

我々はゴキブリを誘引され、屋内で養殖して
そしてそれに人々が驚く、という

不幸なマッチポンプを生み出してしまったのです。


さて、
ゴキブリといえども、マダゴキはマダガスカル出身ですので、
日本人とマダガスカル人どころではなく、キツネザルぐらい遠縁のものを

ゴキブリという和名でくくって嫌がってしまうのも、なんだかかわいそうなものです。

なんとか印象を挽回する方法はないものか。
やはり、

彼らをおいしく食べる事を考えましょう。

今回使うのは、美しい脱皮直後のメス成虫です。

白い。美しい。


昆虫は、陸上での外皮の硬化に色の出る化学反応を使っているので、
残念ながら茶色っぽく、黒っぽくなってしまいます。

しかし脱皮直後は別です。色素の少ない、透明感のある美しい姿は
食感もよく、食べごたえもあり、最高の時期だと思うのです。

しかし、
ゴキブリにはゴキブリらしい臭さがあります。

ケミカルというか、ムレ臭というか、ゴキブリ臭とも呼べますが。

集合フェロモンだそうで、ゴキブリのフンからも同様のニオイがします。

以前にチョコを食べさせた時、そのニオイが低減したことから、
何らかの食事制限によって多少変動はさせられそうです。

今回目指すのは
「ゴキブリ臭い、けれどもゴキブリクサおいしい」という未来の料理です。

そして、以前の粉末バッタが粉末としての利点を活かしたことをふまえて
体のままであることを活かした料理とします。

「注入」です。

羊の腸の皮に他の畜肉を詰め込むという黒魔術のような料理、

ソーセージと言われるものは今では世界中に普及しています。

単なるひき肉つくねでは得られない、パシッとした食感が

その悪印象を払拭してくれる「おいしさ」なのでしょう。

そして、脱皮直後のゴキブリは柔らかく、中身が結構スカスカです。

脱皮時にしか外皮の表面積は増えませんので、

外骨格生物は脱皮すると先に外の大きさを決めてしまい、

後から中が充実してきます。

そのため、最も身が張っているのは脱皮直前なのです。


余談ですが、外皮が比較的柔らかいセミ幼虫は

肉がしっかり詰まっていて圧力の高い脱皮直前のものが一番おいしく、

脱皮直後のものは美しいですが、

濡らしたティッシュのようにやや味気なくなってしまいます。


話を戻します。

今回注入する液体は
「既存の料理に使う調味料」の組み合わせで作ります。

ムレ臭のような香りはニンニク、
フルーツのような華やかな香りはワインビネガー

注入する都合からニンニクのワインビネガー漬けを作りまして

苦味要因としてチーズ(材料にセルロースを含まないもの。含んでいると注射器が詰まります)

そして結着剤として卵を入れ、「ゴキブリ臭く」仕上げます。

ダイソーで売っている化粧品小分け用の注射器を使い

脱皮直後の余裕のある外皮に対して、尻から体側面にたっぷり注入します。


深海のヨコエビのような感じになりました。

これをバターと胡椒で低温じっくりと焼き上げ




トマトとアイスプラントで仕上げ。

 

おいしい。。確かにゴキブリ臭いけどだがそれがよい

プリっとふくらんだ腹部はパンと張り
チーズとニンニクの旨味がじわっと。
フレッシュトマトのジューシー感とアイスプラントのさくっとした食感と酸味。

いずれもすばらしい!おいしい!

