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「ハチノコ」は、昆虫食の中でもメジャーな存在で
イナゴの次ぐらいに食べたことのある人が多いかと思います。

主に
クロスズメバチの子を称するのですが
地方によってスズメバチ類全般の幼虫を指すことも。

これらは
皆肉食なので、彼らが健全に大きな巣を作るためには
餌となる新鮮な小昆虫がたくさんいる環境が大切です。

ところが近年、クロスズメバチの減少が問題になっています。
他の肉食のハチよりも
クロスズメバチに顕著なので、乱獲が原因と考えられています。

そこで、昆虫食の盛んな長野では、
春のうちに小さい巣を屋内に入れ、「飼い巣」
と呼ばれる半養殖が行われています。
タンパク質を多く含む「魚のアラ」などを巣の前に置くことで
野外ではめったに見られない巨大な巣に仕上げることができるとのことです
飼い巣の大きさを競うヘボコンテストも行われているそうです。

そのため
昆虫食文化を背景としない我々ミーハー昆虫食者は、
できれば
「飼い巣」のクロスズメバチを、
文化の保護を目的として購入したいものです。

「乱獲されているから食べるべきでない」と、常食者に言いたくなるのは
我々ミーハー昆虫食者が自戒して慎むべきことといえるでしょう。

「減少している事実」が知られたのも
継続的に捕獲している彼らの存在があってこそです。

(逆ですが、ミドリガメはその個体数を計測する研究者がいなかったために、
その侵略的外来種としての定量的な調査がすすまなかった、という経緯があるそうです。)

そのため、
既存の昆虫食文化は「持続可能性な形」で存続・保全してもらう、
というのがひとつの方法です。
そして
新規参入に関しては「既存の食文化を圧迫しない形」で行われるのが理想でしょう。

そんな中
「ハチの子の資源を気にせずに食べたい!」という方におすすめしたいのが

「ミツバチの蜂の子」です。こちら



不敵な笑みをたたえるお兄さん。
それもそのはず、

「おらん家のハチの子」には
主に働かないミツバチのオスバチの蜂の子が使われているそうで
(雌雄の判断は働き蜂が作った巣の内径次第だそうです。
女王蜂は巣の内径を測定した後、未受精卵(オス)受精卵(メス)を貯精嚢を操作して産み分けます。)

働かないゴクツブシは
養蜂家の判断で、幼虫のうちに捨てられます。

この時、採集して煮て缶詰にしたのが、この「おらん家のハチの子」なのです。
養蜂の副産物ですし、オスバチだらけになった巣は勢力を失っていきますので
妥当な間引きでしょう。

コクや香りは肉食のハチの方がある気もしますが
ミツバチの幼虫、蛹も美味しくいただけます。

初めての昆虫食にはピッタリではないでしょうか。

そんなハチの子がいまならセール!
140gが1680円なのに、200gが1890円!
(追記;増税により値段UPしましたが)
たった210円で60gも余分についてくる。

ステキですね。
一人で食べるのはちょっと量が多いので

パーティーに持参すると
この不敵なお兄さん
(しかしモデル誰なんでしょうかね)

にやられること請け合いです。

さて、
「ミーハー者のためのハチノコ食」として
もう一つご紹介しましょう。
「ハチノマゴ」とも呼べる?存在
「ハチノスツヅリガ」です。


蜂の巣に侵入して、蜜と巣を食べてしまう厄介者ですが
逆に蜂の巣の廃材や、
コムギのフスマを使って簡単に養殖もできます。

こんなかんじで蜂の巣を「綴って」まゆを作ります。

ほぐすと中には蛹が。


成虫はこんな感じの地味な虫。


味見 いつものようにゆでポン酢で。

幼虫 フスマでの養殖したものを食べる。蜂の子よりシコシコしており、木の香りがしてとても美味しい。甘みもあるので蜂の巣の残渣で飼育したらもっと美味しそう。チャレンジしてみたい。


蛹 噛みごたえはピーナッツのうす皮程度でクリーミー。香りはうすく、油が強いナッツクリーム。いずれもおいしくたべられる。甘い香りはほとんどなし

成虫 モフモフとした鱗粉の食感が今ひとつだが、香ばしい成虫独特の香りが食欲をそそる。肉質な部分はほとんどないので満足度は低め。

このハチノスツヅリガは
「ハニーワーム」として爬虫類用の生き餌としても
売られています。
養蜂の迷惑になるので、もちろん屋内での飼育が推奨です。
成虫になっても
決して野外に放虫しないようにしましょう。

ゆくゆくは、養蜂の残渣をハチノスツヅリガで処理し、
「ハチノマゴ」を食べる文化になれば、と考えています。

もともと養蜂には殺虫剤が使えないので
養蜂のさらなる高度化に他の昆虫を利用することは比較的簡単にできるでしょう。

「ハチで受粉した果物」と「蜂蜜」と「ハチノコ」と「ハチノマゴ」

養蜂の高度化が成功すれば、よりハチとヒトのいい関係が築けるのではないでしょうか。

では、
養蜂の害虫である、ハチノマゴをハチノコから
どのように「隔離して飼育」するのか、
その未来の展望を、とある論文から覗き見てみましょう。

次の記事に続きます。



















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無題
これ「アシナガバチハンター」だった小学生のころ、ハチノコとだまされて食べたことありますw
信州人(おもに松本) 2014/04/21(Mon)18:38:09 編集
Re:無題
ハチノマゴ!ですのであながち詐欺ではないかもしれません。美味しいですよね。
【2014/04/28 18:24】
おいしかった
おいしそうだったので、味見したことがあります。
飼っていたニホンミツバチの巣に巣食っていたもので、とてもコクがありました。
トウモロコシのメイガと似ているような気がしたのですが、メイガは塩ゆで、ツヅリガは油炒めだったので、比較するのはおかしいかも。
KOH URL 2014/04/22(Tue)23:28:51 編集
Re:おいしかった
http://mushikurotowa.cooklog.net/Entry/204/http://mushikurotowa.cooklog.net/Entry/204/
確かに
トウモロコシの蛾、
スジコナマダラメイガにそっくりでしたね。

大きいのでこちらのほうがより汎用性がありそうです。
貯穀害虫はエサの保存が容易なので、季節を気にせず養殖出来るメリットがあります。
ご家庭での「籾殻」や「米ぬか」 の処理として、ぬか漬け以外の可能性を示したいですね。
【2014/04/28 18:31】
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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