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お盆が過ぎ、もう立秋も過ぎ、
夏は過ぎ去ろうとしています。
今年は自分の計画性のなさ故にセミ会にもいけず、
思った以上に夏を満喫できていない缶詰状態ですが
秋の始まりをみつけましたので報告しましょう。
秋といえば「鳴く虫」ですね。
鳴く虫文化史によると
鳴く直翅目を楽しむ文化は日本、中国、ドイツなどの特異な文化とのこと。
江戸時代の江戸は鳴く虫文化の花盛りで、野生・養殖を含め虫カゴと合わせた鳴く虫市場があったとのこと。
日本の昆虫利用文化のレベルの高さが伺えます。
さて
今回「聴き比べない」のは四種類
エンマコオロギ Teleogryllus emma
コオロギ科 枯れ草や石の下によくいる普通種。
鳴き声 コロコロリー
味 以前も味見したが相変わらず美味しい。
甘みの強く脂質系のコクもある。シコシコとした筋肉も美味しい
大型なのに外皮が柔らかいため汎用性が高い。
アオマツムシ Truljalia hibinonis
マツムシ科 樹上でみられる動きの速い虫。明治時代の外来種らしいです。
鳴き声 リューリューリュー
味 キリギリス系よりコクが強めの味。穀物のようなうまみが強く
コオロギとも違う味。外皮は柔らかく小さいが味が濃いので楽しめる。
スズムシ Homoeogryllus japonicus
マツムシ科 エンマコオロギと似た所に住む。
声 リーンリーン
味 特徴的な青っぽい香りがする。コオロギと大差ない味だと思っていただけに意外。
味はヨーロッパイエコオロギに近い地味な味。手足が長い分すこし口に残ってしまう。
サトクダマキモドキ Holochlora japonica
ツユムシ科。全長45 mm以上で飛翔力が高い。(4Fのベランダで発見)
声 チ・チ・チ・
味 典型的なキリギリス系味。甘みが強くクセが全くない。
内部は粒感のある食感で旨みが強い。
直翅目同士で近縁、しかも音でコミュニケーションをとるだけに
よく似た味かと思っていましたが意外とそれぞれ異なる風味。
いずれも外皮が柔らかいのが直翅目の特長ですので、
食材としてのポテンシャルはバッチリです。
好みとしては
アオマツムシ>サトクダマキモドキ>エンマコオロギ=スズムシ といったかんじでしょうか
音声でコミュニケーションをとる直翅目を半養殖して
メスだけをスピーカーから出る音声で集めて収穫
とかできれば
養殖がより容易になるかもしれません。
昆虫も動物なので死ぬと思います。
植物も受粉ができなくなるので
風媒花以外は死滅するでしょうね。
そうならないよう食糧生産について引き続き考えたいものです。
しかも考察も大変深く、沢山の知識に裏打ちされたものであると感じました。
今後も寄生虫や食あたりなどに気をつけて頑張って下さい。
今のところ昆虫で食あたりしたことはありません。
引き続き気をつけたいと思います。
「食べてもらうまでにどのような表現が有効か」というのを考えていますので
できるだけ共感されやすい表現を磨きたいと思います。
昆虫学についてはまだまだニワカですので、エキスパートの方からのツッコミを
いただくのも、このブログを学名付きで公開している目的でもあります。
(恥ずかしながらカマキリの同定を間違っており、指摘していただきました。)
これからもよろしくお願い致します。
すみません「アオマツムシ」でしたね。和名が間違っておりました
訂正します。アオマツムシは明治時代の外来種だとされているようです。
昔の「マツムシ」は今の「スズムシ」だったり
「コオロギ」と「キリギリス」が混同されていたり
昔の直翅目の命名はけっこう適当だったそうですね。
学名表記はすごい発明だったのだと感心します。
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このブログは以下に移動しました。http://mushi-sommelier.net
2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。
2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加