マダゴキの新たな可能性を感じました。

同時に「言語化=情報化」と「見立て=抽象化」のパワフルさも。

ゴキブリの味の特徴を言語化し、他の食材で見立て、

相性をマッチングして作っていく、創作料理のエキサイティングな過程を体験できました。

プラモデルで言うところのキット改造からフルスクラッチへ。

昆虫料理を既存の料理のアレンジではなく、フルで創作する段階に来たのかもしれません。
さて、

私は今日まで419パターン272種の昆虫、
及び陸上節足動物を味見して、記録してきました。

これは
食べた数を競って他の昆虫食愛好家へマウンティングをするためではなく

(同定すらできないのに幼少期より生で数千種を食べたと豪語する、
発言する度にその期間や数がなぜか過去に遡って増えていく方もいて
昆虫食界隈はなんともアレです。)

私の味見は
昆虫を食べたことのない人が、食のバイアスにとらわれず
自分とマッチする昆虫を見つけるまでの適したモノサシを開発すること
が目的です。

また、
昆虫食をやって味見をしているというと
ランキングをよく聞きたい、と言われるので、
きちんと数値化したいという願望もありました。





官能評価については、私が専門でないので、こちらの記事を参考にしました。(pdf)
官能検査 4 官能評価に用いられる統計手法

(官能といいますが官能小説との関連性はたぶんありません。)


味見、つまり官能評価は2つの方向性を持ちます。

A,ヒトをモノサシとして昆虫の味がどうなっているのか調べる

B,昆虫をモノサシとしてヒトの味覚がどうなっているのか調べる

今やっていることはあくまでプレ調査なのでまだまだ統計解析というか「集計」レベルです。
ABどちらの方向から考察するにも十分とはいえませんので、
まだまだ「皮算用」レベルです。

しかし、
予備実験としてみても、いろいろな改良点や将来性が見えてきました。




まずはAの方向から

私の味覚が正しいと仮定して、昆虫の味がどうなっているか見てみましょう。
ランキングなので、100点満点にしたいものです。

スコアリングは

4段階の基礎ポイントを割り振りました

1 わるい 3点
2 どちらかといえばわるい 8点
3 どちらかといえばよい 13点
4 とてもよい 18点

続いて、
加点減点ポイントがあればプラスマイナス2を適宜追加して、
各項目20点満点で評価します。

項目の選択も苦労しました。

やはり「みため」の影響は大きそうなので、一項目入れています。

また、昆虫生態学が将来の昆虫の食利用のベースになるでしょうから
生態を踏まえた将来の利用可能性「のびしろ」も一項目入れました。

昆虫を食べた評価を表す指標としてかおり、のどごし、あじわいの3つを使いました。

先味、後味や、5基本味の詳しい比較については、
私のたった一人の解像度では心もとないので先に紹介した味覚センサーに任せることにします。

それらを重み付けをせずに、そのまま合算する、
というとても荒々しい方法ですが、419パターンについて全て、スコアを出してみました。

例えば、
ホオズキカメムシのスコアを見てみましょう

みため  3 -1 12点
かおり  4 +1 19点
のどごし 3 +2 15点
あじわい 3 +2 15点
のびしろ 4 +2 20点


見た目は普通のカメムシですが黒っぽく、ゴツゴツしているので減点1
香りはヘリカメムシ科特有の青りんごの香りで加点1
のどごしは口吻タイプの昆虫らしく華奢で口に残らずなめらか、しかし特長も少ない 3加点2
そして味わいは穏やかなカメムシらしい柔らかい味に、食草であるピーマンの刺激がピリッとあって加点2

