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次は田作り。

五万米(ごまめ)とも呼ばれ、


名の由来は
イワシを肥料として使うと五万俵の米がとれたとの逸話から
だそうですが、

「豊作を願う」であれば、
「肥料食べちゃだめでしょ。」ですね。

やはり「豊作を願って食べるもの」といえばイナゴでしょう。
日本のイナゴ食文化は稲作を背景としています。

水を張った水田により周囲の環境が湿潤に保たれると
バッタ類の中でもイナゴが優占します。
(河川敷のように乾燥するとトノサマバッタやクルマバッタが増えます)
そして晩秋も元気に活動し、またジャンプはしても飛翔はしない特徴から、
稲刈り後の田んぼでは
「イナゴだけ」が沢山採集できるのです。

デンプン源として米は優秀な食品ですが、
どうしてもタンパク質の含有量も低く、アミノ酸の一種、リジンが不足しがちです。
それを補う目的でも
イナゴは優秀な補助食品です。


ということで
「田作りはバッタで作るのが筋でしょう!」

今回は山形産イナゴを使った既成品を使いました。
成田山で市販されていたものです。


ただ、
現在は稲に農薬を散布するので
イナゴはかつての無農薬栽培のように大量に発生しません。
養殖するにしても、年一回しか発生せず、成長も遅いので
不向きです。

また、大きさが小さいので、
写真の田作りのように「ワカサギぐらいの大きさ」の
甘露煮も欲しいところです。

では、どうすればいいか

今回も「トノサマバッタ」の登場です。


トノサマバッタの南方系統は
温度を操作することで
休眠・非休眠をコントロールできるので
好きな時期に育てることができます。

また、
イナゴに比べて大きさも大きく、
成長も早いので、食用にはより適しているといえるでしょう。

更に、立派な翅があるので
野外で採集するのは一苦労です。

2012年では、
河川敷で2時間網を振り回して
採集で来たのは38匹でした。

なので、
養殖のメリットは
採集の容易なコバネイナゴよりも大きいと思われます。

では参りましょう。
レシピは福島の某おばあちゃんからの受け売りです。
1,一晩フン抜きをして下茹でし、水洗いする
このとき黄色い汁がでるのでゆでこぼすことで味がまろやかになります。



トノサマバッタの体表の茶色部分に含まれるアスタキサンチンは
このとき遊離して鮮やかな赤になります。大変おいしそうです。

2,天日で干す


魚介類の一夜干しと同様に、一旦乾かすと食感がよくなり、
味もしっかりしてきます。
そして、空気に晒すと、鮮やかな赤はくすんだ茶色になってしまいます。


3,炒る
フライパンに入れ、半乾きのバッタを焦げないようにしっかり炒ります


4,煮る
カリッと仕上げるには加熱によってカラメル化する砂糖、
内部をしっとり仕上げるには果糖ぶどう糖液糖、つまりサイダーを入れます。
(これも受け売りです)
今回は昆虫の血糖であるトレハロースを多めに使い、甘さを控えめにしています
(トレハロースの甘みは砂糖の半分です)

醤油を入れて焦げないように煮詰めます。


完成!



今回は、トノサマバッタの翅を入れると食感が悪くなると思ったので
翅を取ったものを別で用意しました。

味見
翅つき のほうが美味しい! 甘露煮のようなタレが翅としっかり絡み
味のしみたサキイカのような食べごたえ。意外だった。

ということで

トノサマバッタの佃煮、もとい甘露煮
おせちにいかがでしょうか。



次は黒豆です。



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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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