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「写真がよい」とのお褒めのコメントをいただくことがあり
大変嬉しいのですが
「一眼?」と誤解されているようなコメントがありましたので
当ブログの撮影環境を説明しておきます。

ちゃんとした虫屋さんのようなカメラ知識も設備もないのですが
気軽に虫ブログを始められる案内になればと思います。

カメラ
オリンパス製 XZ-1を使っています。


後述しますが、簡易スタジオのような所でほとんどの写真を撮っているので
事前に撮影条件を決めておき、カスタム登録しているので、
今のところこの条件では問題ありません。
AFが甘いので、MFの勉強にもなる(笑)スグレモノです。

簡易スタジオ
電球形蛍光灯と反射板を組み合わせた簡易スタジオです。
研究室のものを使わせていただいています。



反射板にはディンプル加工(つぶつぶ)がしてあり、
ディフューザー(白い透過性の布)もついているので
昆虫にありがちなテカリと白飛びを抑え、自然で美味しそうな昆虫を撮影することができます。
同時に、昆虫料理の撮影にも使えますので一石二鳥です。

三脚
「ゴリラポッド」を使っています。
コンパクトカメラなので、簡易三脚でも十分保持できます。
また、氷冷した昆虫が半分起きた「寝起き」を撮影するので、
虫が変な向きになった時でも自在に対応できるのが魅力です。

麻酔
エーテルなどの有機溶媒は食用に適さないので使いません。
二酸化炭素の装置などがあればラクなのですが、
基本的に氷冷麻酔をしています。低温になると「突っ伏した」状態なのですが
半分起きてくると脚を踏ん張り、上体が起きた状態になります。
起きたままうかうかしていると完全に起きて飛んでいってしまうので、
アシナガバチやキイロスズメバチではビビりながらの撮影となりました。

編集
コンパクトカメラの特徴を活かして、「寄る」のが好きなので
若干虫の前にカメラの影がうつりこんでしまいます。また、白飛びがキライなので
すこし暗めの仕上がりです。取り込んだ写真はAdobe Bridgeで軽く編集し、
解像度を落としてブログに挙げています。

蛇足
野外撮影においては、XZ-1はかなり酷い出来栄えです。(笑)
フルオートではNDフィルターも光量の調節もできず、AFも合わず
虫を撮影したいのにいつもあさっての方向にピントを合わせます。

マクロとスーパーマクロの切り替えも
何度もボタンを押さなくてはならず
よくシャッターチャンスを逃します。
中古25000円で買ったわりにはよく働いてくれるのですが。

次はとうとう一眼に手を出すべきか。悩ましいです。
PentaxのK-30が値下がりしていますね。
昆虫写真と料理写真しか撮らないので
ボディとWPマクロレンズだけでも買ってしまおうか

などなど

予算がないくせに妄想は膨らむばかりです。
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ブドウトラカミキリ Xylotrechus pyrrhoderus pyrrhoderus Bates

近所のぶどう棚で発見。毒々しい配色ですが無毒。
背中の模様がXなので、近縁種のクビアカトラカミキリではなくブドウトラカミキリと判断しました。以前食べた同じトラカミキリ属のトラフカミキリは美味しかったので、期待です。

味見・茹でポン酢
小型のカミキリのため比較的食べやすい。口に入れた直後は体液の甘みが強く、
くさみのないクリアな味わい。口に残った外皮はまったく味がなく、後半は味気ない残念な感じ。
軽く揚げることで外皮が食べやすくなると思われる。


ブドウトラカミキリはその名の通りブドウの枝に入り込んで食害する害虫です。
これだけ味が良いのだから食べればいい、とは思うのですが、
ブドウを農薬なしで育てると減収率が66%、6割以上が失われてしまうので
農業としては殺虫剤なしにすることは難しいのでしょう。

