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冬はバッタのエサであるイヌムギを求めて河川敷に採集に行く日々です。
そこでオオカマキリの卵を見つけ、味見をしようと
引き出しに入れておきました。

卵塊のフワフワの部分をむしり、卵を食べた、との話を以前に聞いていたからです。
当然孵化させるつもりは毛頭ありませんでした。
まだ春まで時間があるのでそう簡単には出てこないだろうと高をくくっておりました。




デスクトップ占拠。

華奢な肌色の孵化幼虫が周りを伺いながら我が物顔で散開する感じは
こいつらによく似ていました。本当にモチーフじゃないかと思うぐらいそっくり。


研究室の平均気温はインキュベーターの影響で25度前後で年中一定しております。
春はまだ先なのに起こしてしまいました。
蟷螂には申し訳ないことをしました。

食べて供養いたしましょう。



一緒にトノサマバッタの孵化幼虫も頂きます。
カマ茹で湯豆腐として食べましょう。

カマキリ
しなやかで、しゃきっとした歯ざわりがとても心地良い。
ほそもずくのような食感。ポン酢もよく絡んで豆腐に食感のアクセントを与えている。

トノサマバッタ
カマキリより一匹ずつに重量感があり、ぷちっとした食感とシャリッとした歯ざわり。なにもたべていないせいか草の香りはほとんどしない。味の絡みはカマキリのほうが良い。

同じ孵化幼虫でもまったく食感や味が違いますね。
次回は孵化する前の卵を食べ比べてみたいです。
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K大学の教授から分けていただいたオレンジヘッドローチ。 Eublaberus prosticus?


羽化直後で柔らかかったので、これを味見することに。

彼らはGの中でかなり大型。デュビアとマダガスカルの中間ぐらい。
厚みもあって垂直な壁も登れない。しかも食欲も旺盛で
とても飼いやすい。

ただ
飼っていると臭いのが難点
蒸れた靴下に腐ったミカンを入れて野ざらしにしたような酸味のあるニオイとムレた不快臭。

正直味見するのを延期してきましたが。

これだけ美味しそうな成虫がとれたのだから食べてみましょう。
大型の昆虫は部位別で食べられるのが強みですね。

翅;クニュっとした食感とシコシコした歯ざわりが美味しい。旨味もあり昆虫の羽ではかなり美味しいレベル。

頭部;芋系の香りと粒感のあるタンパクな味。全くエグみがない。

胸部;かなり美味しい。やはりサツマイモ系の香り。
見た目で気になる脚部のトゲも食感は柔らかく、問題なく飲み込むことが出来た。

腹部;やはり強いゴキブリ臭。集合フェロモンの強い匂い。味は問題ないはずなのだが濃いニオイがダメ。調理前に腸を切除するか、揚げて揮発させる必要があり。

非常に残念。

腹部さえおいしければ100点なのに。
カミキリムシはコーン系の最上位種。ゴキブリは芋系の最有力候補 だったのに。
腹部の付属腺あたりから通常の食品では考えられない
濃い有機系香料のニオイ。

なるほど。 以下考察。
ヒトの嗅覚は数個の分子でも感じるほど敏感にできていて
しかも他のニオイ情報と混線しにくい仕組みになっている。
(2004年ノーベル医学生理学賞)
ので、
ある食べ物を口に入れると
複数種のニオイがそれぞれ異なるニオイとして知覚される。
そして
それぞれが一定以下の濃度だと「風味」として処理され味覚が優先される。

ところがある単一のニオイ刺激を強く感じると
味覚と分離することは困難になり「非食用」となる。

以前食べたシュールストレミング(ニシンの発酵缶詰)も味は良いのだが
下水の中で食べている感じで、ニオイはどうしても無視できなかった。

味とニオイを分離するには
ニオイが一定以下の濃度であることが必要なのかもしれない。

ということで、
うちのオレンジヘッドは「揚げ調理」もしくは生ごみ処理として飼育することになりました。
食欲旺盛でなんでも食べるので、おすすめのゴキブリではありますが
味まで都合よく「美味しい」とはいかないようです。





 

昆虫料理の開発をしているとよく言われます。

「すりつぶせば食える」

見た目が気に入らないために昆虫食ができない。すりつぶせばいいのに。

はたしてそうでしょうか。
「エビはグロいがえびしんじょなら食える」

という方を見たことがありません。

そもそも、昆虫の食感の魅力として外皮のパリパリ感があります。
腹部のプチッ感も魅力の一つです。そんな食感を犠牲にしてまで
見た目に拘る必要があるのでしょうか。それは豊かな昆虫食生活といえるでしょうか。