将来性は既存のピーマンなどで養殖できる点、食草由来のピリ辛と、
昆虫特有のいい香りの組み合わせが楽しく、他の昆虫にない特長なので、満点の評価とします。




次にランキングの根拠となる
トータルスコアを概観してみましょう。

手に入りやすい昆虫は何度も、いくつものステージを食べているので
種ごとで平均値をとって集計しました。

平均値が66
区間が23から95

ハイスコアの方向にやや歪んだ山型の分布をしています。
まあまあ悪くないバラ付きかと。

昆虫を全くのランダムに、そして私が全く正確に
昆虫の味を記載すると正規分布のような左右対称の山型のスコアになりそうなものですが
この歪みはなぜでしょうか。

各項目(みため、かおり、のどごし、あじわい、のびしろ)の相関分析をしてみたところ
のびしろとみため、においてのみ、有意な相関が見られなかったものの

他の項目で相互に有意な正の相関がみられました。

スコアを出すにあたって合算する項目同士は本来、それぞれが独立であることが望ましいのですが、
影響しあっているようです。


改良して、より正しくなる
スコアリングの方法を考える必要が有ると思われます。
考えてみましょう。




先のAの方向から見ると、
つまり私の味覚は各項目を独立に評価していて正しいと仮定すると

「昆虫はあじわいのいいものほど香り、のどごし、将来性がある」
という相関がある、ということが出来そうです。

逆にBの方向からみてみましょう、
「昆虫の本来の味スコアはそれぞれ独立だが、私の評価が相互にプラスの影響を受けてしまっている」

ホオズキカメムシでも、将来性の見積もりに味や香を要因にしていますから、
この影響はあるでしょう。


そのため、
Bの可能性、予断による私の味バイアスを排除したいところです。
多くの人に、中身や見た目を隠した状態で食べてもらう
ブラインドテストがあるとよりよいのでしょう。

しかし
「何かわからない食べてもらう」というのは
なかなかハイレベルな協力者が必要です。

「あの、すみません。目隠しして茹でた昆虫の一種をたべてもらいたいのですが」

とはなかなかお願いできないものです。

ブラインドテストと同様の結果をシミュレートする、という意味で、
味わいについては以前に紹介した味覚センサーも
予断のない昆虫の味スクリーニングを強力にサポートしてくれる
ことでしょう。

のどごし、香りまで含めて質の良いブラインドテストをするためには
「中身がわからない昆虫を食べて評価してくれるヒト」が多く必要であることがわかります。



私が研究や理論をベースにはしていますが、
昆虫愛好家の広がりを大事にするのもこのためです。

質の良い官能評価をしてくれる市民昆虫食愛好家に
研究者は情報や美味しさの尺度を提供し、奉仕することで、
彼らの協力をいただきたいのです。

また、
「昆虫食は健康によい」と、声高にアピールすることもしたいのですが
今は健康に関する統計的調査のレベルが向上したことと
健康をうたう変な商品が蔓延して消費者被害を出し続けていることから
そこらへんのハードルは高くなっています。

今年の4月から
景品表示法違反による課徴金が追加されることから、事業者側のリスクを高くするほうが望ましい、という
社会の流れがあります

健康効果について
参考になるのがコーヒーです。



カフェインなどの毒成分を含みながら、大規模な疫学的調査により
「メカニズムはわからないが、コーヒーを適度に飲む人は総合的に健康な傾向がある」
(コーヒーがヒトを健康にする、とまでは言えないのですが、コーヒーを飲むことで死亡リスクなどの重篤な健康を害するメカニズムは今のところなさそう、あっても小さいだろう、とまではいえます。)

との報告がありました。
単一の嗜好品で、文化や経済状況にあまり関係なく広く飲用されており
悪影響もふくめてその効果がここまで明らかにされたのは
コーヒーが最先端ではないでしょうか。

昆虫食に関しても、健康に関する大規模な疫学的調査をするためにも
「昆虫食が健康にいいかどうか関係なく昆虫を食べるヒト」が
恐らく世界に、バラバラに10万人ほどいれば、総合的な昆虫食の評価ができるでしょう。

それまで
「自発的に昆虫を食べるヒト」をマイノリティといえるレベルまで増やすことが
第一のフェーズです。

そして、
第二に、「食べているヒトがいるから食べるヒト」という
自発性の低い集団に安全な昆虫食材を提供できれば、昆虫食ブームが起こった後、定着へと向かうでしょう。

その時に、
第一のフェーズで食べ始めた、ファーストペンギンな愛好家は、
愛好家同士の狭いマウンティング合戦ではなく、
ライト層の定着に向けての活動を始めてもらいたいと思っています。

