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マメコガネ Popillia japonica ブドウの葉を食べている所を発見。
日本在来種でありながら、北アメリカに渡り重大な農作物被害をもたらしている。
ウィキペディアによると、
「1919年には、たとえば桃が56本植わっている果樹園で、二時間に採集した量が945リットル」
とのこと。



味が良ければ「食べて駆除」も可能かとおもいますので
味見してみましょう。

味見
茹でて味見。
香ばしさが強く、マメコガネの名にふさわしい本当に炒りダイズに近い味。
コガネムシの中で抜群に味が良い。少し固いので軽く揚げたほうが良いかと。

さて、
大発生した外来種を「食べて駆除」する理想はよく語られるのですが
実際にうまく行った話をあまり聞きません。なぜでしょうか。

害虫捕獲は安定的な雇用を生まない

というのが最も大きな理由かと思います。

問題となる外来種は既存の農作物の害虫であることがほとんどで、
速やかな殲滅が求められます。
採集場所は農場で、人の手がどうしても必要です。
そして「どのくらい=何人の雇用が必要か」は発生状況によって異なり、
安定的ではありません。
そのため、雇用やビジネスとして成立せず、
あくまで農業を守るためのリスク低減、公共事業的な側面が強くなります。
また、
量が少なくなった時こそ徹底的な捕獲が必要になるので、
防除がうまくいくほど害虫の単価は高くなってしいます。
このような価格の上下の激しい生産品は市場のリスクになるので、好まれません。

そのため、
天敵製剤のような、「害虫の発生によって増え、殲滅後はすみやかに死亡する」特異的な天敵が
最も害虫防除に適した人員であるといえるのでしょう。

もしマメコガネの量に応じて分身ができ、
雇用の不安定も気にしないようなヒトがおりましたら、
害虫防除の救世主ですので、ぜひ農場へ就職して下さい。

そう考えると多重影分身ができて、生活力があり、楽天的な
 NARUTO なんかは
農業従事者に適した素質なのかもしれません。

「農業ニンジャ」は海外でも引っ張りだこのグローバル人材といえるでしょう。
ぜひ農業忍術を取得された方は懐にマメコガネを忍ばせて海外へと翅を広げてはいかがでしょうか。



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コロギス  Prosopogryllacris japonica


この昆虫との出会いは強烈でした。
4階の研究室の机の上で、いきなり威嚇してきたのです。

触角をふりみだし、翅を広げ、前後に体を揺すりながら威嚇する様はとてもかっこよく、
「なぜこんなところに?」と しばし呆然としていました。

激おこ。ですね。

おそらく樹上性のコロギスが、灯火にくる昆虫に誘われやってきて、侵入したのでしょう。

コロギスの由来は
コオロギとキリギリスの中間 であることから命名されたと言われています。

味で確かめてみましょう。
キリギリス系の甘みがつよくコクのある強い味。美味しい。コオロギ系のフェロモン臭はない。
脚のトゲが気になるので取り除いた方がが良いかと。

つまり味的にはコロギスはコオロギでなくキリギリスに近い仲間

クビキリギスに似たキリギリス系の昆虫は
アフリカのマラウィにおいて、季節の変わり目に大発生し、
現地の作物の端境期=作物が不足する時期での
栄養補助食品になっているそうです。


肉食性がつよく、
ケンカも多いのであまり高密度での飼育養殖には適さない昆虫ですが、
このような採取食文化のために生息地を保全する、
という取り組みも将来必要になってくることでしょう。
栗の木のまわりにウロウロしていたトンボに似たこいつ。


アリジゴクで有名なウスバカゲロウの成虫です。
ホシウスバカゲロウ?かもしれません。

4枚の羽を独立させてふわふわと飛ぶ様は
このロボットによく似ています。


味見
華奢で食べる所がほとんどないが、食感がやわらかくたべやすい、
味はトンボにちかいが胸肉もほとんど発達しておらず、味気ない印象

同じアミメカゲロウ目だと
ヘビトンボあたりが食べごたえがありそうです。
あとはアリジゴクも食べてみたいですね。
以前沖縄産の成虫を食べたのですが、
今回は幼虫を頂いたので味見。


成虫は茶色っぽいのですが、幼虫はこのように綺麗な緑色をしています。

成虫も幼虫も茹でると赤くなります。バッタ科、イナゴ科の特徴です。
なぜかキリギリス科では赤くなることはありません。謎です。

味見
甘みが強く、草の香りもあり食べごたえがある。口にクチクラが残るものの、
成虫ほどでなく茹でても十分味わえる。
色がグリーンから鮮やかな赤に変化し見た目にも食欲がそそる。

栄養を溜め込んでいる幼虫によく見られるのが、
特徴的な甘みのある粒感のあるタンパク質?のような食感です。
タガメの卵やギンヤンマの胸肉にもあり、この幼虫を食べた時も舌に感じられたのですが、
小豆あんの粒のような感じ。
もしかしたら未分化の細胞塊かもしれません。要調査です。

タイワンツチイナゴはタイでよく売られているのですが、
熱帯地方でも年一化で、冬を超えて春になってから性成熟するので
一世代がとても長いのが特徴です。
トノサマバッタに比べて飼育も難しく。卵をとるのは困難だそうです。
養殖昆虫食を始めたい方にはオススメしないバッタです。
近くの溜池のようなところに多く発生。網ですくいました。


マツモムシ Notonecta triguttata

幼少の頃田んぼにたまにいたので比較的親しみのある昆虫です。
その頃読んでいた図鑑に「口吻で刺されると非常に痛い」

と書いており、
同じカメムシ目の水生昆虫の中でもマツモムシだけ妙に
素手で触ることを怖がっていました。

オールのような後肢を使い、背面で泳ぐ
ステキな姿の昆虫です。薄い水色がきれいですね。

味見
臭みが全くなく、食べやすい。カメムシにありがちなスカスカ感もなく、うまみが感じられる。タガメのような特徴的な香りはかんじられないがほのかに藻類?の良い香り。

思いの外美味しかったので
他の水生昆虫にもチャレンジしてみたいですね。
タイコウチとかミズカマキリとか。。。。
Mushi_Kurotowa
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プロフィール
HN:
Mushikurotowa 
性別:
男性
趣味:
昆虫料理開発
自己紹介:
NPO法人食用昆虫科学研究会 理事長
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2008年「なぜ昆虫に食欲がわかないのか」研究を開始
食べたらおいしかったので「昆虫食で世界を救う方法とは」に変更。
昆虫の味の記載から、昆虫の特性を活かしたレシピの開発、イベント出展、昆虫食アート展覧会「昆虫食展」まで、
様々な分野の専門家との協力により、新しい食文化としての昆虫食再興を目指す。

2015年 神戸大学農学研究科博士後期課程単位取得退学
テーマは「昆虫バイオマスの農業利用へむけたトノサマバッタの生理生態学的解析」
2018年よりラオスでの昆虫食を含めた栄養改善プログラムに専門家として参加
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