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春になり続々と虫たちが育っています。
ギシギシの葉にいた見慣れないこの幼虫。

「イモムシハンドブック」にも載っていなかったのですが
しらべたところ
アヤモクメキリガXylena Ochsenheimerの幼虫のよう。

いつものように茹でてポン酢で。
豆に似たやさしい甘み。かなりうまい。
外皮もソコソコの噛みごたえと弾力がありバランスが良い。とてもみずみずしい。

久々のヒットです。
色もよく比較的大型なのも嬉しいですね。
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以前 秋に「ゼッタイに食べてはいけない」昆虫としてマメハンミョウを紹介しましたが

春になってツチハンミョウ(ヒメツチハンミョウ?)を頂きました。


ガンダム0080の ケンプファーのような
ブルーメタリックのカッコイイ虫です。



ですが絶対に食べないで
ください。

触れるのも危険なようです。

節から出てくる黄色い汁にはマメハンミョウと同じ猛毒、カンタリジンを含むので

大変危険です。

でも

カッコイイですね。

ツチハンミョウのメスは春に数千個の卵を産み
ハナバチの巣に寄生して大きくなるとのこと。ううむ。すごい。


再度お知らせしますが
カンタリジンは加熱では消えないので絶対に食べないで下さい。
食べてはいけない毒虫をしって、必ず加熱して
昆虫料理を楽しみたいものです。
トノサマバッタ Locusta migratoria
は私が今最も注目している養殖食用昆虫です。

以前加齢に伴う味の変化を報告しましたが、今回は系統による差を比較してみました。

某巨大系統。日本最大のトノサマバッタ系統です。(写真はどちらもメス)


向かって右は飼いやすい沖縄系統。
体重にして3倍強、写真の個体は5.4gもあります(最大で8g以上になることもあり)

これはもはや立派なエビですね。

図体はでかいのですが、大事で弱い系統なもので
食用が許可されなかった経緯がありますが、
今回は順調に卵がとれていることから♀一匹だけ食べる許可を頂きました。

卵をいくつも生んだ高齢個体であることを考え、
油で素揚げして頂きました。
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箸と比較してもこの大きさ。


翅のサクサクとした歯ざわり、胸のカリッと堅揚げの外皮の内部にほっこりと甘い筋肉の味。腹部の脂肪体は濃厚なうま味とコク。全体としてトウモロコシ系の香りと加熱したキチンの香ばしさ・うま味が心地良い。やはりでかいと部位別に味わえるので楽しい。

昆虫の家畜化はその系統の作成も
ビジネス上の大きな一手となります。コレが簡単に増やせたらなぁ。。。。
と思う次第です。
私が所属している「昆虫料理研究会」では、
毎年4月に昆虫料理写真展を開催しています。


昨年、今年と
私も企画・ディレクター(モデル)として参加しました。
こんなチラシもエイプリル・フールにあわせて作ってみました。



一昨年2011年は昆虫料理そのものの写真。
昨年2012年は昆虫料理を食べるヒトの写真 「昆虫菓子を食べる女子会」
そして
今年は昆虫料理が普及した未来社会の写真 「虫食い散歩2033 ~未来の街角から~」


年々マクロ化していっています。

さて、
この写真展の企画意図なのですが

「飢餓にならない限り昆虫なんて喰わない」
という声が多く聞いたことがきっかけです。

未来に人口爆発が起こり、
既存の食糧は底をつき
じゃぁ虫でも食うか
そんなディストピアで昆虫を生のままバリバリと食う。なんて。

そんな未来は嫌だ。

そもそも
既存の食料=生物が底をついた時、
昆虫も生きてはいられませんし。

また、
単純に昆虫を食えば飢えがしのげるというのも
昆虫食への過大評価といえるでしょう。

今まで
利用してこなかった昆虫を
食料資源への利用することは考えるべき課題だと思うのですが
昆虫さえ食えば食糧問題解決・みんなハッピー
というわけにはいかない
ようです。

さて このへんは本業とかかわってくるので
話を戻します。

「ディストピアな世界で昆虫ボリボリという未来」


そんな糞尿地獄みたいな未来はイヤなんです。

もっと
多様でステキな楽しい昆虫食が普及した未来
見られないか

そのような提案を
昆虫料理写真展というアート企画

表現できないかと考えました。

養殖された昆虫が食卓に気軽に並び
休憩や団欒に楽しむ
そんなパラレルワールドを表現するにはどうすべきか

「そうだ パロディにしよう」

今の
「食」が定着したのも歴史の結果偶然起こったこと。
ならば同様に
昆虫が今のファストフードに採用されたパラレルワールド
あっても不思議ではありません。

そのような世界を小道具で表現するため
「ロゴのパロディ」を考えました。

白羽の矢を立てたのは研究所の先輩の横山拓彦さん
学位を取得後、イラストレーターになった異色の経歴の持ち主です。
横山さんも昆虫好きで昆虫食を嗜むお仲間ですので
きっとステキなデザインを作ってくれると思い依頼しました

期待以上の出来栄え


こうして作られたロゴを使い

パロディ元のチェーン店でロケ撮影をする
という極めてロックな方法で

しかも
プロのポートレートカメラマン
お願いすることにより

今回の写真展が実現したのです。
もちろんモデルさんは昆虫料理を嗜む方。

自信があります。
見に来て下さい。


昆虫食は研究として、
未来の食として多く紹介されることが多いのですが
まだまだ克服すべき課題も多くあります。

しかし、
私は昆虫食が普及する明るい未来がくると信じています。
そんな根拠なき妄想といえる研究の理想像

論理的に詰められていない段階で
コンセプトアートとして発信
してもいいのではないか。

そんな
ささやかな個人的願いが込められています。

そんな昆虫料理写真展も
今日明日明後日まで。

28日には虫屋台もでます。

是非お越しください。









パッと見 巨峰のタネのようですが。


れっきとした昆虫です。
おそらくヒラタアブ系のサナギではないかと。

草に付いていました。

実食
びっくりするぐらい無味。サクッとした外皮と液状の内部。わずかに草の香り。
双翅目の幼虫は抵抗がない代わりに特徴がないことが多い。
大量生産と栄養としての消費には向いている気がする。

うーむ。期待した美味しさは感じられなかった。残念。
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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