そのフェーズの切り替えにあたって第一フェーズの愛好家同士で
「昆虫食は今どのフェーズにあるのか」という議論ができれば、完璧です。

自発的な集団が、周囲の集団に利益をもたらしていることを
社会集団全体から信頼されるようになると、

ゆくゆくは社会の壁を突破し
「昆虫を食べるヒトがいるのも当たり前の社会」になるでしょう。




さて

ランキングをよく聞かれる、と最初に言いながら、
話が蛇行してしまいました。

せっかくスコアリングしたのですから

皆様お待ちかねのランキング

…といいたいところですが

ブログとはまた別のメディアで、ランキングについては
読んでいただこうかと考えています。

もう少しで皆様にお知らせできるかと思いますが

お待ち下さい
すりつぶせば食える
昆虫料理の写真を見せた時に多くいただく反応です。

もちろん今まで、すりつぶした昆虫料理も作ってみました。
バッタのハンバーグ

バッタのパンケーキ

エリサンのアイス

が、どうにもしっくりきませんでした。
すりつぶすことの利点が、いまひとつ見えてこなかったのです。

まず形が失われてしまいます。

そもそも
昆虫は美しい色彩をもち、洗練された形もあり、見映えがいいと思います。

そして
食感もサクサクとして、一口大で食べやすく、噛み砕くことで湧き上がる風味もたまりません。

それらの特長を失ってまで得られるものが見当たらず、
昆虫料理を楽しむにあたっては、すりつぶすことへの抵抗感がありました。

なぜ過去形かというと、昆虫を粉末にした時の味わいの可能性を
ようやく見つけることができたからです。


粉末にすること、つまり粉体化は、素材を均一化し
素材の体積あたりの表面積を著しく向上させます。

粉体化した素材は、分子状、とまではいいすぎですが、
分子そのものに対して均一な、化学的編集を可能にするのです。

参考文献はこれ

現代フランス料理科学辞典


フランスで興った「分子ガストロノミー」について
物理化学的に解説した事典です。
料理のすべてがサイエンスで説明され、
今まで慣例的に行われてこなかった新たな料理法が示され
その効果が科学的に説明されています。素晴らしい本です。



フランス料理は日本料理とよく対比されます。

日本料理は素材そのものの味わいを注意深く吟味し、
その流通や品質管理すら料理人の仕事になっています。
素材の名前は客の口に入る最後まで消えること無く、
素材と素材のマッチング、そしてそれに応じた調味料をあわせていきます。素材主義的に感じます。
そのため、食品偽装にも敏感です。
羊頭狗肉は、たとえその狗肉がヒツジよりおいしく仕上がっていたとしても、
素材主義的にはアウトなのです。

一方で
フランス料理はそれらの素材としてのストーリーを排除し「オープンプラットフォーム化」していくように見えます。どこでとれたか、何と何が合わさっているかはあまり重要ではなくて、最終的に今までにない、好ましい味わいを達成した時に、その味わいに必要不可欠な素材を評価していきます。
日本料理に対して成果主義的です。

どちらのアプローチにも一長一短がありますし、
どちらの国の料理法にも素材主義的な部分と成果主義的な部分が混在しているので、一概にはいえませんが

昆虫を粉体化することはすなわち、素材感をなくし、成果主義に寄せることですから
より昆虫の「料理」としてのハードルが上がることがわかりました。

つまり料理の視点から見ると、
「昆虫を加えなくてはならない美味しさを発見しないかぎり、昆虫を料理に加える価値はない」のです。
昆虫食の粉体化は成果主義への挑戦といえるでしょう。


これはちょっと怖い挑戦でもあります。

今まで昆虫食の1つの大きなウリは「代替可能であること」だったのですから。
栄養的にも、栽培養殖的にも、既存の家畜を「代替」する存在なので
昆虫独自の味わいが積極的に評価されることはありませんでした。

