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とてもいい漫画に出会いました。
「ダンジョン飯」

ベタなRPGのフォーマットを使いながら、
そこに生じる生態系についても真摯に論じて、その持続可能性まで
長期的に見据えて実践していく、すばらしいダンジョン生活が語られます。



現在二巻まで発売されています。



二巻はよりディープな
昆虫食の世界が繰り広げられます。当ブログをご覧の皆様必見です。

まめだぬき先生の著書「きらめく昆虫」が食材写真集に見えてきます。


書籍版も印刷が精細で美しいのですが、電子書籍のバックライトのある画面で見ると
いっそう「きらめいて」見えました。おいしそうです。

以前にTwitterでまとめていただいた、ダンジョン飯の再現レシピについて、
ブログにまとめ忘れていたので、まとめておきます。


きっかけは昆虫食仲間の
ムシモアゼルギリコさんの出産準備でした。
赤子の管理に専念するため、他の食用昆虫が私に託されることになったのです。
昆虫はモバイルなため、宅急便で運搬可能であることが大変に便利です。

犬猫ではこうはいきません。
また、あらいぐまラスカルのように一度飼育した野生動物を、
人間の都合で野外に放つなど言語道断です。

と、
分散型昆虫ファーミングの将来性を感じつつ
受け取ったのですが、いかんせん冬、保温に気を使ったものの
熱帯出身のサソリが死にそうになってしまいました・

(同梱のゴキブリ達は元気でした。すばらしい。)

死んでしまう前に、ギリコさんの了解をとって急遽
サソリ料理をつくることに。揚げればおいしいことはわかっていたのですが、
何か別の調理法がないかと。考えを巡らせていたところ

ダンジョン飯があるじゃないかと。

漫画内で使われていた大サソリは全長1mほどのサイズだったので
このサソリだと1/10スケールぐらいでしょうか。

ミニチュアに見えるよう、100均で小さい土鍋を買っておきます。

乾燥スライムは塩蔵クラゲのパッケージをフォトショして歩き茸はエリンギとしいたけで作成しました。材料が揃った!シンプルに水炊きおいしい。ごちそうさまでした。

ダンジョン飯では食べて終わりでしたが
ココで終わらず、標本作りまでチャレンジしましょう。ということは、水炊き中でもUVで光ったということです。
「ブラックライトで照らされるサソリ闇鍋」とか美しいかもしれませんね。


さて

「最近はハードSFが無くなった」と言われることがあります。

ハードSFは1950年代に生まれ
いわゆる宇宙系、ロボット系のガチガチに理論を詰めて、
エネルギー源であったり未開発の技術を1点だけフィクションにし

その他の現象をきわめてリアルに構築するSFのジャンルです。

私が思うのは

「ハードSFが無くなったのではなく、リアルさを感じるSFの分野がシフトした」
のではないかと考えています。

「食」はリアルに変革を迫られていることを実感する分野です。
逆に「宇宙」はあってもなくてもいい、ファンタジーに近いものになっています。
また、映像技術の発達により、誰でも宇宙に行ったような景色が見えてしまいますし
無人機が活躍して有人探査が減る中、そのリアルさは薄れていくのでしょう。
情報技術だけではリアルな食を生み出すことはできませんから、
実感のある科学技術として、食品科学がより身近になったと考えられます。

ということで、「食」は21世紀のハードSFのメインになってくるのでしょう。

前にマッドマックス 怒りのデスロードについても考察しましたが
前後してインターステラーも見ました。

これらもメインの課題、登場人物の行動の動機は食料でしたし、
それについてきちんと設定を練っているところが
物語のリアルさを高めていました。

そこで宣言しておきます。

「昆虫食の開発と実践はハードSFである」と。

唯一「昆虫食が普及していない」という一点のみをフィクションにして

既存の食品科学を駆使して最高の昆虫料理を開発する。

そして
昆虫を生産し自給する集落を見越してその文化を構築する。

お遊びでずさんな昆虫食をすると、おもしろさが減る気がするのは
私がハードSFとしての完成度を高めようとしているためだと気づきました。

そこから見えてくる未来はユートピアか、ディストピアか。
あなたは何が見えてきましたか。

ということで、
昆虫食を題材にした創作物のアイデアがありましたら、
相談に乗ります。

昆虫食の兄を持つ妹botなどの日常系でも
テラフォーマーズのような宇宙と絡めてもいいかもしれません。

もちろんダンジョン飯もハードSFだ、と言えるでしょう。

また、ハードSFはフィクションの
但し書きを一点しか書かなくてすむ、という点で誤解を招きにくく、
実際のサイエンスとの相性も抜群です。

鉄腕アトムという創作が二足歩行ロボットの研究者を育んだように
メーヴェが実際に一人乗りジェットを生んだように

様々な創作物は相互に影響しあい、「文化」を形成します。
もちろん研究も、そこから逃れることはできません。
むしろ積極的に文化社会の形成に関与していくことが
これからの市民化したサイエンスに求められる役割でしょう。

研究者や漫画家、アーティストが考えた
おいしい未来を作り出す「実践」の
多様な形を見たいものです。

あなたが考える昆虫食の未来、パラレルワールド
なんでもお待ちしております。
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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