ともあれ、
グダグダ言っていないでやってみる ことが何よりも大事です。

幸い実験に使用したバッタを茹でて冷凍保存したものが豊富にありますので、
この機会に食べてみるのもいいとおもいまして。
正直に申しますと実験の度にバッタを冷凍保存しておりまして
冷凍したバッタが実験のジャマ
という本末転倒な事態に陥っておりまして、その解消といったことが
今回の主な理由だったりします。

さて

今回はバッタのハンバーグを作ります。
それはこのニュースのためです。

蚊100%のハンバーグ
湖で大発生したフサカを捕まえ、練って焼き、
じゃこ天のようなハンバーグを作るのです。

羨ましい。ぜひアフリカに行ったら食べるんだ、と心に決めておりました。

ところがどこからか声がしたのです
「蚊がなければバッタを食べればいいじゃない」

まずバッタを160度のオーブンで60分加熱します。
本来の香りを逃さないため、ビビって低温に設定しましたが、
180度ぐらいで香ばしく仕上げても良かったかもしれません。



次にフードプロセッサーで細かくします。


もうハンバーグのタネにしかみえませんね。

1/4量の豚挽肉、卵、牛乳、「挽肉だけでできるハンバーグの素」
を入れます。

そして焼きます。


全くハンバーグにしかみえません。

このハンバーグを美味しくいただくためには。。。。
アフリカ式というよりも日本の洋食がよさそうです。
以前食べた「つばめ風ハンブルグステーキ

が美味しかったのでできるだけ忠実に作ってみます。

そういえばツバメも昆虫食です。
むしろこちらのほうが本家ツバメ流ハンブルグステーキ
といえるかもしれません。

すみません言い過ぎました。すみません。

深夜のテンションはヒトを愚かにします。

さて

こんな感じに焼きあがりました。


包み焼にしました。ワクワク感が大事です。

ワクワク



うん。美味しそう。
見た目にも全く問題ありません。
挽肉に比べ、弾力がないので若干物足りないですが、
臭いも全く臭くなく かなりの量すんなり食べることができます。

ただ、
昆虫料理の紹介に使えないレベルであります。

写真を使って私は何を伝えたいのか
こんなものでは「つくレポ」と変わりません。

写真で昆虫料理を伝えたいという強い思いが
一部の方には不評な「形の分かる昆虫料理」になるということを

ご理解いただければと思います。


もう一つ分かったことがあります。

「ハンバーグは肉の味を反映した料理ではない」
バッタで作ってもまったくハンバーグの味がします。
我々がハンバーグ=肉だと思っている味。それは
玉ねぎとパン粉とスパイスの味だと思ってよいでしょう。
冬になり、あまり野外の昆虫が手に入りにくくなって参りました。

今こそ養殖モノを、と考えてはいたのですが
養殖モノはその名の通りいつでも手に入るので
なかなか手が出ません。

今のところ
デュビア
オレンジヘッドローチ
マダガスカルゴキブリ
G三人衆が元気に野菜くずを食べてくれているのですが。。。

さて、
今回は野外のチガヤで幼虫越冬していた
チャバネセセリ。  Pelopidas mathias


アタマが大きく特徴的な体型をしています。
いつものように茹でポン酢で頂きます。

プチッとした触感と頭部のカリッと感。香りは強くなくほのかにワラの香り。
他のイモムシに比べアタマが大きいので若干ぷちっと感にカリッと感が加わりお得。おもしろい。
内部は粒感のあるタンパク系の味。

イモムシ類はプチッとした触感が魅力ですが
あまりに弾力ばかりだとクチクラのカリッと感が懐かしくなるものです。

その点でいうとチャバネセセリは両方楽しめる感じがいいですね。
あけましておめでとうございます。

昨年11月17日に参加した昆虫大学についての
詳細な卒業論文がメレ山メレ子(元)学長から更新されました。
その2あたりに(講師でもないのに)紹介して頂きました。 ありがとうございます。

そういえば、と
ブログを見返してみるとものすごく印象に残ったイベントなのに
参加報告をしていないことに気づいた!ので今から書きます。

言い訳ですが
11月はサイエンスアゴラ、昆虫大学、虫フェスと三週連続の虫イベントの他、
本業で神戸、山口行き等が重なり、風邪も引いて
このあたり結構グロッキーです。

あぁ写真写りが胡散臭い。。。。

さて。
この昆虫大学
詳細は主催者であるメレ子学長のブログをご参照頂くとして。

昆虫業界において
大変エポックメイキング
イベントであったことをココに記しておきたいと思います。

※あくまで蟲クロトワ個人の主観的な見解でありますので
若造が語るには不正確・認識不足な部分はあろうかと思います。
昆虫大学のイベントとしての特性を理解するため
他のイベントと比較することをご容赦ください。

さて
昆虫はどう愛でるべきか?