普及が実現すれば、
昆虫食はその代替可能性の高さによって、様々な料理の素材を代替できるでしょう。

ところが、現在マイノリティで高価な食材である昆虫の、これからの普及にあたっては、
「代替不可能性」つまり代えがたい付加価値をプッシュしなければならないのです。

このことから、
昆虫食の普及には、時に相反する2つのフェーズを見越したデザインが必要だということがわかります。


1つはこれから普及していくデザイン。

他にはない特長があり、代替不可能で、美しく、あたらしい。
未来を感じ、一時的には持続可能性を高める目的で、痛みを伴うかもしれません。

そしてもう一つは普及した後のデザイン。

ありふれていて、意識せず、空気のように、日常に溶け込んでいく。
そして環境に負荷をかけず、人々が自ら選んで楽しむ昆虫料理です。

相反するように見えますが、この2つのデザインコンセプトを同時に達成した

「未来の昆虫料理」
こそが、これから開発し、提供すべきものになると思っています。

なぜならどちらか一方を達成したたけでは、
2つのフェーズのスムーズな移行を妨げてしまうからです。

つまり、
昆虫食はこれから、非日常食(フェーズ1)を経由して、日常食(フェーズ2)になるのです。

この2フェーズをゆるやかにつなぐデザインが、
昆虫食再導入のシナリオ作りの根幹となっていくと考えています。


さて、昆虫食の粉体化は、
日常食に混和されて含まれていく、という意味でフェーズ2的でもあります。

粉体化したままフェーズ1を突破するには、
昆虫の姿形という強い特徴を失ったまま、その代えがたい美味しさを引き出さなくてはならないのです。

また、昆虫に本来含まれる食感や姿の美しさを失っていますので、
粉体化したものがより劣った味になってはそれこそ粉末転倒です。(ダジャレです)
充分に既存の素材と比較して「おいしくなる」ことこそが、粉体化昆虫料理のミッションといえるでしょう。

キーワードは「異素材との組み合わせと化学反応」です。

使った素材はこちら

TAKEOさんが輸入販売しているタイ産養殖トノサマバッタです。
http://takeo.tokyo/?mode=cate&cbid=2031803&csid=0

どこまでの粗放的な養殖か、集中的な養殖かわかりませんが、
すでにタイでは私が目指す、バッタ養殖への道が開けているのです。

うらやましい。

まだ取材をしていないので、どのような養殖場かわかりませんが、
日本で買えるものでは一番安いバッタ素材といえるでしょう。

ただ、若干の素材に不満点がありまして、
粉末の粒度が荒く、口当たりが若干悪いことです。
これは回転式の粉砕機によって行われるためと思われます。
効率のためにはしかたのないことでしょう。

また、
恐らくフン抜きと茹での工程を行っていないためだと思われますが、
加熱すると苦味が強く出てきます。

理想としては、脱皮直後の2日以内の成虫を
一回茹でてから、フリーズドライして石臼式のミルで微粉化すると、
最も美味しい粉末となるでしょう。

ただ、一旦粉末化したものはそこからエグみや苦味の原因だけを取り除くことが
もはやほぼ不可能になってしまうことが難点です。
なぜなら苦味物質は「ヒトがそう感じる」から苦味であるだけの
ごくありふれた物質であることが多く、

例えば必要不可欠な成分であるアミノ酸が結合したジペプチドの一部の組み合わせは
強い苦味があることが報告されています。

以前に生のパイナップル(タンパク質分解酵素を含む)をグラノーラと牛乳と一緒にし
電子レンジで加熱したことがあったのですが、
強い苦味が出てしまい、固形化して全く食べられませんでした。