無農薬をうたう有機農業の方で、
害虫駆除を「食べて」やりたい
という方にまだお会いしていません。

殺虫剤を使わない農業では
人の手が主な駆除方法となりますので、
その中で美味しい昆虫が採れれば食べたいものです。




今回は味見の話ではありません。
ご興味のない方はスルー推奨です。

当ブログのタイトル「蟲ソムリエへの道」は
今はまだ素人な著者が、
そのうち「蟲ソムリエ」になれたらいいな、
という願望をこめて命名しました。

では
「蟲ソムリエ」とは何になるということでしょう。

モヤモヤしていたので
ソムリエのことはソムリエに聞け、ということで



田崎真也さんの著書を読みました。
ソムリエは
まだ封を切っていないワインについて、
言葉だけの表現でお客さんに飲む決意をさせる仕事をしています。

味わえば一発で分かることを、
その前に言葉だけで伝える。

舌の確かさだけでなく、
言語での表現力が求められる仕事といえるでしょう。

そうなんです。蟲ソムリエもそうありたいものなのです。

では、
当ブログの過去のエントリを見てみましょう。

「ギンヤンマに似た味」
「典型的なコガネムシ味」

「何の味だよ!」とツッコミのコメントも頂いたようですが
全く仰るとおりです。
これではゼロ点です

「虫を食べたことのない人に虫を伝える表現力」が必要になります。

どうすれば身につくのでしょうか。

田崎真也さんの著書の中で
「五感を鍛えるトレーニング」が紹介されておりました。

「五感でキャッチした感覚を言葉に置き換えて記憶するテクニックを鍛える」
「物事を多面的・多角的に感じる能力が優れてくるとそれを表現する言葉も増える」
「表現力が豊かになるということは感受性も豊かになる」

いいことづくめではないですか。
味だけですと味覚に偏ってしまうので
五感全てを動員して

「虫の魅力を虫に興味が無い人に伝える言葉のトレーニング」
をやってみることにします。

実はこの本を読む前から
漠然とやっていたことなのですが、
ようやくその意味が分かってきたのでここにご紹介したいと思います。

1,カマキリの女性らしさ

フランスで出会ったカマキリがとても女性らしかったので、
言葉でどう表現すればいいか考えた結果「緑の浴衣の見返り美人」


という結論になりました。
こちら。

とてもセクシーです。

2,シロスジカミキリの顔
シロスジカミキリの成虫を捕まえた所、大変ワルそうな顔をしていました。
ワルそうなサングラスをかけて、でも髪はおさげ、というどこかユーモラスな風貌に見えてきました。
ということでコチラ。


3.エビガラスズメの蛹の合わせ
エビガラスズメの蛹はどこか女性的なラインがあり
髪の長い女性が着物を着たような感じを思わせます。
「ブータンの王女」という表現に落ち着きました。

こちら。


4,ニイニイゼミのマッチョイズム
ニイニイゼミの幼虫を捕まえた際、羽化が始まってしまいました。
狭い殻の中から大きく上体をそらし、膨らむ様は
胸部の6つに割れた腹筋六本脚も相まって
ボディービルディングの選手のようなマッチョイズムが溢れていました。

こちら。



5,オナガミズアオの風格
頭部に豊かな黄色の触角をつけ、どっしりとした風格の白いボディ。
体の各部に鮮やかなピンク色の差し色が入り大変見応えがあります。

これは直感的に理解しやすかったです。
コチラ。




6,タガメの脱皮
食用にするかどうかわからないのですが、タガメを飼育しています。
脱皮直後はいつものくすんだ茶色とは似ても似つかない鮮やかな色をしているのですが
なぜか幼虫脱皮は緑色、成虫脱皮はピンク色だったのです。
その蛍光っぽい色と透け感が何かに似ていないかと
探した結果、見つけました。なんだか成虫と幼虫の色の違いが説明できたかのようで
大変愉快な気分になりました。




このように
「昆虫の魅力を何か別の言葉で表現するトレーニング」は

昆虫を研究し、
一般にその魅力を発信する際にも使える力が身につくと思います。

逆に考えると、
「なんかムズカシイことしてるんだね」と思われてしまう研究者は
「専門用語を別の一般的な言葉で表現する」
トレーニングが不足してるのではないでしょうか。

虫に対する風当たりが強い昨今、
「言葉にして伝える技術」
虫と人とをつなぐ事になるのかもしれません。

このブログで磨くスキルとして、
大事にしたいと思います。

※メンガタスズメだと勘違いしておりましたが
指摘していただきシモフリスズメだということがわかりました。
訂正いたします。

8月21日より某所にて泊まりがけの実習に行ってきましたので
ネットが不自由になっておりましたところ

2chにこのブログが見つかり、いくつかのまとめサイトに転載され、
多くのアクセスを頂きました。

直接はいいにくいネガティブな意見もあり
大変興味深くみておりました。

スレッド自体ができたのが
8月20日朝6時。
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:52:52.01 ID:C+hi7EKJ0
閲覧注意