考えたことはあるでしょうか。

私の幼少期は
片道一時間かかる通学路を3時間かかって帰り
道すがらバッタやカマキリ、コオロギを捕まえ
一緒の袋に入れて持って帰ると数が減っている 笑。

このことから「被食捕食関係」を学んだものです。
生きた虫以外は興味がなく、触れると折れてしまう標本は
触ったらバチが当たる墓標のようで好きになれませんでした。

オトナになってあれよあれよという間に
「生物学の研究として愛する」
「食材として愛する」という道に進んではいますが。

2011年、初のインセクトフェアに参加した時

どこか 定型的な愛で方
「昆虫の希少性、憧れの昆虫のヒエラルキー(順位)」
「目ごとの細分化」「昆虫はこう愛するべき」
というフォーマットを感じました。

参加者イメージとしてはこんな感じ。


「共通のフォーマットで収集することによるライブラリー化」は
学術上とても重要なことですし、日本におけるアマチュア研究の層の厚さは
誇らしいことだと思います。

ただ、多様性が魅力であるはずの昆虫を愛でるニンゲン側が
画一的にフォーマット化されていないか?という疑問が残りました。

真逆の例として
昆虫食イベントを挙げます
「東京虫食いフェスティバル」

日本で唯一の昆虫料理研究家、内山昭一率いる
昆虫料理研究会主催のイベント。
参加者イメージとしてはこんな感じ。


中野での開催、という土地柄もあり、「奇妙な非社会的空間を共有したい」
というサブカルエンターテイメントとしての昆虫イベントといえるでしょう。

そのため、昆虫に学問的興味を持つ人は比較的少数で
友人には話せても職場では話せないような刺激的な体験を求めて
参加される方が多いようです。

余談になりますが、昆虫研究者同士の繋がりはとても個人的で
学会イメージとしてはこんな感じ。


隣の昆虫研究者がどの学会に属しているか、自分が参加していない学会が
どのようなカラーで活動しているか、あまり見えて来ません。
更に、「昆虫」と括られたくない某モデル動物の巨大業界とか。。。
ここでは割愛します。 笑


更に蛇足になりますが 
サイエンスアゴラ


ここまでアウェイの場所で宣伝したことを誇りに思います。


さて
本題の昆虫大学はというと
こんな感じ


いいですね。贔屓目に見ていますがよかったです。

会場ブースが昆虫学、昆虫アート、昆虫文学と入り乱れ
出展者同士が和気あいあいと交流しながら多様性を共有する感じ。
まさに昆虫の多様な生き様を体現したかのような一見カオスで安定した空間。

一日目終了後に突然始まったオオゴマダラの羽化を、
出展者が片付けを放り出して多種多様な視点から観察したあの時間に
偶然にも参加できたことを嬉しく思います。

この昆虫大学のカオスっぷりはいかにして成し得たのか

考えてみましたが

やはり
メレ子学長という「マネージャーの存在」ではないでしょうか。

とある方からの受け売りですが
Manage=動詞;どうにかする。なんとか都合をつける
という仕事は
日本語の「管理職」に当たる仕事なのですがちょっとニュアンスが違いますね。

異分野が融合し、新たなモノが生まれることを助長し、調整する
中立で強力なマネージャー、学長がいたことで
昆虫大学の他に類を見ない雰囲気が出来上がったのではないかと思います。



最後に

昆虫に関わる人がそれぞれの多様性を保ち、認め合うことで、
昆虫の新たな価値を見出すことができると信じています。
昆虫学の殆どは基礎的で地味で低予算ですが

「基礎的な学問は大事だ それが分からん一般人はバカだ」

ではなく
基礎的な学問から現代にも通用する具体的な魅力を見出すことは
昆虫の多様性をもってすれば不可能でないと思います。

ただ、昆虫の世界は種数だけでも膨大で、一人では網羅することができません。
それぞれのスペシャリストをつなぐマネージャーの存在が
昆虫コンテンツをより魅力的な形で社会に提示するキーパーソンと
なっていくのかもしれません。
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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