味のコントロールには、そのマッチングだけでなく過程、
プロセスも大事であることがわかります。

この程度で負けるわけにはいきません。
機械的な食感の悪さには微粉裝置の導入。つまり乳鉢です。



石臼式の茶葉粉砕機、


これも買ったのですが、

石臼式で微粉化できる反面、
バッタに含まれる繊維質(恐らく腱か筋肉)が詰まってしまい
頻繁に掃除が必要で、どうにも効率化できませんでした。


話はそれますが
カブトムシの蛹を乾燥させたものをコレに入れると大変なことになります。
脂が多いのでくっつき、すぐに詰まってしまい全く機能しません。

カブトムシの素材開発については、また別でまとめます。
カブトムシは不味いのか、それとも我々が美味しい料理法の開発に成功していないだけなのか
新しいアプローチを試みています。


話を戻します。

さて、
昆虫料理開発と実証にあたって、

第二回 Palermo昆虫料理試食会を実施しました。
 

3つの料理を参加者と一緒に作ります。



参加者の方にも交替してもらいながら
15分ほどすりつぶしてもらい、

最初の簡単料理

「バッタのフレフレチップス」です。
  
堅揚げポテト 塩味に、トレハロースと混ぜあわせたバッタ粉末を小さじ1入れて
振ると、簡単に出来上がり。

次は
「バッタのチーズドレッシングの温野菜」

温野菜はPalermoさんに用意していただきました。

バッタの苦味とチーズの苦味が合うんですね。
当初はバッタの苦味をマスクする目的で混ぜあわせました
コレを作るときにチーズと砂糖、酢を加えて
レンチンしたのですが、ふと気づきました。

バッタでもチーズでもない、別の好ましい芳香が出ている。と

先の参考文献「現代フランス料理科学事典」で
調べたところ「メイラード反応」とのこと。

アミノ酸と糖が加熱により反応し、香ばしい茶色い物質メラノイジンを産するとのこと。

苦味もあるのですが、非常に好ましい、まとまった味に仕上がりました。

なるほど。
これは「粉末化」のはっきりとした恩恵ですね。異素材を混ぜあわせて反応させれば
素材に対して均一に化学的な編集を加えられると。

最後に作るバッタチョコも
試作段階でホワイトチョコにバッタ粉末を入れただけでは苦味が残ってしまい
風味もあまりないので、調理にメイラード反応を含むよう、変更しました。まずバッタの粉末大さじ1をよく微粉化し、トレハロース大さじ2 砂糖大さじ1を加え
溶かし水小さじ1を足して電子レンジでよく沸騰するまで加熱します。

ここで、加熱しすぎると糖単体の褐変現象であるカラメル反応が起き、
固体化してしまうので注意しましょう。
試食会では予め用意したメイラードバッタを使おうとしたのですが
再加熱に失敗してカラメル化してしまい、使い物になりませんでした。ご注意ください。