http://mushikurotowa.cooklog.net/

マジキチでしょこれ。生では食ってないみたいだけど色んな虫食べてる…
こういうやつはYouTubeで映像でみたいわ。

「マジキチ」と表現はされていますが
「生で食べていない」と内容まで読んでいますし
「映像で見たい」というリクエストもあり
コメント自体は比較的好意的です。

暇人速報さん「虫を食べて淡々とレビューしてるブログ見つけたww」

に二次的なコメントが付いていますね。



同時期に
プロブロガーであるイケダハヤトさんにより
レビューが掲載されました。

…恐縮するぐらいべた褒めです。ありがとうございます。

今回の盛り上がりで大きな収穫が2つありました。

スレッド自体の全内容はdat落ち?とかで回収できなかったのですが。
こちらのレス。

12: ブログみてみろ。マジキチな虫まで食べてるから。色んな虫食べてるから。

いい表現ですね。
ここから分かることは
日本の昆虫は「食える虫」と「食えない虫」に二分されること。
そしてそれが「マジキチでない普通のこと」であること。

イナゴ・ハチノコなどの

「普通の日本の食用昆虫文化」が根強く引き継がれていることを感じさせます。


そしてもう一つはコチラ。

暇人速報のコメント欄より。
綺麗な写真と、文章だけの感想。これは食べてない。
せめて調理して食べる直前の画像や解体画像があれば信じるけど。

妄想だけでこの分量書けたら作家になれる気がします。

以前に
論文209本を捏造した麻酔科医が話題になりましたが、
彼も作家になればよかったと思います。


さて、浮かれ気分はこのくらいにして、


在庫整理と参りましょう。

研究室のパートのおばさんお姉さんのゴマ畑で発生していた大型のスズメガ幼虫。


胸部にしろいツブツブがある点
終齢まで育てると尾角がピンっとしている点から
シモフリスズメ Psilogramma incretaであることがわかりました。

ゴマにつくスズメガの幼虫は他に
終齢の尾角がS字に湾曲するクロメンガタスズメや
湾曲しないメンガタスズメがあるようです。


昨年つくば植物園「虫と植物展」で見たクロメンガタスズメは
もっと黄色がかって大型でしたので、いずれ食べたいと思います。


続いて蛹になる寸前の前蛹
一旦着色します。

 

土中(ここでは湿らせたティッシュの中)に茶色い糸を吐き、
蛹室をつくる糸を吐き終わると緑色に戻ります。


昆虫は開放血管系なので、
おそらく水溶性の色素を合成すると血液に乗って全身に回ってしまうのでしょう。
脱皮前後の色変化はいろいろな昆虫でみられるのでおもしろい現象です。


そしてサナギ。


口吻が棍棒のようにニュッと飛び出しています。
クルッと巻くエビガラスズメとは違うようです。

さて
味見。

幼虫
! 胡麻に似た香りがする!
茹でただけなのに香ばしい香りと青っぽい小松菜系の香りがして大変美味しいです。
ただ大型のスズメガのため外皮はとことん固いです。鮭とばの皮のような噛みごたえ。
エビガラスズメの方がタンパクで、メンガタスズメのほうが脂質のコクが感じられました。

前蛹
うーむ。。。。美味だ。今年後半の大ヒットかと。
前蛹になり外皮の弾力が減ることで、噛み切りやすくなり焼いた鳥の皮のような噛みごたえに。
ローストしたかのような香ばしい香りが凝縮され、好みの分かれそうな青臭さは消えている。

サナギ
外皮が堅めになってしまったものの、内部のクリーム感はむしろ増しており
練りゴマのような濃厚なクリームに。ここでエビガラスズメに似た豆腐感(タンパク系クリームの味)
も加わり前蛹よりヘルシーなイメージ。

番外編
ヤドリバエ
以前シロヒトリに発生したヤドリバエと思われるハエに寄生された個体があったので報告します。
以下閲覧注意


「味見」というのは全く主観的なもので
その時の気分・体調・前後に食べたもので変わることもあり
また食べる昆虫の状態によっても大きく異なります。

ですが
何度食べても同じ味、同じ表現が出てくると
その昆虫の普遍的な味、というものが浮かび上がってきます。

本来であれば10人ぐらいで比較しながらこの作業をやりたいのですが
今のところ一人でやります。

さて
ハラビロカマキリ幼虫  Hierodula patellifera


昔から好きな昆虫なのですが、
以前に成虫を上げて食べた時、苦味があり、消化管にジャリジャリとした悪い食感が残り
「マズイ昆虫」のカテゴリーに入ってしまっています。

マズイと判断するのは大変心苦しいので
できれば美味しい食べ方を模索してあげたいところです。

そこで、今回は
幼虫を絶食させ、消化管の内容物を減らした状態で味見することにしました。

味見
絶食をかけたのでじゃりじゃり感は少なめ。意外と酸味がつよく、酢酸系の鼻に抜ける香り。味はバッタに近い穏やかな香り。筋張っており、口当たりはやわらかいのに口に残ってしまった。数が集まらないわりにあまりおいしくないのでやはりオススメしない。

残念です。「カマキリは割と美味しくない昆虫」の再現性がとれてしまいました。
カマキリが食べるバッタの方がオススメですね。

これから秋になりると、バッタのシーズンが到来します。
カマキリの気持ちになって採って食べてみましょう。
(生食はカマキリのマネをせず加熱をしっかりと!)
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
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Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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