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秋ももうすぐ終わり。
つまり
バッタの旬ももうすぐ終わりです。


今年も関東では、数カ所でバッタ会が行われ、
追加アップデートを行いたいとおもいます。

今回も以前の記事「バッタ会のガイドライン」を踏襲し、
美味しくて食べごたえのある、トノサマバッタを主に考えたいと思います。

昼のバッタ会

今年も昆虫料理研究会主催の
バッタ会は昼間に行われました。
11時半から13時までが主に採集時間になります。

多摩川の支流の河川敷に集まり、
持ってきたお弁当のおかずとして
捉えたバッタを食べます。

バッタが最も活発な時間であり、
近づくだけでパッと飛んでしまうので、
採るのが大変です。

ただ、代わりに見つけるのは比較的簡単です
動かずに留まっているバッタを
見つけられない、初心者の方にはお勧めです。
収量がセミ会ほどはないのですが、
運動になるので満足度の高い会になっているようです。


夜のバッタ会

虫フェス vol.4にお呼びしたタイ人によると
「夜の間にライトで照らしながら採るんだ!」とのこと。

やってみましょう。

夜21時の畑。
いました。


全く動かず、草むらの背の高いイネ科の草に捕まっています。



触っても全く動きません。
昼のバッタ会に比べて捕まえやすそうですが
動かないのが逆に見つけにくいのです。



お分かりいただけただろうか。。。。






このぐらい
トノサマバッタへの「目」ができていないと、収穫は難しいでしょう、
私はというと、
自転車で移動しながら
草むらのバッタの死体を見つけるぐらいの、
「目」に訓練されていますので、

夜のバッタ会は玄人向けかも知れません。


朝のバッタ会

そんな中、カヤネズミの研究者の方がtwitterでこんなことを
「運動能力を比較すると、野外の中型以上のバッタを捕食できるのか?」

カヤネズミはイネ科の草本地帯に生息し、
ススキなどを駆使して器用に球状の巣を作る可愛らしいネズミです。
生息域がトノサマバッタと丸かぶりなので、捕食者である可能性もあるのですが、
昼間の俊敏なトノサマバッタを見ると、確かになかなか捕まりそうにありません。
カヤネズミはヤマネのように枝をつたって走り回ることもないそうです。

そこで、夜の様子を見直すと、全く動かず、
夜でも体温を保てる恒温動物のカヤネズミが食べまくれそうな雰囲気です。
枝の高いところに必ずいるのも、地面を歩く捕食者を避けるためかもしれません。

「恒温動物であるカヤネズミが変温動物であるトノサマバッタを捕食しやすいのは夜」

という可能性を伺った所、
カヤネズミの活動期は「薄明薄暮性」つまり夜明け前から早朝にかけて動くそうなのです。

確かに気温が最も下がるのは夜明け前。
朝になると低気温と日光が同時に手に入ります。

ということで
朝8時ごろ
見に行ってみました。(6時頃に行きたかったのですが寝坊しました。)



適度に動くおかげで見つけやすく、
捕まえやすく、捕獲レジャーとしても楽しめそうです。

ということで、
まとめてみましょう。

バッタ会には3パターンが考えられます。

1,昆虫料理研究会流:昼バッタ会
昆虫採集がメイン。河川敷で汗をかきながら
効率の悪い採集食を楽しむ初心者向け
味見程度でお腹いっぱいにならないぐらいが
ダイエットに効果的



2,タイ人流 夜バッタ会
夜のバッタがおとなしい時間に
ヘッドライトをつけて採集。
動かないバッタを目ざとく見つける玄人向け。
作物泥棒と間違われないよう通報に注意。
(蛾の夜間採集で通報された蛾屋の方もいるそうです。)


3,カヤネズミ流 朝バッタ会
今人気の「朝活」。
明るく、動きの適度なバッタを捕まえ、
さっと揚げてタンパク質豊富な朝ごはんに。
運動すれば朝ごはんを規則正しく食べることができます。
今話題の「エクストリーム出社」にも使えるかもしれません。
朝に強い人向き。


さて、
夜バッタ会と朝バッタ会について
動画を撮ったのですが、

昼バッタ会についても動画を撮っておこうと
カメラを持って出かけました。

「なかなか採れない活発なバッタの映像」を撮りたかったのです。

ところが

1、活発なバッタは採れないし撮れない。
2,撮れるバッタは鈍くて採れてしまう。

という残念な結果となりました。

狩猟の喜びを感じられる動画をご覧ください。




「恣意的な動画をとるって難しいですね。」







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無題
動きすぎず、止まりすぎない朝が一番採りやすいんですね
食べるかどうかはともかく本当に勉強になります
NONAME 2013/10/28(Mon)20:51:06 編集
Re:無題
そうですね、カヤネズミ方式は
実はボスからおすすめされた方法でもあります。
熟練の研究者は野生の本能が宿るのかもしれません。
【2013/10/29 15:41】
無題
確かに夜間のトノサマバッタ採集は探虫能力が一定以上ある人向けですね。
しかし昼間は素早いキリギリスも夜間は大人しくなるので私もよく夜間に襲撃しに行きますよ。
また、クワガタ採集のためゴルフ場や温泉の街灯巡りをしているとトノサマバッタも集まっていることがあります。コンクリートの路上で動かなくなっているので子供でも簡単に発見して素手で捕ることができます。
しかし最近の街灯は昆虫が寄ってないタイプになっているので寂しい限りです。
この習性を応用してトノサマバッタが多い河原で灯火採集というのをやってみたいですね。
少なくともカワラバッタは灯火に寄ってきやすい事を飼育下で確認していますので、
カワラバッタに対しては成果があげられるのではないかと考えています。
M.H. URL 2013/10/31(Thu)01:43:30 編集
Re:無題
Hさん
ありがとうございます!
キリギリスやクツワムシも夜に赤LEDで照らしながら行くと、
あまり見えていないようで簡単にとることができました。

トノサマバッタは走光性、というか熱に向かっていく性質があり
ゴルフ場の水銀灯も熱を持つのでその性質なのかもしれません。

タイ人の方も、ライトトラップではなく
、夜にライトで照らしながら草むらを探して
トノサマバッタを採集するようです。

やってみたいですね「夜のバッタ会玄人」「昼のバッタ会素人」

主催者は河原に住み着くヒトのような生活になりそうです 笑
【2013/11/11 22:13】
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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