好ましい香りがしてきたら温かいうちに湯煎で溶かしておいたホワイトチョコと混ぜあわせます。
ホワイトチョコも温めすぎると分離します。

よく混ぜると、白あんのような独特の粒感のある、ブラウンチョコができました。
しっとりとしてカントリーマアムの中身のような食感です。

とっても美味しい!
ほうじ茶チョコにとても近い味わい。でもバッタの風味とほろ苦さが先に来て、
後からチョコの風味で締めくくられて大変後味も良好です。

さて、
試食会ではここまでだったのですが、
試作して残しておいたものをフレーク状にして

今度はパンケーキにチョコチップとして練りこんでみました。
 
するとフライパンの表面で溶けてカラメル反応をおこし

パンケーキの内部ではとろっと、そしてフライパンに接した部分ではカリッとした仕上がりに。

外はカリッと、中はとろっと。何かわかりますね。

そうです。昆虫の食感です。

つまり以上のプロセスにおいて、
昆虫の食感を異素材と組み合わせ
再構成したといえます。

クチクラのような疎水性で弾力のある破片
(概して口に残った時に水分と味がないので違和感を覚えます)
がなくなっており、より風味が増し、苦味が気にならなくなり、

いいことづくめです。

では、この先、昆虫料理の「見た目」を楽しみたいときは
どのような形が考えられるでしょうか。

同様に再構成すればいいのです。

バッタのつもりですが、うまくいかなかった・・・・

パンケーキ職人がネット上にはいますので、よりよいバッタパンケーキは
今後生まれてくるでしょう。

また、
味わいという点で粉末化は大きく貢献しますが、
今後の料理開発の戦略として、

昆虫の姿形を保ったまま、メイラード反応を含むバッタチョコを作るためには

含浸や圧力調理といった
すりつぶさなくても味の加工が行える
非侵襲性のトリッキーな科学的調理方法の躍進も期待されます。

ということで
「すりつぶさないと食べられない味わいをもつ昆虫料理」が今後の突破口になると思われます。

「昆虫の粉末化はその物理的特製、化学的特性を活かし、より新しい昆虫の味わいを高める目的で使うことで普及を促進する」と予言しておきましょう。

姿形を失った状態で、高価な昆虫を売るには限界がある、
姿形を保った状態で、高価な昆虫を売るにも限界がある

と私は思うようになりました。

美味しさこそ食品における「代えがたい美的センス」でしょうから
これを抜きに昆虫食の普及が達成されることはないでしょう。

更に、
昆虫素材の粉体化と分子編集を行った後に

「昆虫の姿を再構成」したものが今後、好まれるかもしれません。
というのも、今回の試食会アンケートでは、

姿形が失われていて残念、との感想もあったからです。

人々が見てわかる昆虫の姿を再構成したものは、
誤食やイタズラ目的の混入を防げるという意味でも
有用です。

昆虫料理芸術、という
食べたくなる昆虫を表現する分野が、美食学の一分野として勃興するかもしれません。

そして、挑戦的に宣言しておきますが

分子ガストロノミーがいまひとつハジケないのも、
既存の食材を使った変化球や物理化学的な後追いでしかないものが多く
「ネタ切れ」になってしまったのかもしれない、と考えています。

そこで
分子ガストロノミーは積極的に生物学へ参入すべきでしょう。

更に、
生態学的な知見に基づく、「環境の状態に即した持続可能な食システム」を提供するのです。

昆虫を含む地球上の新食材を探索し、環境影響から評価し、
味についてフードマッチングを行い
新しい料理の可能性、
伝統的な料理を別の食材で再構成する可能性を提供していくとよいでしょう。

どうしても気候変動に左右される不安定な食料生産を、
安定化させようと、厳密な閉鎖系を作ることは、かえって多くのエネルギーを消費し、
エネルギー依存度の高い食料生産になります。エネルギーを介してすべての生産活動と
競合関係になることになるわけですから、その不安定化へ危惧はかえって食の不安を招きます。

また、
生態系の予想外の変化、例えば外来種の侵入と繁殖は、
時に安定化のために新しい捕食圧を必要とします。

人類こそが情報のみによって食性を変えられる唯一の巨大捕食者ですので、
情報によって食を変えるチャレンジが必要でしょう。

既に「価格」という情報によって、食生活を変更し
今まで食べたことのない食材を口にすることはもはや珍しくないですから、
価格以外の価値判断で食習慣を変えることも、きっとできるでしょう。

しかし、
食習慣を変えるストレスもまた、痛みを伴います。
そこで、分子調理の社会的な出番です。

一つの未来として
「消費者の食習慣にストレスを掛けること無く」
環境にふさわしい食材を組み合わせ、編集して
食の選択肢を「みえないように」増やしていくことで

いつもの食事を
いつものように楽しんでいるだけで適切なカロリーと満足度の高い食事経験と栄養がとれる。

そして中身は知らなくて良い

という、
「食の魔法化」が近い将来達成されるかもしれません。

そこには、
「昆虫料理」と「普通の料理」の境界自体が、見えなくなっているはずです。

一つの極端な理想形として、いかがでしょうか。
先日、三重県松阪市にてフェモラータオオモモブトハムシを採ってきました。
http://mushikurotowa.cooklog.net/Entry/275/

そして先月23日、「フェモラータオオモモブトハムシを食べる会」
もとい
「第一回 Palermo 昆虫料理試食会」を開催しました。

         
今回のテーマは初心者向け、ということで

「昆虫の見た目を、昆虫じゃない食材でどうにかする」
というワークショップ型の設計にしてみました。

また、
関東で実施している昆虫料理研究会の方式と異なるのは
「シェフがいる」ということです。

このPalermoのシェフ、
私の神戸の先生と昨年に知り合いになっていて
レシピや食品としての扱い方がわかれば昆虫食を
提供してみたい、とのことで、

この度、私が間に入ってコーディネイトしました。

とても気持ちの良い方で、世界各国を旅して修行を積んでおり
料理の腕は抜群です。
また、スパイスとフレーバーの使い方が多国籍で抜群なのです。

ということで、
限定コラボ品として

「タガメと生絞りショウガのジンジャーエール」と
「カシャーサソーダ」を開発していただきました。

昆虫食会でよくやっていたのは、ウォッカなどの香りの少ないものと
タガメ香料を合わせていたのですが、
今回は「合うフレーバー」を見つけていただいたおかげで
はじめからその飲み物にタガメが含まれていたような
すごいマッチングとなっていました。





さて

「昆虫は見た目が悪いから食べられない」

よく言われます。

なのですりつぶせば食べられると。


ですが今回はすりつぶすことによるデメリット、
つまり食感の喪失がもったいなかったので

「他の食材を昆虫に似せる作業をする」
ことで見た目の悪さを相対的に減らす取り組みをしてみました。

材料はサラダ用マカロニと
カキノキダケです。

それぞれを時間差で茹でて
マカロニの穴にカキノキダケを通します

そしてカシューナッツを加えて

できたサラダがこちら。

もう
フェモラータオオモモブトハムシ幼虫がどこにいるか
見分けがつきませんね。

そうなんです。
「高度に発達した料理は昆虫と見分けがつかない」
のです

我々は常日頃から、昆虫と見分けがつかないものを食べています。

そして、昆虫の味は基本的に穏やかなため、
そのキャラクターは普通の食品の組み合わせで
ほとんど説明できます。

フェモラータオオモモブトハムシは

塩なしピスタチオのペーストをイクラの皮につめたもの、
で説明できます。

なので皮を壊さずに塩分を追加することが調理のコツだとわかりました。


あとはナシゴレンにイナゴ醤油の搾りかすを乾燥させてふりかけたものと

ドライフルーツトマトとチーズケーキスイーツに、イナゴソースのジュレをかけたもの
エリサンのミノムシ揚げ
そしてタイ産のカイコとコオロギのスナック



おいしくいただきました。
参加者の反応も好評をいただきまして
少しでも調理に参加して「食材に慣れる」という時間を設けると
満足度が高くなる気がします。



今後は量を多くしてモリモリたべるニーズとか
逆に姿をなくした粉やペーストとして食べるとか

なんらかの方向性や意味をもったチャレンジとして、
試食会を開催していきたいと思っています。

ということで次回告知!

急ですが今週末です。

タイ産の養殖トノサマバッタパウダーを手に入れまして

食材として試作と味見を繰り返し、
試行錯誤した結果をみなさんと共有したいと思います。

「特集 むしのこな」

前回と同じで摂津本山駅近くのレストラン Palermo

時間は15時から17時です。

参加希望の方は
こちらのフォームにご記入ください。
http://goo.gl/forms/6ijcno1Gx7

お待ちしております。
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
このブログは以下に移動しました。http://mushi-sommelier.net

2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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